保苅実。稀にない悪筆。
とにかく字が汚かった。あれほど知性に溢れた男だったのに、筆跡からはその微塵も感じられない。むしろそのチグハグさこそが、彼のスゴさを物語っているかのよう。笑。
私の四つ下。昭和46年(1971)生まれだから、14歳の彼の字。かなり意識的に丁寧に書いてるのがわかる。15年後の29歳の時に受け取ったはず。
姉の私がとりわけ美文字だったせいもあるのだろう、彼は悪筆にコンプレックスがあって、あちこちで似たようなことを書いている。
故人に追い討ちをかけるのは、と思わなくもないが、実姉だからいいことにする。みみずが這いつくばったような、というのはまさに彼の筆跡のことを言う。
Fieldworkのメモになると、さらにミミズ化が進行する。
科学万博ポストカプセルから15年経ったが、全然進歩していない。
最近は、手書きすることが本当に少なくなった。漢字もどんどん書けなくなっていく。
確かに美文字を見ると、その人の知性を連想するが、悪筆だからといって知的でない、とは言えない。
悪筆の皆さん。キーボードの影に隠れず、保苅実を例に挙げて是非反論してください。
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