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ドール写真に前ぼけを入れよう

概要

ドールって、思わず写真を撮りたくなる位かわいいですよね。気がつくとあーだこーだ考えながら沢山の写真を撮っているのですが、そのうち段々と物足りなくなったり、何となくコレジャナイと感じるようになる時期が訪れます。いわゆる倦怠期であります。

今回はそのマンネリ感を打破する為のちょこざいな技である”前ぼけを入れる”という手法をご紹介いたします。

前ぼけとは

写真では、ピントが合っている場所(通常は被写体であるドールさん)を境にして、奥の方と手前側がピンボケになります。このうち手前側に存在するぼけを”前ぼけ”と言います。ぼけは、スマホのカメラや撮像素子の小さいカメラよりも、素子の大きいフルサイズセンサー搭載機の方がぼけやすい傾向にあります。また、レンズの明るさに依存していて、明るい(いわゆるf値が小さい)レンズの方が大きくぼけます。

レッスン1

前おきとして小難しい事を書きましたが、こういうものは理屈じゃなくて、ご自身で実際に試してみてどういう写真が撮れるのかを体感していく事が重要なのであります。という訳で、某アニメ(ラノベ?)のカエル顔の医者よろしく、手っ取り早くレッスン1をやってみましょう。

用意するもの
・カメラ(ぼけやすい奴がおすすめ)
・ドールさん(お好きなスケールで構いませんが、ここでは1/3を想定)
・はっぱ(まずは100均の造花で十分)

やり方は簡単です。まずは普通にドールを撮ってみてください。次に片手でレンズに触れそうなギリギリの所に手で葉っぱをかざしてみてください。はっぱの位置を調整しつつシャッターを切れば出来上がりです。

次の画像は本記事トップの画像を撮影した際のセッティングを別のカメラで撮ったものです。ほっけ家では何度も撮り直す事が多いので、スタンドを立てて植物を配置していますが、通常は手で持つだけで十分です。

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前ぼけを入れる位置について

前ぼけ要員の位置をドールさん寄りにするとぼけ難く、よりレンズに近い場所にすると大きくぼけます。前ぼけ要員をドールさん寄りに入れた場合、手前に明確な障害物があるような硬めの映り具合になります。レンズ寄りにした場合は大きくぼけて形がわからなくなる為、色の付いた半透明の柔らかい何かが被写体に被ってくるようなイメージになります(本記事トップの画像のようなイメージ)。このあたりのぼけ具合はお好みで調整可能なので、色々と挑戦してみてください。

前ぼけのぼけ具合は絞りでも調節可能ですが、絞りで調節してしまうと肝心のドールさんの写りにも影響がでてしまうので、前ぼけ具合の調整は主に前ぼけ要員の配置で変更し、絞りはあくまでもドールさんが意図通りのぼけ具合で撮れる値にする事をおすすめいたします。

それでも絞りの設定で悩んだ際は、より解放側にした方が柔らかい雰囲気を演出できるのでおすすめです。

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応用編(作例)

難しい事はもうありません。あとは応用編です。ひたすら色々なバリエーションを撮りまくる事で、お気に入りの前ぼけ手法を見つけていきましょう。

左右や外周などに前ぼけを多めに入れると、ある種の額縁効果的なものが人工的に作り出せます。この例では見る人の視線が自然にドールさん(のおっぱい)へ集中するので、おっぱいの偉大さが伝わります(と信じてます)。画面をマスクする為の障害物として入れたい意図がある為、若干硬めの前ぼけにしています。硬めにするには前ぼけを入れる位置を被写体側に寄せるか、絞りを絞り気味にする事で実現できます。

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こちらは障害物として手前下部に植物を入れる事で、のぞき見をしているような背徳感を画像に付与した例になります。また、手数が必要な関節レタッチをそこそこサボりたいので、膝や手首等を隠す意図もあります。

