本当に強かった10人のプロ~望月雅継プロ
麻雀って、運に左右される要素が非常に多いゲーム。
囲碁や将棋と違って、私のようなアマチュアでもツイていればプロに勝ててしまうことがたまに起こってしまうことから、「プロって大したことないよな」という声がたまに聞こえてきます。
私も昔はそう思っていました。
しかし、たくさんのプロに出会って麻雀をご一緒したり、お話をさせてもらっているうちに、その考えは間違いだったことに気が付いたのですね。
本当に強かった10人のプロ。
その強さに触れたエピソードをご紹介することで、プロフェッショナルの素晴らしさをお伝えできればと思い、記事を書いてみたくなりました。
よろしければ、どうぞお付き合いください。
一人目は、日本プロ麻雀連盟静岡支部長の望月雅継プロ。
私なんかがご紹介する必要がないくらいのビッグネームですが、
・鳳凰位を最年少で獲った!
・静岡支部長!
・すげーロングドライブできちゃう!
・スタバ大好き!
というイメージ以外に、麻雀の打ち筋に対して望月プロがどれだけすごいのか?ということをご存じの方は、もしかしたら少ないかもしれません。
ということで、私が思わず望月プロの強さにのけぞった時のお話を書きます。
驚愕の4,000-8,000
北海道では、HMF(北海道麻雀ファンミーティング)という取り組みが行われています。
北海道の麻雀ファンは、東京近郊にいる方のようにプロと触れ合う機会が少ないのですが、そんな北海道の麻雀ファンに向けて、麻雀プロ、著名人の方々の魅力を感じられるよう、様々な方を招いていらっしゃいます。
一昨年のことですが、望月プロがHMFのゲストで札幌にいらっしゃいました。
「君が好きなモッチーが来るぞ。」
と、ある日に連盟北海道本部長の喜多プロから声をかけていただいて、HMFに混ぜていただきました。
地方同士の交流をとても大切にされている望月プロ。非常にフットワーク軽く、思いがあれば地球の反対まで簡単にひとっ走りされる方です。
望月プロと北海道との付き合いは非常に古く、これまでに何度も札幌へいらっしゃっていますが、これまではお見掛けしてもお話をさせていただくタイミングに恵まれませんでした。一緒に麻雀をするのはとある札幌の大会でお会いして以来。10年は経っているかもしれません。
全4回戦の大会はこれまでに半分を消化。
望月プロは3着4着とポイント状況は思わしくないそうです。
迎えた第3ゲームは、私が序盤に先行する展開。
東4局で望月プロに15,000点ほどリードを持っていました。
望月プロは南家で、私は下家の西家。
赤ドラは採用されていませんが、一発裏ドラアリのルール。
ドラは5ピンです。
私は8巡目にこの手をテンパイ。
トップ目でかつヤミで満貫あるため、ヤミテンにしていました。
そこへ、望月プロが10巡目にリーチ。
私は望月プロの捨て牌に現物の6ソウがあるためヤミテンを続行します。
しかし、程なく望月プロが9ソウを手元に引き寄せました。
「4,000-8,000」
私以外の二人はあっけに取られていましたが、私は思わずのけぞりながら
「やられた!」
と、無意識につぶやいてしまいました。
(この日はプロアマリーグではないので、多少の私語は許される雰囲気でした。念のため。)
4巡目の6ソウを見てください。
明らかに789のジュンチャン三色に狙いを定めた手順。
見事にフリテンリーチを決められているのです。
手牌に『意思』を見せること
この一撃が決定打になって、望月プロはトップ。
ゲーム終了後、このリーチについてどうしてこうなったのか伺いました。
「フリテンに受け直しやすい手だったんだよね。上手くいったよ。」
にこやかに話しながら、望月プロがさっと手元に表した手牌はこうです。
目いっぱいなら發ですが、望月プロはここで打6ソウ。
「一旦ツモ和了りしてから打6ソウのフリテンリーチでも良さそうに見えるでしょ?でも、この手はジュンチャン三色にすべきかなと思ったから、この3ピンを引いたところで先に6ソウにしたんだよね。」
「手牌に対して『意思』を見せるのって、僕は大事だと思っているんだ。積んである牌は変わらないっていう人もいるけど、僕はこうしたいんだっていう思いを明確に牌に伝えたいかな。」
と、話す望月プロでしたが、ここで6ソウを打てるプレイヤーがどれだけいるでしょうか?
フリテンリーチはともかく、2シャンテン戻しまで行って789三色に決め打ちしているわけで、この和了は常軌を逸しているのがお分かりいただけると思います。
私が「やられた!」とつぶやいたのは、テンパイ時に6ソウでフリテンリーチなら私のヤミテンの勝ちだったから。
ただ、そんな小さなことよりも、この和了を見せてもらっただけで、大会にやってきた価値があったな、良いものを見せてもらったなと嬉しくなりました。
それにしても、一発裏ドラアリのルールですけど、それでも打6ソウなんですね?
と、私が聞くと、望月プロは、
「僕は、常に連盟の公式ルールだったらどうするかを基準に考えているんだよね。だから、この手はジュンチャン三色でまとめようと考えたから、メンピンリーチは打ち筋にはないよね。ドラが1枚手に組み込まれていたら…いや、それでもこの手は同じように打つかな?」
と教えてくださいました。
自分の判断基準を公式ルールに求めていることを伺えたのは、私にとってかなりの収穫でした。
これまでも、ルールによって打ち筋が変わって良いものかという疑問があって、明確に答えを出せずにいたのですが、望月プロと話すことで、もやもやしていたものの一つがパッと晴れたような気がしました。
望月プロは、明日(2/20)、日本プロ麻雀連盟北海道本部主催のプロアマリーグへゲストでいらっしゃいます。
また、格好いい麻雀が観られるかと思うと楽しみです。
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