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第16回ベトナム語スピーチコンテスト参加者レポート⑤

スピーチコンテストを振り返って
大池希乃

ベトナム語専攻一回生の大池です。私は先日、神田外語大学で行われたベトナム語スピーチコンテストに参加してきました。このスピーチコンテストに出場した経緯や、練習期間のこと、本番のスピーチなどについて書いてみたので読んでくださったら嬉しいです!

【参加を決めた理由】
私は、このスピーチコンテストについて先生から授業中にお話があった瞬間に迷わず参加を決めました。参加を決めた理由は主に次の三つです。

一つ目は、この機会にベトナム語を上達させたいと思ったからです。前期の授業で発音はたくさん練習したけれど、まだ曖昧な部分が多くて自信が持てなかったので、コンテストに向けた練習で先生方に個別に発音を指導していただければ飛躍的に発音が上達するのではないかと期待しました。このコンテストを短期的なゴールとして集中的に発音を鍛えられたらいいなと思いました。
二つ目は、過去に優秀な成績を残している先輩方に私も続きたい!と思ったからです。憧れていたベトナム語専攻の一員としてコンテストに出て結果を残したいと感じました。
三つ目は、動機として不純かもしれないですがトロフィーや賞状が欲しかったからです!(笑)これまで部活などでもコンテストというものに出場したことがなく、何かで表彰されたこともないので、頑張った結果が報われてわかりやすく形として表れ、表彰されてみたいという気持ちがありました。また、このコンテストで入賞することで離れて暮らしている両親にベトナム語の勉強を頑張ってるよ〜というのがわかりやすく伝わったらいいなと思いました!

【たくさんの方が支えてくれた練習期間】
本番までの間、何人もの方が練習に協力してくださいました。
8月中は地元に帰省していたのですが、近藤先生に何回かオンラインで発音指導をしていただきました。当時は自分なりに一生懸命発音していたのですが、今思えばとてもベトナム語だとは思えない、酷い発音でした。近藤先生はそんな私の発音を、根気強く時間をかけて丁寧に矯正してくださいました。

最初は口の開き方や開き具合など何もかもが間違いだらけで、先生の真似をして同じ音を出そうと頑張っても全然思い通りにできないこともありました。入学当初から散々聞いていた通りの、ベトナム語の発音の難しさを思い知らされました。ですが、それに苦しんだというより、こんなに日本語と違うのか!ベトナム人はこんな音を普通に出すのか!と、面白がりながら練習できていたので楽しかったです。普段の授業では先生に個人の発音を聞いてもらって直してもらうことはできないので、夏休みにも関わらず一対一で指導していただけたことは、発音が上達する贅沢な時間だったと思います。

9月中は3週間のベトナム研修に参加したので、研修中に通っていた大学のベトナム人の先生に教えていただきました。私の発音を聞いて直してもらったり、先生が詩を読んだ音声を録音させてもらったりしました。授業前や授業後に時間をとってくださってありがたかったです。

研修が終わり、帰国してからは主にひとりで練習に励んでいましたが、一度ベトナム人の友だちと近所の公園で練習しました。そのベトナム人の友だちは私がスピーチコンテストに出ると言った時から、応援してくれていました。そして『時間がある時、一緒に練習しよう』とわざわざメッセージをくれて、私の家の近くの公園まで来て練習に付き合ってくれたのです。彼は本番が近くなったときにもビデオメッセージで応援の言葉をくれて嬉しかったし、とても励みになりました。

練習期間で教えてくれる方たちの暖かさ、優しさを感じたし、こんなに親身に練習に付き合ってくれて応援してくれる人がいるなら必ず結果を出したいという気持ちが大きくなりました。

こうして大体正確に発音ができるようになったら、本番2週間前くらいから週に何回も箕面キャンパスの研究室に出向き、先生方と一緒にどうしたらこの詩に込められた感情が伝わるのかを考え、練習していきました。箕面での練習では先輩方の練習の様子も見ることができました。私の出た部門では与えられた詩を読むのですが、先輩方は読む文章の内容も自ら考えたというのを知ってレベルの高さに驚きました。さらに質疑応答の時間もあると知って、そんな難しいことに挑むこと自体がすごいなと尊敬しました。
これまでベトナム語専攻の上回生と関わる機会はあっても先輩方のベトナム語を聞くことはなかったので、初めて自分達がこれからならなくてはいけない姿を見ることができた気分でした。

練習で一番苦労したのは詩を覚えることでした。暗記が苦手な私は、暗唱するのに時間がかかり、夏休み明けの清水先生の授業内での暗唱テストでは頭が真っ白になって最後まで詩を読めず悔しい思いをしました。最初の頃は人前で読むと緊張で今自分がどこを読んでいるのかわからなくなって止まってしまうことが何回かありました。特に、同じ一回生で一緒にスピコンに出た平田さんが、私と違って早い段階からしっかりと暗唱できていたのもあり、ますます焦りました。しかも所属している部活やサークルなどの忙しい時期と被ったのでなかなか練習の時間がとれずにその忙しさが嫌になって、スピコンに出るなんて言わなきゃよかったな…と後悔することも何回かありました。ですが、練習不足を補うために必死に時間を見つけて1日に何回も読み、口から自然とスラスラ出てくるまで確実に覚え込みました。

【本番のスピーチ】
本番は阪大生の中では1番目の出番でした。自分より前の順番の人が詩を読むのを聞いている間はほとんど緊張せずリラックスしていたのですが、いざ名前を呼ばれてステージに上がると脚がガクガクと震えていることに気づき自分でも驚きました。緊張で声が震えたり、暗唱した詩をど忘れしてしまうことを一番恐れていたのですが、緊張を振り払うように大きな声でゆっくりスピーチを始めると、自分のペースで練習した通りに落ち着いて表現ができました。徐々に緊張もなくなり舞台上でのびのびと詩が読めてとても気持ちがよかったです。
全て読み終わり、観客からの拍手を受けながらステージを降りた時にはやりきった!という達成感で溢れていました。そのとき自分では入賞するのかどうかよくわからなかったけれど、どちらにしろ満足のいくスピーチができてよかったという気持ちでした。結果的には私の出たA部門で1位を獲得することができたのでとても嬉しかったし、自信がつきました。

【まとめ】
スピーチコンテストを終えて、チャレンジしてみてよかったと心から思います。
もちろん発音が上達したことや、忙しくてもコツコツ練習できたことで自信がついたのもよかったのですが、一番よかったと思うのはベトナム語に真剣に向き合う先輩方や先生方の姿を近くで見て、刺激を受けられたことです。
これからもさらにベトナム語を頑張りたいです。とても素敵な経験でした!


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