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先進校視察 #3 広尾学園

2018年11月14日。

以前から興味を持っていた広尾学園をじっくり見る機会を与えていただきました。実は広尾学園、2018年3月の「Learn for life 未来の授業大会」で模擬授業を行った会場。そのときに90分を2回授業したのですが、会場係でいた広尾学園の生徒たちが生徒として参加してくれました。

参加したのは2グループの生徒。2人組の生徒はなんと中学生。自前のiPad proを使い、あっという間にプレゼン資料を作り発表しました。

またもう一組の3人組は高校1年生。内容もプレゼンもとても素晴らしいものでした。思わず、「なんでそんなにすごいの?」と聞くと、「いつもやっているから・・・」とさらりと答えたことが印象的でした。

そのようなすごい生徒たちを育てている広尾学園はどのような教育をしているのか、じっくり見させていただきました!

広尾学園が有名なったフレーズといえば、「グーグルも驚く新興校 廃校寸前が東大合格校に再生」

お忙しい中無理を言って、副校長の金子先生にお話を伺いました。

広尾学園は、本科、インターナショナルコース、医進サイエンスコースの3つからなる中高一貫共学校です。

「東京都港区の南麻布にある中高一貫校の私立、広尾学園中学・高校。現在は男女共学校だが、2006年まで伝統的な女子校だった。一時は偏差値表にも校名が載らないほど低迷したが、17年の大学入試では、東京大学、京都大学の推薦入試で次々合格。両大学は学業で際だった実績がなければ、推薦枠での合格はできないといわれる。今、広尾学園は米グーグルなどの関係者も驚く最先端の教育インフラを備えた新興校として注目を集めている。」(NIKKEI STYLE 出世ナビ から引用)

インターナショナルコースは帰国子女と日本の学生の半分ずつ。全員がMacbookを持っています。

医進サイエンスコースはChromebookを全員所持し、放課後には研究を自分たちで行っています。

そして本科の文系と理系からなる生徒は全員iPadを所持。

すべの科に共通するベースはGoogle for education。授業に活用することは教員に矯正せず、むしろ生徒の日常でどのように活用するかに重点をおいています。

広尾学園の理念のポイントは

医進サイエンスコースも医学部対策のコースではない、というのがポイント。あくまでも研究者としてのマインドを育てるのが目的です。

例えば、「病理診断講座」という授業では、順天堂大学付属病院に生徒(高1〜高3)が出向き、医者の前で病気を診断するというもの。生徒が外に出ていき、大人たちから学ぶ。それは点数が取れる生徒=医学部進学という従来の形に対するアンチテーゼです。

このような例からもわかるように広尾学園は偏差値教育をしません。

海外の論文を読み、放課後には生徒自らが研究テーマを決めます。しかも世界初の研究、というのが条件。海外の論文を読み、ディスカッションを行います。

そのような環境の中で育った生徒は、モチベーションが違う。そもそも偏差値で大学を決めません。

金子先生:「昔は余計なことを省くことに力を入れた。けれども今の教育はやりたいことを深めていくことが大切」

中学の頃から本物を味わうキャリア教育も用意されています。その名も「スーパーアカデミア」。25人のトップ研究者の講義を中1全員が体験します。

つまり大学受験がゴールではない。従来の枠組みから抜け出てほんとうの意味での学術的なことを在学中に経験させます。この独自の教育活動により、モチベーションがあがり、学び方もかわる。そして結果も出ました。

今回の視察で心を打たれた一つは「生徒のやりたいことを全力でバックアップ」

このマインドが生徒のモチベーションを上げ、そして大きく育てているのだと痛感しました。


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