シェア
太陽が差し込む。 眩しさに包まれ、目を覚ます。 海のきらめきと行き交う船の挨拶が聞こえ、 窓の外では、小鳥たちが楽しげに飛び交う。 私は、それらに、 おはよう、と―― ――言う前に。 布団に爪を立て、 布団に顔を押し付け、 呻く。 「嗚呼また朝が来た」 希死念慮をシーツで拭う。 あとは時計仕掛けに任せればいい。 服を着せて、 重力に任せて坂を下り、 人の流れに押されて電車に乗る。 脳は、未だ、眠ったまま。 心は、未だ、泣いたまま。 そうこうしているうちに、 夜が来