見出し画像

星野源 『YELLOW DANCER』 の Black Musicへの畏敬とJPOPへの自負

画像出典:公式ウェブサイト「Yellow Magazine

この間 星野源さんの「Soul」について歌詞の意味を調べました。

その中で収録アルバムにも興味が出てきて。



画像1

タイトルにはどのような意味があるんだろう?

集めた情報とコメントを纏めました。

1:アルバムへの本人コメント及び論評

さて、前の投稿でも引用したけれど改めて記載。
リリース時、星野源さんはアルバムについて下記のようにコメントしていました(一部抜粋)

『YELLOW DANCER』完成です。久しぶりのアルバム制作、楽しみながら好き放題にやらせていただきました。
2011年にリリースした1stシングルのカップリング曲「湯気」から、コツコツと進めていた「自分の趣味である(ソウルやジャズ、R&Bやジャンプブルースなどの)ブラックミュージックと、己の音楽性の融合」を、全面的に追及したアルバムになりました。ブラックへの憧れと共に、日本情緒あふれるポップスを目指した結果、「イエローミュージック」と呼べそうな楽曲たちが生まれました。体だけでなく、心も躍るようなアルバムができたと思います。
出典:公式ウェブサイト http://www.hoshinogen.com/special/yellowdancer/

また同時にメディアで見かけた当アルバムへの評論・意見はこちら。

CINRA 「一躍お茶の間の存在となった星野源。音楽家として何がすごい?」より。

アルバムを出すごとにポップネスを更新し、チャートも右肩上がりに伸ばしてきた星野源。今年5月にリリースされたシングル『SUN』でも明らかになったように、現在の彼はブラックミュージックを自らの音楽に融合させている。

実はこの試み、本人によれば、1stシングル『くだらないの中に』のカップリング曲“湯気”からコツコツと重ねてきた実験の成果だという。...星野の評価すべきところは、ブラックミュージックのリズムを基盤としながらも、それと相性のいいリフレイン中心のメロディーを敢えて避け、親しみやすい「歌モノ」として成立させていることだ。彼いわく、「『ブラックな音楽』からスタートして『J-POP』を経由し、『イエローな音楽』へ着地した」(関係者向け資料より)という“SUN”が、アルバムの方向性を決定づけたそうだが、その着地点にて作られた「イエローなダンスミュージック」が、最新アルバム『YELLOW DANCER』には溢れかえっている。
引用元:https://www.cinra.net/review/20151201-hoshinogen

またこちらは REAL SOUND の「星野源の新作『YELLOW DANCER』が心と体に響くワケーー収録曲の音楽的アプローチから分析」から。

 幼少の頃からブラックミュージックが好きで(星野のマイケル・ジャクソン好きは有名)、SAKEROCKの時代からファンク、ソウル、ジャズ、R&Bなどを巧みに取り入れてきた星野。ソロになってからも主にシングルのカップリング曲(「もしも」「季節」など)でブラックな音楽と日本語の歌の融合を試みてきて彼だが、その傾向がさらに強まったのがシングル「桜の森」以降。特にファンクのテイストが前面に押し出された「SUN」は、アルバム『YELLOW DANCER』のコンセプトを決定づけたと言っていい。
引用元:https://realsound.jp/2015/12/post-5363.html

先ずは、Yellow Musicという単語について。今回はじめて知って調べてみたところWikipediaからは2つの意味が出てきた。

a.中国/1920∼1940年代
上海のポピュラーミュージックシーンで セクシャルな音楽ジャンルの名前。中国では 黄色=erotic らしい。

b.ベトナム/南北戦争中 1955~1975年の間
こちらは戦争中に北側(共産党政府側)の Red Music というジャンルに対抗した南側の音楽の呼称。赤と黄はベトナム国旗の色が根拠かな(不明)

以上調べる限りはあくまで星野源作品に関する Yellow Music という形容は

あくまで一般ジャンルではなくて、

Black Music に対して 同じように肌の色で Yellow と名付けた固有名詞で合っているかと思います。

2:星野源にとっての Yellow と自負

そうしたときに、彼にとって「黄」の重要性が確かに目に入ってくる。

ひとつは「恋」のPV。この黄色と黒色は明らかにこの意図が含まれていると思う。

画像2

出典: YouTube 『星野源-恋

イヤーブック2017-2018にも。

画像3


自らの音楽を、個人を、日本をも越えて。

アジア音楽をレペゼンするような名付けをするだけの信念と自負。

(※アジア=主に黄色人種と大まかに括ったときの話)

そして俳優や作家としての名前もある中で。

背景にはどれだけの量と密度の表現への挑戦や努力があるのだろうー。

音楽の技術や系譜のなかでの評価はわたし自身にはわからないのだけれど、たしかに尊敬するお2人もニューアルバム『POP VIRUS』に対して「"日本の"ポップス」という言葉を使われていたので、最後に。

すごい人です。

追記:アルバムジャケットのモチーフと書籍についても触れたかったのだけれどいつの間にか朝4時廻っちゃったし長文になってしまったまた改めてー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?