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HMF(北海道麻雀ファンミーティング)に参加しました

本日行われたHMF(北海道麻雀ファンミーティング)。
日本プロ麻雀連盟の瀬戸熊直樹プロがゲストということで、参加枠の15枠に対して倍率は一説によると3倍という狭き門。
運よく参加することが出来ました。

大会という形式をとっていますが、主眼に置かれているのはゲストと地方在住のプレイヤーとの交流。
大会特有の緊張感はありながら、あちこちで笑いが起こり、終始温かで柔らかな雰囲気が会場に充満していました。

打ち手の個性やレベルも様々。
最強戦の予選やプロアマリーグのように、ガッチガチの競技プレイヤーはむしろ少なく、普段ご一緒する機会が中々ない方と触れ合うことが出来て、とても有意義な一日でした。

ガッチガチの競技プレイヤーの中で長いこと戦っていると、互いに切磋琢磨する中で腕は上がっていくと思います。手痛い負けを経験することで、二度と同じミスをしないようなロジックを手に入れられるからです。
しかし同時に、自由闊達であるべき麻雀の真理から離れて、あれをやってはダメ(=くだらない常識)、これをやっては格好悪い(=見栄や外聞)…というような「壁」を自ら作ってしまい、自分をどんどん不自由な場所へ追い込んでしまうような気持ちになることがあります。

私の場合、それが本当に厄介で…。

私は、麻雀の勉強(牌効率や定石)は戦術本を読むとか実戦譜を追うなど、実践から離れた場所でしっかり行いますが、実戦では逆にそれに縛られない「感覚」を大切にしています。
自分の心の置き場所が前述のような不自由な場所にある時は、実戦で一番大切にしている感覚が鈍くなり、眼前に広がる世界が、やがて砂をかむような無味乾燥の味気ないものに変わっていきます。

そんな時。
麻雀を覚え始めた頃のことを思い出すようにしています。

高校生の頃、私は友人を家に招いて、暇さえあれば麻雀に没頭していました。
あの頃は、勝ち負けよりも、友人と一緒にいること、牌に触れられていることだけでとても楽しかったのです。

高校を卒業してからは土田浩翔プロが主宰していた勉強会に通い、同世代の打ち手たちと火花がほとばしるような熱をぶつけあって様々なことを学びました。
勝てばうれしかったし、負ければ悔しかったですが、それ以上に4人で素晴らしいゲームを作ることが出来た時の方が充実感を得られました。

牌に触れているだけで楽しかった頃のこと。
麻雀のことを考えているだけで心が弾んだ頃のこと。

そんなことを思い出すと、勝ち負けは後からついてくるもので、内容がどうだったかの方が私にとっては大切だった気がします。

それを今でもわかっている気でいるのですが、人間は忘れていく生き物。
いつの間にか、一番大切なことは勝ち負けや数字の世界に覆われてしまい、見えなくなってしまいます。

今日のファンミーティングで、私はたくさんの気付きを得られました。

「まだ点数計算が不安なので…よろしくお願いします。」
「私もまだ勉強中なんです。」

個人的には、麻雀の点数計算が難解すぎること、さらにはいつまでたってもそれが改善されないことの方が余程悪いと思うので、そんなに申し訳なさそうにされる必要はないと思うのですが、卓に着くなり、そうやって申し訳なさそうに話してくださる方がたくさんいました。

でも、その言葉は裏を返すと向上心の表れなんだろうなと私は感じました。

点数計算ができなくてもいいやと思っている人は、始まる前に誰かに頭を下げることなんかないからです。

ある方は、得点の早見表を手元に置いて、和了る度に自分で答えを出そうと頑張っていらっしゃいましたが、こういう大会や実戦の場で間違えながら自分で答えを出してみるというトレーニングはとても大切なことと思います。

そんな声や姿を観ていて、心の中で「がんばれ!」と応援していたら、自分が札幌の麻雀界に触れ始めた頃のことを思い出しました。

あの頃、土田プロや喜多プロは、いくら教えても言うことを聞かない私たちのことを、呆れながらも決して見離さずに育ててくれました。

何故、そんな面倒なことをしてくださったのか。
そして、いまでもそんなことを何故続けておられるのか。
何故、その意思を継ぐように、北淳一プロやかわいめぐみプロが面倒事を引き受けてくださっているのか。

私ごときがその答えにたどり着くことが出来るかはわかりませんが、今日飛び込んでみて、思いを新たにしたことがあります。

Mリーグやプロの放送対局といった「観る雀」や、ファンミーティングのような催し物から麻雀に興味を持ってくださった方は、ギャンブルとしての麻雀が入口ではありません。
麻雀の純粋に面白いところ、その魅力に気づいてくださったわけで、そういう方たちを大切にできなければ、麻雀に未来はありません。

参加者の皆さんが自由に麻雀を謳歌する姿に、私は何度もハッとさせられました。

土田プロや喜多プロは、きっとこういう場に麻雀の未来を感じているのかも知れない。
根拠はありませんが、なんとなく、そんなことを感じました。

そして、私のようなものがそういう場に身を置くことで、何かお手伝いが出来たなら。

あの頃から今に至るまで、居場所を作ってもらい、そこで育ったものとして、何か恩返しができるだろうか。

そんなことを考えるようになったのは、傲慢な大人になったからか、それを通り越して老け込んだのか…?

久々に背筋が伸びました。
明日のプロアマリーグは、新鮮な気持ちで戦えそうです。

瀬戸熊直樹プロ、運営の皆様、ありがとうございました。

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