税務WEEKLY TOPICS:2024年3月第4週
2024年3月第4週(2024年3月25日〜4月1日)に話題になったことや税務に関する重要発表を紹介します。
これまでは月曜日に前の週のニュースをまとめてきましたが、月曜日に掲載される更新が多いことから、速報性を重視して、基本的なサイクルを前週火曜日から当週月曜日に変更します。同様の目論見で、月曜日が祭日等の場合には水曜日に更新する予定でおります。
4月1日から施行される法律等も多くあるため、大量のお知らせがありました。
法律・施行令・施行規則・基本通達を相互に繋ぐ、税理士・企業の税務担当などの税務専門家向けの六法アプリ「税務法規集」を開発しています。e-Govの最新法令データと国税庁の基本通達を毎月更新して常に最新の状態で利用できます。ぜひ一度利用してみてください。
1. 法令・通達・制度関係
1-1. 法令解釈通達の改正(国税庁・4/1)
4月1日付で以下の4件(対象通達計6件)の通達の改正が公表されました。
酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達の一部改正について(法令解釈通達)
(趣旨)
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第8号)の施行等に伴い、所要の整備を図るものである。
- 新旧対照表「たばこ税法取扱通達」等の一部改正について(法令解釈通達)
(理由)
所得税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第8号)によりたばこ税法(昭和59年法律第72号)等の一部が改正されたことから、所要の規定の整備を図るものである。
(1)「たばこ税法取扱通達」の一部改正について新旧対照表
(2) 「揮発油税法基本通達」(昭和52年4月1日付間消4-11ほか2課共同「揮発油税法基本通達の全部改正について」の別冊)の一部改正について新旧対照表
(3)「石油石炭税法取扱通達」(昭和59年8月2日付間消4-43ほか1課共同「石油税法取扱通達の全部改正について」の別冊)の一部改正について新旧対照表「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する申請書等の様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)
(理由)
消費税関係法令の一部が改正されたこと等に伴い、所要の整備を図るものである。
- 別紙「『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する申請書等の様式の制定について』(法令解釈通達)の新旧対照表」消費税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)
(理由)
消費税関係法令の一部が改正されたこと等に伴い、所要の整備を図るものである。
なお、適用時期が内容によって異なるため、注意が必要です。
A. 消費税法基本通達の新旧対照表
以下を除き、令和6年4月1日から適用
(1) 国外事業者等における事業者免税点制度の特例等に関する改正項目(改正後の1-4-2注書、1-5-15また書、1-5-15の2注書、1-5-21の3、1-5-23注書、3-2-2注書、13-1-3、13-1-3の5及び13-1-4また書の取扱い)及び特例申告書を提出した場合の引取りに係る課税貨物についての納期限の延長に関する改正項目(改正後の15-4-6の取扱い)
令和6年10月1日
(2) 特定プラットフォーム事業者を介して行う電気通信利用役務の提供に関する改正項目(改正後の5-8-8(消費税法(昭和63年法律第108号)第15条の2第1項《特定プラットフォーム事業者を介して行う電気通信利用役務の提供に関するこの法律の適用》の規定の適用に係るものに限る。)、5-8-9前段及び11-2-13の取扱い)
令和7年4月1日
B. 「消費税関係申告書等の様式の制定について」(法令解釈通達)の新旧対照表
以下を除き、令和6年4月1日以後(又は同日以後に開始する課税期間から)から適用
(1) 第10-(3)号様式「消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書」
令和6年10月1日
(2) 第27-(4)号様式「プラットフォーム課税の対象となる電気通信利用役務の提供に係る対価の額等の明細書」
令和7年4月1日
C. 「外国公館等に対する課税資産の譲渡等に係る消費税の免除の取扱いについて」(法令解釈通達)の新旧対照表
すべて令和6年4月1日から適用
通達一覧ページにも改正が反映されています。
1-2. 国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第九条第二項に規定する国税庁長官が定める処分通知等を定める件を廃止する件を公表(国税庁・4/1)
国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令第九条第二項に規定する国税庁長官が定める処分通知等を定める件を廃止する件が、2026年(令和8年)9月24日で廃止することが公表されました。
ちなみに、廃止される告示はこちらです。
1-3. 国税通則法施行規則第15条第1項に規定する国税庁長官が定める書類を定める件の一部を改正する件(国税庁告示第9号)を公表(国税庁・4/1)
国税通則法施行規則第15条第1項に規定する国税庁長官が定める書類を定める件が改正され、以下の2号が追加されました。
https://www.nta.go.jp/law/kokuji/pdf/0024003-158.pdf
1-4. 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)を公表(国税庁・3/29)
令和5年12月1日付課資2-21ほか2課共同「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)のあらましが公表されました。
51ページの PDF で目次は以下のとおりです。
1-5. 申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)を公表(国税庁・3/29)
申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)の改正が公表されました。改正後の内容はお知らせのページに全文が掲載されています。
過去のページと比較したところ、変更点は以下のとおりでした。
※左側の赤く塗られている部分が現行、右側の緑色に塗られている部分が変更前
