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疑常辞書

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常識を、疑え。日常を、疑え。「常態」は「死」である。
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#読書感想文

森鴎外の『当流比較言語学』が大好きな件について。コロナ禍の日本を見て書いたかのよう。

 『当流比較言語学』は、ドイツ語にはあるけど日本語にはない言葉を紹介しながら、日本人にない感情を指摘するという本です。  紹介されるドイツ語は3つで、構成はとてもシンプル。文字数も極めて少ないので、数分で読むことができます。  ただし、明治時代に書かれた文章である上に、紹介される言葉以外にもドイツ語が頻繁に出てくるので、ところどころ意味をとれないところがあります。しかし、分からない言葉を飛ばして読んでも、一番重要な部分は理解することができます。  私は『当流比較言語学』を、

【"大衆社会"が、"個人"に教えない不都合な真実②】 マジョリティ(みんな)とサイレントマジョリティー(大衆)の矛盾

"多数派として声を上げる者は、声を上げたことにより、すでに少数派になっている。" point①「みんな」と「大衆」の意思は違う。 世直し系のテレビ番組があったとします。 とっても人気で最高視聴率が30%だったそうです。 さあこれで、世の中は変わるか!? 残念ながら、変わりません。 なぜか? 答えは簡単、残りの7割は見ていないからです。 選挙をしたら当然3割の意見は大敗します。 同様に、ミリオンセラーや100万いいね!でも影響度合いは、全国民の1%。 残りの99%は、全然