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次の写真はドールさんの視線も含めて左手前から右奥方向への奥行き感を演出したかったので、手前側に大きくぼけた葉っぱ、右奥側に花瓶を入れてみたました。手前の前ぼけは、そのまま入れただけだと暗い緑になってしまうので、別途LED照明(Litra2)で明るくなるように調整しています。

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前ぼけには葉っぱだけではなく、色々なものが使えます。こちらはプロ写真家の清田大介先生がたまたまお使いになっていて気付いた手法なのですが、(Amazonで安売りされているような、主にクリスマス向けに沢山の砲弾型LEDが配線で繋がった)砲弾型LED照明をレンズのフード付近から被写体方向に配置してみました。配線は至近距離すぎる為か、ある程度はぼけて消え去ってくれます。同時に配線でレンズが一部遮蔽された状態となる(ニュートン式望遠鏡の斜鏡スパイダーの影響と同じ原理)ので、必然的に少し甘めの雰囲気写真になります。ご覧の通り、ちょっぴり幻想的です。

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反対側から撮影風景を見ると、こんな感じです。レンズフードにブルタックで貼り付けています。そして丁度死角で見えませんが、残りのLEDをドールさんの方へ引っ張って配置しています。

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最後に拙者以外のお方ですごいなーと思った例を挙げておきますね。

こちらはドール写真界隈で拙者より全然大先輩の、オルにゃんで有名なびんづめさんの写真。オルにゃんの肉球を前ぼけさせる事で、見た人の視線を顔へ集中させると同時にオルにゃんが生きているかのようなダイナミックな雰囲気を得ています。実に自然でクールです。にくいデス。やるせないデス。

まとめ

ドール写真に前ぼけを入れる事により、以下の効果が得られる…かもしれません。

今回は作例を提示していませんが、野外撮影では背景のスケール感とドールのサイズ感が食い違う事による違和感が発生する事がありますが、意図的に前ぼけを入れる事によって違和感を打ち消す事ができます。これについては後日、本記事のアップデートの機会があれば追記する事といたします。

他にも面白い効果が出せるかもしれませんので、色々やってみてください。そしてよかったら是非拙者にもお教えいただけると嬉しいです。

・視線を誘導する
・奥行き感を出す
・のぞき見しているような効果
・レンズ前の遮蔽物の為、像が甘めの雰囲気になる
・背景とドールとのスケール上の違和感を打ち消す

追記:野外での応用編

野外撮影では、ドールと背景のスケール感が違い過ぎたり、遠景がぼかし過ぎたり、遠景と近景のライティングの差異といった要因によって、背景にドールが馴染まずに浮いてしまうケースがあります。

例えばドールへの直射光を避けて日陰で撮る際、レフや日中シンクロなどでライティングすると、妙にドールだけが浮いて違和感を感じる存在になってしまう事があります。このようなケースでは、前ぼけを入れる事である程度違和感が緩和できる事があります。

下の写真は、背景がぼけ過ぎている事が原因でドールが浮いている例です。もし前ぼけを入れなかった場合は、背景紙の前で撮っても大差なかったような出来映えです。付近の菜の花を前ぼけ要員として入れた事によって、違和感を少し緩和してみました。

違和感の緩和と同時に、今回は前ぼけでパンツが見えないようにする目的の’ぱんつガード’も兼ねています。ドールとはいえおんなのこなので、見えてはいけない所は見せないのが、ドールおじさんの優しさなのであります。前ぼけさん優秀すぎる。

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さいごに

という訳で割と適当な解説ですが、お役に立てたら幸いです。

拙者普段はnote界隈ではなくgoogle+におります…居ましたが、google+が死んでしまった為、現在はtwitterを仮住まいとしています。もし気が向いたらご訪問くださいませ。

更新履歴:
2020/03/21 16:58 LEDの作例に撮影風景を追加
2020/03/27 10:30 野外撮影の例を追加


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