1-6. 消費税法施行令第49条第1項第1号に規定する国税庁長官が指定する者を定める件の一部を改正する件を公表(国税庁・4/1)
消費税法施行令第49条第1項第1号に規定する国税庁長官が指定する者が以下のように変更されました。
1-7. 「新型コロナウイルス税特法に係る印紙税の非課税措置に関するQ&A」等を更新(国税庁・4/1)
特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税について(新型コロナ税特法)のQ&Aが更新されました。
更新内容は以下のとおりです。
1-8. 住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせを掲載(国税庁・4/1)
住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する以下の2件のお知らせが掲載されました。
軽減措置が3年延長され、2027年(令和9年)3月31日までとなったことを周知する内容です。
1-9. 消費税法改正のお知らせを掲載(国税庁・4/1)
令和6年4月1日施行の消費税法について、改正点等を解説するお知らせする資料が掲載されました。
項目は以下のとおりです。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/r06kaisei.pdf
1-10. 「インボイス発行事業者の登録を受けた方の確定申告について」ページの更新(国税庁・4/1)
「確定申告」ページに以下の内容が追加されました。消費税の申告を促す内容です。
1-11. パンフレットの更新(国税庁・4/1)
3月28日から4月1日にかけて、以下のパンフレットが更新されました。一部、上記のお知らせのものと重複しますが、すべて掲載します。
【税制関係】
【印紙税関係】
【自動車重量税関係】
【その他】
土地の売買や住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ(令和6年4月)(PDF/84KB)
特定の住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ(令和6年4月)(PDF/129KB)
1-12. 事務運営指針の更新(国税庁・3/29)
3月29日に、以下の事務運営指針が更新されました。一部、上記のお知らせのものと重複しますが、すべて掲載します。
【申告所得税関係】
【相続税贈与税関係】
【法人税関係】
「法人課税部門における書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続等について」の一部改正について(事務運営指針)(令和6年3月26日)
「調査課における書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続等について」の一部改正について(事務運営指針)(令和6年3月26日)
【間接税関係】
【その他】
1-13. 令和5年度税制改正等に係る対応等についてを公表(e-Tax・3/25)
令和5年度の税制改正等のうち、以下の申告手続について、追加及び修正を行い、令和6年3月25日(月)から、新たに受付を開始されることが公表されました。
1-14. 令和5年7月から9月までの裁決事例の追加等を公表(国税不服審判所・3/27)
「公表裁決事例要旨」及び「公表裁決事例」に、令和5年7月から9月までの2事例が追加されました。
それぞれの概要は以下のとおりです。
1-15. 日本税理士会連合会パンフレットの公開(日本税理士会連合会・3/29)
日本税理士会連合会の役割や活動等を紹介するパンフレットが公開されました。
1-16. 「国・地方共通相談チャットボット(Govbotガボット)」の提供開始を公表(総務省・3/26)
総務省及びデジタル庁が連携し、各府省の協力を得て整備したチャットボットの運用が開始されました。
税関係の相談も可能ですが、まだ当面実用レベルとして使うには厳しそうです。
1-17. 2023年のキャッシュレス決済比率の算出結果を公表(総務省・3/29)
2023年のキャッシュレス決済比率は、39.3%と2025年の4割達成に向けて堅調に上昇しているようです。
【算出結果概要】
2023年のキャッシュレス決済比率は堅調に上昇し、39.3%(126.7兆円)となりました。その分子の内訳は、クレジットカードが83.5%(105.7兆円)、デビットカードが2.9%(3.7兆円)、電子マネーが5.1%(6.4兆円)、コード決済が8.6%(10.9兆円)でした。
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html
2. ブログ
2-1. 「経営セーフティ共済」が改悪?10月以降の変更点と対応策について税理士が解説(3/27)
節税効果のために使用されることが多い「経営セーフティ共済」が2024年度の税制改正により、制限がかけられることになったことを解説する記事です。
2-2. 令和6年度雇用保険料率・労災保険料率・子ども子育て拠出金率について(3/27)
4月から雇用保険料率・労災保険料率・子ども子育て拠出金率が変更となるため、給与計算ソフトを使用している場合における設定の見直し用に具体的数値を含めて解説されている記事です。
2-3. e-Tax即時通知と受信通知の違い。申告書の控えを保管しよう(3/30)
電子申告した場合、必ず申告書の控えと後述する「受信通知」をPDF等にして保管しておくことを理由とともに解説した記事です。
2-4. 令和6年分所得税の定額減税Q&A(令和6年3月改訂版)_その7 扶養控除等申告書に記載された障害者である同一生計配偶者(年末調整時)(3/26)
令和6年分所得税の定額減税Q&Aのうち、3月に追加された部分についての解説記事です。
2-5. 建物解体工事に係る用途区分判決に疑問(3/25)
消費税法に関する裁判例(東京地判令和5年9月19日)についての解説記事です。
2-6. 「クレカ会社発行のタクシー券」の仕入税額控除(4/1)
インボイス対応のうち、クレジットカード会社が発行しているタクシーチケットを使用した場合の対応方法についての解説記事です。
3. SNS
3-1. 社会人2年目(3/30)
毎年定番の住民税の話題が今年もバズりました。住民税1年目より手取りが減るというのはあるあるですね。
3-2. 人気漫画の作画担当が所得税法違反で告発(4/1)
アニメ化もされた人気漫画の作画担当の方が長らく無申告の状態であったようで大きなニュースになりました。評価も大きく分かれています。
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