⚾調査レポート・打球速度と体力⚾

お詫び
本文章は公開後にデータの誤りが分かりました。
現在は修正している文章ですので予めご了承ください。
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埼玉県県立高校野球部の測定結果と推察
※今回も素人による集計と考察ですので参考程度にお楽しみください。

日付  :2023年1月9日
天候  :晴れ
場所  :貴校校庭
条件  :トス 金属バット 使用済み硬式ボール
測定機器:ラプソード
人数  :13名

日頃より指導をさせていただいている埼玉県内の選手を対象として体力と打球速度の関係性を調べてみました。
高校レベルとしては県予選1~2回ほど勝利する高校であり、対象選手は貴校の中でも比較的低体力な年代である。

【目的】
野球の攻撃で最も大切なことは本塁打を打つことである。
※セイバーメトリクスについては専門情報をご覧ください。
その為には打球速度140㎞/h×打ち出し角度26~31度程度が必要とされている。
この数値を出すために、どの体力をどれくらい向上させればいいのかを知ることで、最も効率よくトレーニングを行う(提供する)ことができると考えました。
 
【予測】
走力について
短距離走は大きな関係性がなく、長距離はさらに関係性が低い

筋力について
ゴルフと似たような関係性を描く
デッドリフトが最も関係性が高く<ベンチプレス<スクワットの順で全て大切である。

【結果】
塁間走、50m走、1500m走、ベンチプレス、デッドリフト、スクワットを行いました。
以下は打球速度とそれぞれの相関関係を示します。

塁間走 :0.07  相関関係がない
50m走 :0.01  相関関係がない
1500走   :-0.07 負の相関関係がある
BP     :0.41  相関関係がある
DL     :0.35  相関関係がややある
SQ     :0.14  相関関係がほとんどない

※    2名の選手が怪我によりデッドリフトとスクワットを行えなかった為
これに限りデッドリフトとスクワットは過去の数値からの推測値を入力しています。



【考察】
◆塁間走・50m走
予想通りの結果と言えます。
他のデータ(ソフトボール)では塁間走と長打力に負の相関関係があったとの研究を目にしたことがあります。言われてみれば…往年の長距離打者や各校にいる大型の選手は足が速いようには思えません。
大谷選手などは足が速いのですが、打球速度に対しての足の速さは遅いのだと思われます。
そもそも短距離ほど数値の誤差が少ないため大きな指標になりにくいとも考えられます。
30m走は測り手の反応で大きく変わるし、50m走は今回最大値と最小値では0.76秒(約10%)程度しか差がないのである。
もう少し数を増やしても相関関係に大きな違いは出ない結果となると思います。

◆1500m走
こちらも予想通りの結果と言えます。
理由は短距離と同様で往年の長距離打者や各校にいる大型の選手は長距離が速いようには思えません。
もう少し数を増やしても大きな変化は出ないと予想しています。

◆ベンチプレス
今回の測定内容では最大の相関関係を示していますが、もう少し大きな相関関係を指すと思っていました。
過去の経験上では挙上重量が100㎏を越える選手は金属バットであればホームランを打てていましたので、もう少し大きいかな?と思っていました。
とはいえ関係性が認められたことは成果です。

◆デッドリフト
ゴルフ同様最大の関係性を示すと思っていましたが、ベンチプレスに抜かれてしまいました。
しかし今回の対象は大型選手も小柄な選手も100㎏~140㎏という小さな範囲に収まっていますので、顕著な差が出なかったのだと思われます。

◆スクワット
今回は予想に反して関係性が認められませんでした。
がやはりこれも大型の選手も小柄な選手も70㎏~120kgという小さい範囲に収まっていますので、顕著な差だけでなく相関関係が認められなかったのだと考えています。
【ホームランを打つために】
グラフと近似値線を利用すればホームランを打つ体力が解ります。
近似値線を伸ばしていき打球速度140㎞/hのところで縦軸を見ればいいだけです。
例えば
◆140㎞/hを打つ場合
ベンチプレス85㎏程
デッドリフト135㎏程
スクワット100㎏程

となります。
※経験上、検体が増えたらもう少し必要な体力が高い数値を示すと考えています。

【総括】
今回の注意点は「検体が少ない事」「みんなが似たような範囲に収まっている事」が挙げられますので、参考程度となると思われます。
とはいえ走力については全く関係がないどころか、明らかに負の相関関係まで認められています。
やはり走り込み(走力向上)は野球の打撃向上には一切意味がないと断言できる要素の一つになると考えられます。
逆に(スクワットは低かったが)基礎筋力については正の相関関係がありそうですので、私が20年以上信じている基礎筋力が最も大切であると断言ができる要素の一つにあると考えます。
※あくまでも現時点での成果ですので、今後検体が増えることで見解が変わる可能性は大いにあります。

今回の検体は平均的な体力と戦力だと考えています。
これらに対し強豪チームに体力と弱小チームの体力を加算することでもっと面白い結果が得られると考えています。

さいたま市浦和区のパーソナルトレーニングジム
ネクサスフィットネス浦和 代表トレーナー保條


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