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『虐待児の詩』 風の中で・・・

「風の中で・・・」



風の中で問いかけた

言葉は命中し 吸い込まれていった
また 緑風が二人の素肌をすり抜ける
心は絡み合ったまま 離れられはしない
誰かが心を焦がしてる

風の中で問いかけた

言葉は宙に舞い 散っていった
ただ 秋風が焦げた体を冷やしてる
心は宙に浮いたまま 降りて来ようとはしない
誰かが心をつかんでる

風の中で問いかけた

言葉は風と共に 凍り付いてしまった
もう 北風が頭皮に染み込んでいる
心の中には何も無く 空っぽでがらんどう
誰かが心を持ち去った

風の中で問いかけた

言葉は心の中で 駆け巡ってる
いま 春風が心の隙間を埋めていく
心の中には何か 暖かいものが戻ってる
誰かが心を返してくれた

風の中で・・・

同じことの 繰り返し
なぜか心は 学習しない

どんなに 痛い目にあっても

どんなに 寒い思いをしても

心は誰かを待っている




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