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鏡の世界のドールさん

あれから随分経ちました

ご無沙汰しております。前回のドール記事から随分と間があきました。
今回はドール撮影倦怠期の御仁へ贈る変化球系の撮影ネタ、ほっけ流「鏡を取り入れたドール写真撮影」であります。
とはいえ特に特殊な事をしている訳でもないので、ふーん程度にお読みいただけたらと思います。

今回の趣旨

今回の趣旨ですが、「何の為に写真の中に鏡を持ち込むの?」といった事をお伝えできればと思います。撮影に鏡を取り入れる際のポイントが伝わればいいな位の、いささかゆるふわな内容でございます。
実例としていくつかのバリエーションをご紹介しますので、いつものようにそこから先は皆さん実際に試写してどんどん妄想を膨らませていただければと思います。

お約束ごと

⚠️お約束事
当記事は技法・手法の確実性(こうやれば必ず会得できる/面白いものが撮れる、みたいな事)を保証するものではありません。当記事の手法・技法は、考え方のひとつに過ぎません。くれぐれも過大に受け止めないよう、お願い致します。

本記事は、判りづらい表現の修正や要点のさらなる明確化の為に適宜改訂されるかのうせいがあります。変更の概要はなるべく改訂履歴へ残します。先日読んだ内容から変わってる!といった事についてはどうかご容赦ください。

必要なもの

今回は鏡入り写真の撮影ですので、まずは鏡を用意しましょう。

ほっけ家ではDDの立ち姿が入るような高さの鏡を2枚、それとニトリの鏡付きアクセサリーケースを使用しております。
鏡についてはAmazonで購入しました。Amazonは在庫が日々流動しますので、拙者からこれ!といった物をご紹介する事は控えようと思います。欲しいと思った際にご自身で適宜Amazonなり楽天なりヨドバシなりを検索してみると、もしかしたらほっけ家よりもドール向きの鏡に出会えるかもしれません。
拙者が選んだ際のポイントは、以下のような基準でした。

・長辺が60cm(DDサイズ)以上
・いわゆるウォールミラー
・枠の色は白(色かぶりの問題を考えると白が妥当?)

実例を見ながら考える

その1 奥行き感の拡張

自宅でドール撮影をする際に広大な空間を用意出来る人は少ないのではないかと思います。普通は自室の一角を使うでしょうから、精々1m x 1m x 1mくらいじゃないかと。
何も考慮せずに撮った場合、必然的にもの凄く窮屈な写真になりがちかと思います。何しろ1m x 1m x 1mですから。写真ってのはトリックを応用せずに素直に撮ると存外素直に写ってしまうものであります。
そこでこの狭い空間をうまい事広く感じさせるような手法が必要となってきます。

手っ取り早い手段として、カメラレンズを超広角にするという方法があります。ですが超広角を使ってしまうと中心部から外れていくに従い、あからさまに間延びしたような画になってしまいます。これはこれで歪みを考慮していくと意外に制約となってしまいがちで使いにくかったりします。

レンズ画角以外の手段として、錯覚的な何か(なに?)で広く感じさせるよう撮る事が考えられますね。
例えばこれ。

窓辺の明るさで奥行きを誤魔化してます

左側奥は窓なのですが、ハイキーにする事で窓などの境界を感じにくくしつつ写真に収めています。多分同じ構図で夜に普通に撮ってしまうとすぐそこに窓がある事がはっきり見えてしまう為、非常に窮屈な写真になると思います。
こんな感じで状況に応じて明るくしたり暗くしたり背景をぼかしたり等の手法で距離感をぼやかす事ができますが、それらは今回の趣旨から外れますのでこの位にしておきましょう。

ここでようやく鏡入り写真の出番です。

鏡を配置する事で奥行きの窮屈さを知覚しにくくしています

こちらはドールさん(滅多に登場しませんが、この子はボークス限定のマシュさん+dyボディです)の奥側の壁際に鏡を配置して、本来の窮屈さを誤魔化しております。ついでに鏡の角度を調整して脚の長さを強調しております。

💡カメラの鏡への写り込み
なんでカメラが写り込まないん?と思った方もいらっしゃるかと思いますが、カメラはドールさんの頭の上あたりから俯瞰気味で撮っている為写り込まない(画角外)という仕組みであります。
こんな感じでカメラと鏡との位置関係を工夫する事でカメラの鏡への映り込みを回避していきます。

もういっちょ奥行き拡張の例を載せておきます。

輝度差がある場所での暗がり隠し?

こちらは明るい窓の右奥に暗い壁があって、そのままでは右奥が違和感になってしまう為、右奥に鏡を置いて明るい像を写し込んでいる例です。
束ねたカーテンから右側は全て鏡の像であります。そのままだと暗い壁である場所も鏡を置いて明るい場所を写し込んでおく事で、なんとなく全体の明るさが統一できたりします。
おまけに本来見えないはずであるドールさんの脚やおしりについても、鏡がはっきりくっきり説明してくれております。
ここで出てきた、説明的な鏡の置き方が次のお話であります。

その2 説明的な鏡

アニメとか漫画であれば言葉で説明を入れれば済む話でも、写真ではそんな事はできません。そんな時は鏡を登場させる事で、鏡に補足的な何かを訴えてもらいましょう。
それでは早速例を見ていきましょう。

