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『虐待児の詩』 突然

「突然」


突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

胸の奥が熱くなって、体がジンジンしびれている。
ほんとは、わかっているけれど 認めたくない。

そんな憂鬱な一日が、今日も始まる。

突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

長い長い道を歩いてきた 長い長い道を歩いていた。
長い長い道を歩いていく くたくたに疲れ倒れ込んだ。

そんな憂鬱な一日が、今日も過ぎて行く。

突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

通りすぎてく人波の中、一人反対に歩いていく。
生まれた意味など解らない。 生きていく意義など感じない。

そんな憂鬱な一日が、今日も過ぎて行く。

突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

ただ君の笑顔がそこにあればいい。 ほかに何も無くてもいい。
だけど君はもうここにはいない。 遠い世界へ旅だってってしまった。

そんな憂鬱な一日が、今日も過ぎて行く。

突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

広い野原を子犬がポツリ。 何も考えずはしゃいでいた。
突然、池に転んで落ちた。 泳げぬ子犬は溺れて死んだ。

そんな憂鬱な一日が、今日も過ぎて行く。

突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

子犬の目には涙が浮かぶ。 だけど子犬は笑っていた。
愛に満たされた子犬。 いつどこで消えてもいい。

そんな憂鬱な一日が、今日も過ぎて行く。

突然、泣きたくなった。
ただ 理由わけも無く。

涙が 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

愛に満たされた子犬。 いつどこで死んでもいい。
秋の夕日沈む道、 どこまで歩いていくの。

そんな憂鬱な一日が、今日も終わった。

 突然、叫びたくなった
ただ 理由わけも無く。

怒りが 込みあげてきた。
ただ なんとなく。

うぉーーーーーーっ!!! 



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