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逆子だった娘ちゃんの出産記録in オーストラリア

もう2ヶ月近く経ちますが、第2子の娘ちゃんが1歳のお誕生日を迎えました。パチパチ!これを機に出産記録を残しておこうと思います。

娘ちゃんは2020年の1月にオーストラリアで産まれました。オリンピックベイビーのはずがコロナベイビーとなり、私の家族とはまだ一度も会えていません。出産に関して言えば、息子君の妊娠・出産を当地で経験していたので特に不安はありませんでしたが、悪阻でしんどい時に絶賛イヤイヤ期の息子君の困らせ行動に苦労したのはいい思い出です。一緒に遊んであげたいけど横になりたくて、家中どこでも寝転んだ大仏さんのような格好で息子君と過ごしていた気がします。しかも今回は妊娠初期を過ぎても悪阻がおさまらず、薬で止めることにした妊娠8ヶ月頃まで毎日のように吐いていたのは本当に大変でした。

さて、娘ちゃんは逆子だったので39週目に帝王切開の予定をしていました。最後まで逆子ちゃんでいる確率は全体の3〜5%らしくて、まさか自分がその1人になってしまうなんて夢にも思っていませんでした。37週目で赤ちゃんの位置を外から戻す外回転術を受けましたが、逆子ちゃんの頭が私の肋骨にロックオンしており残念ながら全く動きませんでした。この施術で戻る可能性は50%と言われていたし、2人の大柄な医師が私のお腹に馬乗りになってぐいぐい押して悲鳴をあげたくなる程痛かったので、戻らなかったのはとても悲しかったです。専門病院に行けば逆子の自然出産も可能とのことでしたが、リスクを説明され渋々に帝王切開を予約してその日は帰宅しました。

ところが、帝王切開日を翌週に控えた日曜日、まさかの陣痛が始まってしまいました。急いで病院に駆け込んだ時点ではこれから帝王切開をするのだろうと思っていましたが、ドクターを待っている30分くらいの間にあれよあれよと出産が進んでしまい、私はあちらの世界へ誘われるようにゾーンに入っていきました。経産婦の出産は早いとは聞いていましたが、本当に本当に早くて、初産の時の何十時間もかかったあの産みの苦しみは一体何だったんだと言う感じです。オーストラリアでは恐らく8割方の人が無痛分娩なので、病院では叫び声を聞くこともあまりなく、自然出産のリアルを友人と話すこともないのですが、なんと言うかミラクル過ぎて一生脳裏にこびりつくかけがえのない経験をさせてもらいました。

あれ?と思った方。そうなのです、うちの娘ちゃん逆子のまま自然に産まれて来てしまったのです(笑)ドクターが部屋に到着した時には既に子宮口が全開していたようで「ready to push (このまま産みます)」と言われて、その10分後には無事に娘ちゃんが出て来てくれました。逆子というハイリスクで緊張感漂う出産となり、部屋には数名の産科医、新生児科医、助産師など総勢10名以上のスタッフに囲まれて私は出産しました。一番近くに居て欲しかった旦那が、スタッフの波に飲み込まれて遠くに行ってしまったのは今後もちょくちょくイジってしまいそうです。娘ちゃんは上手にお尻と足から急降下してくれましたが、逆子出産の最難関である頭がなかなか出て来ず、ほんの数分ですが(私には長〜く感じました)異様な雰囲気を感じました。やはり娘ちゃんは首に臍帯を2重も巻いて全身真っ白な状態で出てきました。すぐにかすかに泣いてくれたので大丈夫だなと思ったものの、初産のときに赤ちゃんって本当に赤いから〝赤ちゃん”って言うんだなと思った経験があったので「やばい!やってしまった。。。」と焦ったのが正直なところでした。とっさに出てきた言葉は「Is she all right?(赤ちゃん大丈夫?)」でした。

呼吸が安定しなかった娘ちゃんは、その後2日間NICU(オーストラリアでは新生児集中治療室のことをNurseryと言います)で過ごした後、元気に退院してお家に帰りました。息子君のときは翌日退院したので、今回は早く家に帰りたくて仕方ありませんでした。入院中は逆子を自然出産したママと言うことで、助産師さんたちのヒーローでした。比較的大きな病院で産んだのですが、年に1度あるかないかのことらしく会う助産師さん皆に「よくやったね!」と声をかけてもらい、希な出産だったんだぁと実感するとともに娘ちゃんが無事で本当にラッキーだったと思いました。帰宅すると2歳になったばかりの息子君が待っていました。数時間距離を置かれた後、私がもうどこにも行かないことを確信したようで大粒の涙で泣かれたのは、心が温かくしびれました。

公立病院で出産したので(出産費用はなんと無料!)医師や助産師を指定することができませんでしたが、お世話になった病院のスタッフは皆プロフェッショナルで素晴らしかったです。特に最初から対応してくださったベテランの男性助産師(人生で初めてお会いしました!)は、不思議なくらい私の体と心の状態を読み取っていて神様のような対応でした。思い返すと、彼は最初に私が病院に到着したときから逆子ちゃんを自然出産することになると読んでいたなと思います。一つ難点を言うならば、ほぼ全員の助産師が個室の部屋をノックもせずに入って来て、そのドアの開け閉めも音が出るほど豪快にしていたのは、オーストラリアだなと笑えました。

そんな娘ちゃんの出産からもう1年とちょっと。今では生きたハチを口に入れてしまう程、好奇心旺盛で元気たっぷりな娘ちゃんに成長してくれています。

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