この鏡は別に無くてもいいのですが、あると皆幸せ

この写真では後ろの壁は白系なので、鏡が無くても特に困る事はありません。が、鏡には重要な何かが映っているのです。拙者が伝えたい事を鏡が代弁してくれています。GJかがみん(愛称呼ばわりか)。
この写真をtwitterにうPした際、鏡の中の世界に気付いた御仁はみなさん大層歓んでいただけましたです、はい。

ではもう1枚、チェストに座っているお姉さん的な写真です。

綺麗なお姉さんといえば、履き物半脱ぎでぷらんぷらんさせるもんです

訴えたかった事はキャプションの通りであります。ステレオタイプな感じですが、綺麗なお姉さんといえば履き物を半脱ぎしてつま先でぷらんぷらんするもんであります。これは浪漫であり絶対なのであります。
近年だと(よむ先生のアニメ化された)みるタイツの奥墨先生なんかが判りやすいかと。

話はそれましたが、履き物ぷらんぷらんは正面からの写真だと角度的に非常に判りにくいものだったりします。実際この写真でも正面からはどういう状況かイマイチわかりません。写真に説明書きを加えるのも野暮な話であります。そこで鏡の出番となりまぁす。
角度を付けた鏡を置く置く事で、別の側面から見た画を ” 自然に ” 写真へと盛り込む事が出来ます。

💡意外に難しい面も
この写真では鏡に映った姿もそれなりになっていますが、写真の姿と写真の中の鏡に映った姿を両立するのは意外にデリケートだったりします。例えば正面から見て首の角度を調整すると、鏡に映り込んだ姿がイビツだったりする事があります。
髪も正面から見た姿を整えたら鏡に写り込んだ側がボサボサになった、みたいな事がおこりやすいものです。
経験上このあたりの調整については正面と鏡の中の両方を確認しつつ、さらにテスト撮影して実際の画も確認していった方が良いと思います。
鏡独特の問題としては、鏡の光学的な特性で収差が出やすかったりします(特に色収差)ので、撮影した画像をよく観察しながら、場合によっては撮影角度を変更するなどしつつ撮り進めた方が良いかもしれません。

その3 同時に2面を見せる為の鏡

" その2 説明の為に別の面を見せる手法 " の派生版として、同時に異なる2つの見え方を封じ込めてみたくなります。

ちょっと大人な、朝帰りJK

ちょっと大人な、朝帰りJK的な題材であります。この写真は普通の振り向きと、ちょっとクネクネしたような雰囲気のどちらのポーズで撮るか迷った結果、鏡の出番となりました。
鏡の中の世界には朝帰りJKらしいクネクネ感を封じ込めてみました。夜更かしの方がクネクネってイメージですものね。幻想は鏡の世界へ収まってもらいましょう。
まあなんて言いますか、2つの側面の見え方を考慮して解いていくようなパズルゲームってありますよね。考え方はそれと同じようなものであります。

その4 いっそ被写体を隠す方向で…

ここまでくると、今度は逆に見せたいものをストレートに見せずに、鏡の世界にだけ見せたいものをぶっ込んでみる、みたいな妄想が浮かんできます。思い立ったらやってみる!は大事な事なのであります。

着替え中なので直視できません的なやつ

着替え中なので見ちゃいかん…と思いつつチラ見したら鏡越しに目があってしまった!的なやつであります。直接的に撮影してないからセフセフ、みたいな。ただし鏡越しだと左右反転なので、なんとなく普段と違うような違和感がありますね。

ではもっとエスカレートさせて、いっそ被写体を画角外に追い出しちゃいましょう。

とうとう被写体さまがほぼ画角外に追い出されてしもた

お出かけ前に鏡を見ながら衣装合わせをするJKの写真であります。
例によって鏡に反射させる像は、奥行き感をあやふやにする為に明るいものになるよう位置を調整して写し込んでいます。

この写真ではとうとう被写体がほぼ画角の外へ追い出されてしまいました。普段の写真とは鏡と被写体の比率が正反対であります。
意図的にパンツが写り込まないようにしています。この写真だけでは穿いているかどうか判らない為、見た人の想像に委ねられます。
だがそれがいい。

💡関節消しは面倒
鏡を使うと鏡側にも関節が写り込みますので、関節を消したい場合は必然的に作業量が倍になります。
この例では作業量を減らす為に関節がなるべく鏡に写り込まないよう、お洋服で隠す方向で位置決めしています。

まとめ

以上ざっくりと鏡芸(芸なのか!?)をご紹介してみました。基本的には正面と同時に見えない面もしくは見せたいものを鏡越しに見せる事、見えてほしくない場所を鏡の世界で置き換える事、あえてストレートに見せずに鏡の世界として見せる事あたりが拙者の手癖的なやり口であります。

まだまだ面白い見せ方があると思いますので色々とチャレンジしてみて、是非ともその結果を拙者にも見せてくださいませ。

また鏡芸はドールさんじゃなくても出来ます。ペットでもコスプレでもフィギュアでもプラモでも、なんででも普通に応用出来ると思います(使いどころがあれば、ですが)。
ドール以外での鏡芸写真についても、是非試して結果を拙者にもお見せくださいませ。

さいごに

拙者普段はnote界隈ではなくgoogle+におります…居ましたがgoogle+が死んでしまった為、現在はtwitterを仮住まいとしています。もし気が向いたらご訪問くださいませ。

♻️改訂履歴:
2023/03/08 初版


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