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疑常辞書

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常識を、疑え。日常を、疑え。「常態」は「死」である。
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#社会

舞台制作者と芸術と傷と

noteを週に一回更新するのだと、10月の頭に高らかに宣言してみたはいいものの、既に二週間ほど経過してしまった。 鈴木の意思は弱いし、そもそも人間は弱い。 この数年間、制作として、アートを通した連帯、社会の繋がりのようなものをどうやったら作ることができるのかを探ってきたのだけれど、連帯の道を進んでいくと、結局、みんなでカレーを食べるというところに落ち着かざるをえないのではないかと思ってしまう。 連帯とは逆のベクトル、社会の中で隠蔽された傷を可視化し、社会の固定された構造にカ

社会的ルールからの逸脱の是非。なぜ冒険するのか

社会はルール(規範)によって動いている。ルールにも種類がある。一つは法律。法律とは、いま生きている人間が現在と未来のために、自分たちの都合によって適宜修正させながら、社会を円滑に動かしていくもの。 もう一つは憲法というものもある。憲法とは、今を生きている人々ではない、過去の人々が長く未来に亘っても変えるべきではないと思われる、基本的なルールとして定めたもの。例えば「表現の自由」や「基本的人権」など、いま生きている人、特に為政者の都合によって簡単に変えてはいけないものを憲法と