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#1 憧れの保育士。そして理想と現実。


2007年、春。

私は長年の夢を叶えて「保育士」になったのだ。


でも、その夢は呆気なく2年で終わりを告げた。

好きな仕事を諦めなくてはならない喪失感と理想と現実のギャップに心がぽっかり開いてしまったようだった。


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私が保育士への夢を抱いたのは漠然と小学校高学年だった。

末っ子で自分より小さい子はそばにいなかったのだけれども、遠く離れていたけど沖縄にいる年の離れた従姉妹たちを面倒見てた。


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考えてみれば私の母はすごく子どもが好きだった。

どの子にも優しく声を掛けていたし、母の子どもに対する温かな眼差しを見ていたからこそ、私も子どもへの興味をもったのかもしれないな。


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そして沖縄にいる母の姉妹たちは保育関係の仕事というのもあり、保育士になることは当たり前にすでに出来上がったレールの上に乗るかのような自然なことだった。



2007年、保育士デビュー


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念願の夢を叶えて、保育者になった。

本当に保育者になれたんだ!というドキドキと、こんな私に務まるのか…というまた違ったドキドキと、いろんな感情が複雑に入り混じったような社会人デビュー。


1年目は0歳児の担任。

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初めて過ごす子どもたちはとにかくかわいかった。

怒ってても泣いててもケンカしててもなんでもかわいかった。1年目の不安はありながらも毎日子どもと関わって過ごせることに幸せを感じていたし、自分の好きなことが仕事になるなんて本当に嬉しくて仕方なかった。




初めての保育園勤務は2年で退職。

理由は一つではないけれど、保育士への待遇の低さは現実を突きつけられた問題だった。


加えて、「社会」にハマれない自分がいた。

あまりにも社会の中で暗黙の了解が多すぎて”なんで?”が私の頭を飛び交いすぎて苦しかった。


これはどの社会でもあることなのかもしれない。

でも私はハマれなかったし、ハマったら自分が壊れてしまう気がしたから。

だから大好きな仕事を離れることを決めた。

子どもが大好きだった。保育士を続けたかった。でも私は諦める道を選んだ。


保育士を離れ


保育士を辞めたからと言って他にやりたい仕事なんてなかった。

たまたま見かけた求人に子供服販売があったのでなんの気なしにそこで働くことに。


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保育士を離れ、百貨店で販売員。

なんだかもどかしかったけど、それはそれで楽しかった。


小さな子供服を見れるのも楽しかったし、子どものことを考えながらお客さんと一緒にお洋服を選ぶ時間も楽しかった。

そして子どもを連れて来てくれるお客さんもいるので全く子どもに触れられないかと言ったらそんなこともなかった。



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でも、やっぱり、違う。

私のやりたいことはこれではない、と心が叫んでた。

どこかモヤモヤしながら過ごす日々。



キッカケは突然に


そんな中、突然「妊娠した!」と姉からの報告。

当時姉は沖縄にいて、事情があり子育てのサポートが必要だった。


私は二つ返事で「手伝いに行くよ!」と。


そしてこの甥っ子の誕生は、私を保育士へと引き戻してくれた大切なキッカケとなった。


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姉の妊娠を機に


私は姉の子育てサポートを長くしたかったため、子供服販売員を退職。

2ヶ月ほど沖縄へ滞在し、姉の子育てをそばで見守ることに。


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私にとって初めての甥っ子。

それはもうかわいくてかわいくて暇さえあれば抱っこ。


さほど手のかからない子だったので手は足りていたけど、産後の姉の支えになれたことも、可愛い甥っ子の成長も身近で見れたことも今となっては貴重な経験だった。


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今度はオーストラリアへ


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そしてオーストラリアに住むもう一人の姉の妊娠も発覚。

「もちろん来てくれるよね?」と半ば強制的にもう一人の姉の子育てサポートのためオーストラリアへ。


オーストラリアの姉の時は出産に立ち会う貴重な経験もできた。


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日本だと産後は一週間ほど入院するが、姉が出産した病院は自己申告制。

「病院にいたくない!」という姉の主張で次の日には自宅に戻ることに。


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二人目の甥っ子は手がかかった。

退院後、すぐに黄疸になり自宅で治療。

 

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更にはよく泣く子だったので夜中も順番であやしたりしたな。

なかなかの手強い子だった。


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そして大変だけど二人の甥っ子と毎日過ごす中で

”あぁ、私のやりたいことってこれだなぁ”と気付いた自分。


保育士を離れて3年。

子どもといる時は本当に幸せだし、心が喜んでる。


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子どもと過ごす日々が何より私の幸せなんだと改めて感じた瞬間だった。



帰国後、再び保育士へ


二人の甥っ子の子育てをサポートしたことをキッカケに、再び保育士に戻ることを決意。


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改めて子どもといることの幸せな気持ちを思い出させてくれた二人の甥っ子。そして二人の姉たちには感謝。


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大切な気持ちを思い出させてくれてありがとう、愛する甥っ子たち。


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そして保育士としての人生、第二章の始まり。

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