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ドールの写真、みんなちがって、みんないい

お久しぶり

長らくの間noteを放置しておりました。
今回は技術的にどうこうというお話ではありません。ある種の思考訓練みたいなものをしてみようというお話です。

撮影会あるあるとして、同じ場所を複数の人が順番に撮影する事が多々発生します。同じ日でなくとも、同じスタジオで別の日に同じ場所を撮る、なんて事も当然ながら起こります。
今回はそんな「同じ場所」で撮った写真たちを眺める事で、撮影者さんの違いから生じる特徴やテクニック?を写真から見つけ出す訓練をしてみようというお話でございます。

とある撮影会のドールおじさん

上岡小学校撮影会

2022年初夏目前の梅雨の晴れ間の日、難交渉の末一部ドールおじさん達で茨城県の上岡小学校という、ガルパンやアイドルのPV撮影等で有名な廃校舎をお借りして撮影するという大それた企画が実施されました。
今回は上岡小学校撮影会での同じ場所の写真を取り上げてみます。

同じ場所でもこんなに違う

以下は全て同じ階段の廊下を撮影したものです。

⚠️解説文について
文章については拙者が一方的に感じた事であり、撮影者様の公式見解とは異なる可能性がある事をご容赦ください。

最初はおやたけさん。

よしのん(ドールさん)の立ち姿に貫禄が感じられます。あくまでも主役はよしのんであるというオーラすら感じます。被写体でぶん殴られたかのように脳内が完全によしのんで埋まります。
重心を考慮した立たせ方で、このような立たせ方を自然と引き出せるのは、上級ドールおじさんの証であります。重心がこない側の脚付近のスカートがちょっとだけ広がってます。
手前の鉢は”意図的に”構図に入れられています。
奥行き感立体感を出す為、敢えて地面の水平を出さない写真になっています。何でも地平線を傾ける、いにしえの都市伝説だった”カメラメ女子”とは傾ける意図がまるで異なります。

以上おやたけさんの写真からは「立ち姿では重心を意識すると安定感が出る」という、ドール写真においてかなり重要な情報に気付いたはずです。

次は拙者、ほっけ氏の写真から。

階段の向こうのあの子をそっと目で追っている内気なぼくら、みたいな情景を妄想して撮っております。
絵的には割と上下左右均等で平行線が多いな場所なので、被写体は日の丸(中心配置)でいってみました。
今回は太ももの美しさ重視で撮ってみました。動きを付ける為片足は浮かせ、進行方向と逆の方向に(針金マジックで)髪を少し持ち上げております。観者の位置から一方的に見つめている想定なので、視線は送りません。

拙者の写真の場合おやたけさんと逆で、重心を崩す事で動き感を出しています。接地している足の上に重心があるのではなく、浮いている左足に寄っている(ように見える)事が動き感に繋がっていると言えます。

つづいてSuToNさん。

おやたけ氏に近いように見えますが、おやたけ氏がよしのん唯一神バァァンなのに対して、SuToNさんはドールさんと観者がとても親しい間柄で、今にもインタラクトしそうだという雰囲気を写真から感じます。
ギタリストでいう所の手癖のような(褒め言葉)、自然と3分割右側に配置されたイーゼルちゃん(ドールさん)は安定感がありながらも片足を浮かせる事で動き感が与えられていますが、拙者の片足浮かせとはまた違う方向性のものです(今回は割愛します)。
背景の配置としてあえて上下左右きっちり平行ど真ん中にとらず、左の壁を奥までしっかり見せる事で奥行き感を出しています。

以上SuToNさんの写真からは、「平行線が多い四角い背景を日の丸正対で撮る事が正解とは限らない」という事と「脚をあげる等のちょっとしたポーズで動き感が出る」という事に気付いたと思います。

最後にもへさん。

上下左右ど真ん中にバァァンとくるドールさん。階段の一番手前を使っての、高さ感を活かした撮影。構図の配分的に脚が強調されております。ハイキーで解放気味の設定は、視線が被写体に引き寄せられます。

もへさんの写真からは、「構図上の配分次第では実際より脚を長く魅せられる」という、技法に気付けたのではないかと思います。

同じ場所を見て何を思うか

今回のお話には特に結論はありません。
解説文は全て、拙者が各撮影者様の写真を拝見して一方的に感じた事をたれ流したに過ぎません。作者様が本当は何を考えて(あるいは何も考えなくて?)撮ったのかは、作者様にしかわかりません。
ですが”他人が撮った写真から何を感じ取る”訓練は、「今後自分が何を考えながら撮影していけば良いか」という課題において、とても重要な思考訓練~”肥やし”になるだろうと拙者は感じております。
今回の例でも、少なくとも撮影者さんそれぞれが違う事を考えて撮ったんだなあと察する事ができたかと思います。

そして今回気付いた事は、今後は自身の引き出しから取り出せる”中身”として吸収できたのではないでしょうか。つまり誰かの写真を拝見・考察する事で、自分の引き出しの中身が少しずつ増えてゆくという訳であります。

※引き出しの中身~知識を実行に移す為の技術は別途必要です

参考までに、拙者がドール写真を拝見する際、こんな事を考えたり考えなかったりします。

  • 撮影者は何を見せたかったのか(ドールなのか背景なのかお洋服なのか)

  • 構図の意図とカメラの位置

  • 背景とドールとのなじみ具合

  • ポーズ、動き感、重心

  • 使っている小道具・スタンド類

Twitterのタイムラインでも度々、撮影会などの様子や成果物のドール画像を見かけます。撮影会の楽しそうな様子を横目で見て嫉むだけでは勿体ないので、皆さんもTL上の写真から色々な情報を引き出す遊びをしてみてはいかがでしょうか。

さいごに

今回のお話は色んな手段のうちの1つに過ぎません。直接御本人にお話を伺うのが一番の近道ですし、他にも撮影会で一緒に撮ってみる、なども面白い試みであります。

拙者普段はnote界隈ではなくgoogle+におります…居ましたがgoogle+が死んでしまった為、現在はtwitterを仮住まいとしています。もし気が向いたらご訪問くださいませ。

♻️ 改訂履歴:
2022/07/20 初版

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