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12月17日(金)雨嵐のち雪嵐、心は快晴(2)

前回の記事「12月17日(金)雨嵐のち雪嵐、心は快晴(1)」の続きです。


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〇ヨーロッパ軒総本店

ホテルから少し歩き、ヨーロッパ軒総本店に到着した。

ヨーロッパ軒総本店

「福井に行くならヨーロッパ軒がおすすめ」という噂を聞いていたから、サンダーバードの車内でどれを食べるかな、と悩みまくっていた。

当時はまだソースカツ丼愛にまみれてはいなかったので、ソースカツ、チキンチャップステーキ、ヤキメシ、ハンバーグ、ナポリタンなど、「ランチ」という名の、欲張りさん向け優しさメニューに甘えて色々食べた。
本当に美味しかった。

ヨーロッパ軒の「ヤキメシ」

と、ここまではなんてことのない素敵なお昼を過ごしたように書いたのだけれど、実は後の自分の人生に影響を与える、「なんてことのある」お昼になった。



〇あるポスター

店内に貼られていた1枚のポスター。料理ができるまでの待ち時間に店内を見渡している中で目に入って、「ここのお店と素敵なイラストのポスターや」と思っていた。その時はそれくらいだったのが、後になって「あのポスター良かったなぁ」という気持ちがじわじわ膨らんできた。

気になったものはどんどん知りたくなってしまう性分だから、今回の旅を終えた帰りのサンダーバードの車内で、手がかりは少なかったけれど調べてみた。

すると、あのポスターは福井が舞台の小説『千歳くんはラムネ瓶のなか』と福井市がコラボしたものらしい。

その時の自分は色々な本を読もうとしていた時期だったし、何よりこんなにも妙に心に残っていて、惹かれているのは、何か運命的なものがあるのかもしれない…!と思い、翌日近くの本屋さんに行き、可愛い絵が表紙の本はこれまで敬遠しがちだった自分だけれど、少し勇気を出して買ってみた。


読んでみると、イラストはポスターで見ていたとおり素敵で青春の空気が漂っていて、一瞬で好きになった。
物語の内容は、正直最初読んだとき自分とはちょっと合わないかな…と感じて30ページくらい読んだ後、一週間ほど放置していた。

後日、ふと気が向き、もう一度はじめから読み直した。
一気に読み終えてしまった。
お風呂で温まりながら本を読むのが好きな自分なのだけれど、熱々で入ったお風呂が冷めきって凍えそうになるほど、本の中の世界に吸い込まれてしまった。それくらい心をがっしり掴まれた。
自分でも不思議で、なぜここまでの変化があったのか分からないけれど(いつか言語化できたら良いな)、はまってしまった。


これがきっかけで、筆者と福井との関係が創られていくことになる。
『千歳くんはラムネ瓶のなか』に関する感想やお話などはまた別の機会に書きたいです。



〇カフェラテと雨嵐

そんな人生を揺るがす出来事が起こったヨーロッパ軒総本店を出て、ホテルへ戻るまでの道にあったセブンイレブンでホットカフェラテを買った。手が温まる。
お店を出ようと入り口のドアを開けたとき、横殴りの雨と暴風がぶわっと立ち向かってきて思わず後ずさり。同じく店内に押し込められた他のお客さんと店内で一時待機。しかし、おさまる気配もなく、強行突破しかない。と、傘を構え、カフェラテをがっしり掴んでホテルまで走った。地図や周りを見ている余裕なんか全然無くて、お約束のように一度通り過ぎてしまっていたけれど…

部屋に戻り、カフェラテの様子を伺うと、中身が飛び出してふたに飛び散りまくっているし、もう冷めきってしまっていた。本来の持ち味を活かしてあげられなかったのは申し訳ないけれど、今でもこんな思い出が残っているから、
”We had a great time over a cup of café latte!”
ということにする。



〇サンドーム福井と雨嵐

束の間のコーヒーブレイクを終えて部屋の窓を覗くと、青空が見えている。このまま持ちこたえてくれたら…!と願うけれど、北陸の天気は変わりやすいらしい。
16時頃部屋を出て福井駅から電車に乗る。16:26発の臨時列車で鯖江駅まで。


鯖江駅からサンドーム福井までは歩いて20分。
電車を降り、駅を出る。駅を出て左に向かって歩き出す。
めちゃくちゃに強い風が吹き、横殴りの雨が降り、あられが力強くぶつかってくる。
この日の鯖江駅のお出迎えは激しかった。あまりにもおかしくて笑えてくるくらい。

途中、この凄まじい光景をまた思い出せるように、と動画を撮った。今見てもおかしいけれど、ちょっと元気をもらえる動画になった。

風と雨とあられに立ち向かい続け、17:10頃、サンドーム福井に着いた。

激しさを越えて辿り着いたサンドーム福井


最近は、会場に入って初めて席が分かる。

………

アリーナB3ブロック10列目…!

めちゃくちゃに良い席!
センターステージも近いし花道も近い、トロッコが通りそうなちょっと広めの通路の横、、、

スクリーンに映し出されているトーク画面を見つつ、LIVE本番用の準備をする。一瞬も見逃したくないので念入りに、いつもの口癖「忘れ物ないかな」と何度も繰り返す。

この日、初めてフェイスシールドを装着した。変な感じ、といって笑い合った。ネタバレを必死に避けながら色々な人のレポを見て前もって調べていったので、良い感じにフェイスシールドを着けてLIVEに参加できた。


そんな風にしていると一瞬で時が流れる。
事前に録音されたeighter(∞さんのファン)のエイトコールが鳴り始め、照明が落とされ、暗転した。


(3)へ続く。

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