マガジンのカバー画像

『白虎の路』甲州街道とうりゃんせ

14
世紀末も近く、世界の終わりが巷で囁かれ出した時代、二十五歳の秋、直人達は若さを持て余し、毎夜、渋谷、恵比寿、六本木と遊び回っていた。 短大を卒業した奈津子は、勤め先で妻子持ちの上…
運営しているクリエイター

記事一覧

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 1

その1 「プロローグ」 あらすじプロローグ1.中央道  土砂降りの豪雨の中,中央道を河口…

緒頭苫法界
4か月前
49

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 2

その2 「回想」 回想1.二十五歳の秋  あの頃、直人達は若さを持て余し,毎夜、渋谷、恵…

緒頭苫法界
4か月前
25

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 3

その3 「出逢い」 出逢い1.渋谷で待ち合わせ  当日、宮下公園沿いの道路に車を停めて、…

緒頭苫法界
4か月前
14

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 4

その4 「4対4プチコンパ発進」 4対4プチコンパ発進1.アストロ車内にて  発車してか…

緒頭苫法界
4か月前
18

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 5

その5 「横浜にて」 横浜にて1.秋の山下公園  駐車場を出て、山下公園に着いた時、海風…

緒頭苫法界
4か月前
16

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 6

その6 「キングタット紳士倶楽部」 キングタット紳士倶楽部1.エントランスにて  首都高…

緒頭苫法界
4か月前
13

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 7

その7 「秋彦の部屋」 秋彦の部屋1.利紗世の忘れ物  一行は、来た時と同じ車に乗り、渋谷方面へと向かって車を走らせていた。 直人が、セカンドシートの秋彦に向かって言った。 「どうする?」 「そうだなぁ、どっかで、お茶でもする?」 「あ、じゃ、秋彦んちで、お茶しよっ!」  利紗世が話に割り込んできた。 「なんで、俺んち?」 「あたし、忘れもの取って帰んなきゃだしね!」 「俺んち、ベッドとテレビ以外、なんもねえよ。 つうか、忘れ物ってなんだよっ!」 「ほら、陣

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 8

その8 「秋彦の策略」 秋彦の策略1.奈津子を送って  まるで定席のように、奈津子が助手…

緒頭苫法界
4か月前
15

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 9

その9 「1stデート」 1stデート1.ふるさと湘南  浅川直人が宮下公園横にアストロ…

緒頭苫法界
4か月前
13

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 10

その10 「2ndデート」 2ndデート1.UFOキャッチャー  奈津子が直人の部屋を見…

緒頭苫法界
4か月前
12

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 11

その11 「3rdデート」 3rdデート1.秋彦と直人  二度目のデートで、奈津子を送っ…

緒頭苫法界
4か月前
12

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 12

その12 「4thデート」 4thデート1.霞草  奈津子とは、携帯での連絡は頻繁に取っ…

緒頭苫法界
4か月前
12

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 13

その13 「翻弄されて」 翻弄されて1.宅配ビデオ  奈津子と別れてから、実家の近所に在…

緒頭苫法界
4か月前
13

『白虎の路』 甲州街道とうりゃんせ 14

その14 「エピローグ」 エピローグ1.フラッシュバック  それから1年後、奈津子のことも忘れかけ、人生の全てが上手くいっているように感じ始めていた。 恋愛を除いては・・ ある日、一通の手紙が届いた。それは、奈津子からの手紙だった。 手紙に目を通した直人は、その手紙をぎゅっと握り締め、バルケッタに乗り込むと表に出た。  それは、直人に欠けていたものが、戻った瞬間でもあった。  フェラーリ550バルケッタに乗って、何度も通った中央道を、今は、泣きたい気持ちをぐっと堪えなが