1が素数になれない理由
素数は約数が二つしかないのが必要十分条件です。
ですから、1とその数自身の約数しかないのが素数です。
これは、二つ以上の数の積で表すことができる合成数を積に分解できないところまで分解(素因数分解と言う)したとき、分解された数を素数としたのです。 この素数に、1を入れると無限に分解できてしまうのでNGなんです。
別の観点から
1の特殊性
素数の性質を語るのでなく、1の特殊性に注目した、少し異なった観点から考えてみましょう。
素数はそれ自身を掛け合わせると、つまり冪乗すると他の数になると言う性質を持っています。
ところが1は何乗しようが1のまま。 この性質は、n乘を実数の範囲まで広げても変わりません。
つまり、自分自身だけだと他の数の素(もと)になれないのです。
で、他の素数が持つ性質を持たないので、素数から外されたのです。
累乗を実数まで拡張すると
ちなみに、 $${n}$$が実数だと
$${3^n=2}$$
$${n=log_3 2}$$
のように すべての素数が他の素数の$${n}$$乗数として表わすことができてしまいます。
ところが
$${1^n=2}$$
と言う式はnを実数まで広げても成立しません。
つまり、他の素数はnを実数まで広げると他の数(正確には正の実数)を表わすことができますが、ここでも1は他の数の素(もと)になれないのです。
さらに、累乗を複素数まで拡張すると
さらに、$${0}$$ でない複素数 $${z}$$ と任意の複素数 $${w}$$ に対して,
$${z^w=e^{wlogz}}$$ と定義すると
$${1^w=1}$$
で複素数乘も1になります。
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