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疑常辞書

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常識を、疑え。日常を、疑え。「常態」は「死」である。
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2020年9月の記事一覧

差別化の穴を覗いたら見えたもの

ビジネスとか商いの文脈で差別化大事だよねという話をよく聞く。この言葉そのものが嫌いな人もいるけど。 あらゆるモノやサービスがコモディティ化(同質化)つまり、どれもそれなりの高いレベルになってしまって逆にどれも大差ない。そんなフラットな時代になって随分たつ。 もはや最近はコモディティという言葉すらそんなに聞かなくなった。 昔だったらスマホで動画視聴できる! っていうだけで差別化だったのが、いまはそれだけでは差別化にも何もならないっていうやつ。 それでも生き残るにはなんと

「何もしない」ヤツが「いちばんえらい」

優等生の皆さん、偉くなりたいなら勉強なんかしていてはいけません。 注力すべきはむしろ、いかに勉強をしないか?ということ。 つまり、 ・いかに早く分かった/知っているフリができるか ・いかに他人にやらせるか ・いかに最小限の労力・時間コストで最高の結果を手にするか という力をつけるほうが良いでしょう。 一生懸命がんばる人は"すごい"けど、"えらい"かどうかは、検証が必要です。 "武士は食わねど高楊枝" ほんのちょっと前まで、えらいひと--貴族や武士にとって、労働は恥でした

完全勝利したいなら、自分の世界を作るしかない

陪審員の皆さん、世界を支配しているのは誰なのでしょう? これほど多くの人が生きづらさを感じているのにこの世界が崩壊しないなんて、絶対、どこかで誰かが一人勝ちしてオイシイ思いをしているからとしか考えられません。 それから、理系学生の皆さん、「勝ち組」になりたいなら今すぐ文系に転向しなさい! なぜなら、理系とは、ルール(真理・理・法則・法)を「見つけ出す」系であり、文系とは、それらを「生み出す」系であるからです。 その昔、「勝ち」とは武力であった。 ところがその後、文人達によ

この世で最も凶悪なものは「完全無欠の善」なのかもしれない

かまわぬ/そなたが光なら光など要らぬ! ――宮崎駿「風の谷のナウシカ」 社会主義に無理があったのは、「どんな人間も教育すれば真面目で勤勉な働き者になる」という考え方に基づいているからで、キリスト的世界に横たわる「人間は善いことをするために生まれてきた」というのは開放なようで束縛だ。 しかし、 人は「教育を受ければ素晴らしい人間になる」「人間は善いことをするために生まれてきた」を否定できない。ほかでもない人自身が、それを否定したらそのに瞬間あらゆる非人道的なものにさらされる