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広末涼子のCM削除騒動に見る違和感

広末涼子の不倫騒動が大いに世間を騒がせ、普段そういうゴシップネタに無頓着な私でも違和感を覚えざるを得ない事象がいくつも発生しました。

個々の事象に対するお気持ち表明は字数の関係で割愛しますが、その中でも特に違和感を覚えたのはCM契約していた4社のCM削除です。

不倫で自社製品の味が変わったり性能が落ちたりするのか?

CM削除した企業は、キリンホールディングス、日本和装ホールディングス、EDWIN、LegalForceです。

これらの4社の商品やサービスに広末涼子が開発や流通に関わっているものはありません。

つまり、広末涼子が不倫しようがこれらの商品やサービスの品質には全く影響がないということです。

これら4社の商品価値は虚構なのか

ではなぜ広末涼子が不倫したことを理由にCMを打ち切る必要があるのでしょうか。

よくある答えは「企業や商品のブランドイメージが悪くなる」ですが、これが私にはよくわかりません。

広告宣伝費は商品価格に転嫁されていて、この比率は決して小さなものではありません。

しかもこれは味や性能や品質などの使用価値には一切貢献しない費用です。

昨今は値上げに次ぐ値上げのご時世ですが、広告宣伝費を圧縮すれば値上げを食い止めたり値下げに転換することも可能なはずです。

このようなご時世でも広告宣伝費をかけてその分商品を高くしているわけですが、それで高く買わされてるのがブランドイメージという虚構だとすれば怒りを覚えます。

霊感商法で壺を高く売りつける宗教とやってることは同じじゃないでしょうか。

「タレントが不倫しようが商品の価値は変わらないので打ち切りません」と言えばかっこよかった

この4社の失敗は、CMを削除したことで結果的に自社商品の価値が価格不相応な虚構であることを世間に向けてアピールしてしまったことです。

ではもしここで「タレントが不倫しようが商品の価値は変わらないので打ち切りません」と言えばどうだったでしょうか?

不倫に対する懲罰を求める一部のユーザーによる不買運動が起こった可能性はありますが、それ以上に企業の好感度のほうが上がったと思われます。

そもそも消費者は商品の使用価値、例えば食べ物であれば味や量、衣服であれば色合いや耐久性、契約書作成AIであれば信頼性や正確性に対してお金を払ってるのであって、CMによって作られる虚構に対して払ってるわけではないはずです。

不倫騒動をひとつの機会に、企業が少しでも良い商品を適正な価格で売るという原点に立ち返らなかったことは非常に残念です。

ちなみに私の場合

私はフィルム風船のネットショップを経営してますが、ツイッターアカウントで普通に政治や宗教やスポーツの話題をツイートしてます。

これに対して「商売のアカウントでしてはいけないタブー」とか言ってくる人がいますが、意味がよくわかりません。

私が政治トークをしようが商品の品質が変わるということはありません。

お客様は商品の使用価値にお金を出してくれているのであって、私の政治信条がどうだろうと関係ありません。

むしろいろんな人と議論をする機会が生まれて私のお店をたくさんの人に知ってもらえますし、特にタブー視されがちな国際政治、環境、エネルギー、社会保障、教育にこそ積極的に意見表明をしています。

これらは往々にして非難の引リツやクソリプが大量に来たりまとめサイトに晒されたりしますが、そうなることで私のアカウントがより多くの人の目に留まったりショップサイトへのリンクが貼られることになります。

被リンクが増えれば検索エンジンの順位が上がり、それは販売機会の拡大に繋がります。

つまりタブーだと思われていることをあえてやることでお金をかけずに宣伝することに成功しているのです。

これは純粋に商品の使用価値で勝負しているからこそ取れる戦略だと言えます。

くだらない虚構合戦、そろそろやめにしませんか

かつて日本企業は少しでも安くて良いものを作るよう切磋琢磨してきました。

それは高度経済成長をもたらし、MADE IN JAPANが世界を席巻するほどにまでなりましたが、しだいに技術が成熟して各社が自社製品を差別化することが難しくなってきました。

そこで次の手としてCMに有名タレントを起用し、イメージで売り込むという戦術に路線変更しました。

少しでも良いタレントを使ったり良い演出をするように各社がお金をかけてはそれを商品価格に転嫁してきました。

そうしてるうちにいつの間にか虚構と価格ばかりが膨らみ、それがシャボン玉のようにパチンと弾けたのが今回の騒動だと理解しています。

円安や原材料高騰による値上げや利幅の縮小があらゆる業界で起こっている昨今だからこそ、昭和から続いてきたくだらない虚構合戦をやめて、質実剛健に良い製品を適正価格で売るという原点に立ち返る必要があるのではないでしょうか。

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