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【作家視点】1冊の小説が出版されるまでの流れ(#3)

【最初から:①はじめに
【前回:②お声がけ編

駅にて、ワニブックスの担当編集者さんと待ち合わせです。

初の顔合わせでしたが、前もってお互いの目印と服装と大雑把な特徴を伝えていたので、難なく会うことができました。

約2年、アマチュア作家というほぼ引きこもりのような生活をしていたので、こうして初対面の人と会うのはとても新鮮です。

軽く挨拶を交わし、近くの喫茶店に入りました。

そこでお互い簡単な自己紹介を交わし、企画書を拝見します。

大雑把なコンセプトは前もって聞いていましたが、いくつか目を引く部分がありました。

1つは、「意味がわかると怖い話」という、ホラーテイストな本として出版したいという点です。

なんでも、最近はホラーテイストの波が出版業界には来ているとのことでした。

確かに、私が今までに投稿してきた作品にはホラーテイストな作品も少なくありません。

ですが、真っ先に思ったのは「1冊の本に出来るほど、数があるかな…?」という点でした。

そしてもう1つ目を引いたのは、小学校高学年までターゲット層に含めたい、という点でした。

私は、特に読者層を考えたことがありません。

強いて言えば、140字小説に関しては「普段から小説を読まない」層をターゲットに始めたくらいです。

とは言え、「子供に読んでもらって通じるかな…?」という思いは少しありました。

一先ず私は、編集者さんに以下の点をお伝えしました。

・ホラー系の作品だけでは、数が足りないかもしれない。
・なのでホラーに拘らず全ジャンル混合はどうか。
・ジャンル混合には、作品同士でメリハリがつくメリットがあるし、普段の投稿もそれを意識している。

あと個人的には、私のフォロワーさんはきっとホラー以外の作品も読みたいはず、という思いもあり、やはり全ジャンル混合を推したかったです。

一方で、編集者さんのコンセプトも尊重したいと思いました。

ジャンルを絞ることは〝わかりやすさ〟に通じます。

わかりやすさは、購入の動機に直結します。

例えば、表紙か帯に140字小説を1作載せ「え、こわっ!」と楽しんで貰えたら、「この本を買うと、こういう体験が何度もできるのか」と、本の特色をスムーズにわかってもらえます。

それは、本を買う理由付けになります。

逆に「何が出てくるかわからない」というランダム性は、ワクワクしたりメリハリがつく効果は期待できますが、それは買った後のお話です。

ジャンルやコンセプトが一目で定まらないと、書店で手に取ってもらのは難しいです。

実際、複数のジャンルを混ぜた短編集より、「この本はめちゃくちゃ怖いです」と謳われる一冊の長編の方が、なんとなく手に取りやすくないでしょうか?

フワッとしたものは、手を伸ばす決め手に欠けます。

編集者さんの思いは、そういうところにあると解釈したため、ホラー縛りも捨てきれない…と葛藤しました。

ですが、どう転ぶにせよ、私の作品数を洗い出さないことには決まりません。

ですので、一先ず私は私の全作品をジャンル別に数えることを宿題とし、この日は解散となりました。

【次:④宿題編

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