#6 私の選んだ「保育士」のカタチ
初めまして!
保育士ベビーシッターの小西なつきです。
2018年に起業し、個人でベビーシッターとして活動中です。
保育士に戻ってくるにはたくさん遠回りしました。
でも、遠回りしただけ、私は保育に真っ直ぐ向き合っています。
保育が恋しい、保育が尊い。
遠回りしなければこの思いは抱けなかったと思います。
ー 私がベビーシッターという道を選んだ理由
ベビーシッターというと保育士とはちょっと違ったイメージかもしれません。
なので私は保育士ベビーシッターと名乗ってます。
私がベビーシッターを選んだ理由は、「自由」な保育ができるからです。
「自由」って何となく定義が難しかったりしますが
私は「ありのままでいる」という意味で「自由」と表現しています。
ー キッカケは海外留学
なぜ私が自由な保育がしたい、という想いを抱いたのか。
それは2017年にオーストラリア留学へ行ったことがキッカケでした。
海外では一般的なベビーシッター。
私もオーストラリアで初めてベビーシッター(オーペア)を経験しました。
そこで見た海外での保育や子育ての現場。
一言では表現できないほどの衝撃がいっぱいでした。
保育者の考え方であったり、親の子育てへの向き合い方であったり、子どもたちののびのび育つ姿を見て、私のそれまで培ってきた価値観は色んな意味で崩れ落ちました。それはもうガタガタに。
だけど、それはいい意味で、新たな価値観を与えてもらいました。
どれもこれも衝撃的でしたが、一番驚いて心に残っているのは子どもたち一人一人の自己表現の素晴らしさ。
「私はこう」「こうじゃなきゃいや」
海外の子たちは「わたし」をちゃんと表現できるんです。
でもそれはわがままではなく、自己表現であり、それを貫きたいのではなくちゃんと自分の意思を伝えたいということ。
それは家族だけではなく、誰に対しても、です。
その時にふと、自分の小さい頃を思い出しました。
ー 「わたし」を表現できなかった小さい頃の自分
小さい時、私は自分を表現できない子でした。
黙っていた方が何となくいいだろう、と周りの空気を敏感に察して大人しい子どもで。
母はこう言っていました。
「あなたは赤ちゃんの頃からどこに連れてっても静かにしていたわよ。だから静かにしてなきゃならない場所でもどこでも連れて行けた」と。
赤ちゃんの頃からとは驚きだったのですが、私は良く察する子でした。
周りの空気を感じてその環境に馴染まなければならないという思いを抱いていたのかもしれないな。
でも、「自分はこう」という思いは常に押し殺していました。
だから物心つく頃には、何となく違和感を感じ、自分を表現できないことに対して納得いかない感情ばかりでした。
そして私は集団行動が苦手で。
みんなと合わせることが苦痛だったし、人といて気を使うのがすごく嫌だったんです。
でも日本の教育は「協調性」が重要視される。
はみ出しものは白い目で見られる。そんな社会のあり方も嫌で嫌で仕方なかったと思い出します。
ー 子どもにも自由の権利がある
オーストラリアの子どもたちは本当に「自由」でした。
好きなことを主張するし、自分の好きなことで遊ぶのは当たり前。
驚いたのは日本でいう「お集まり」というものがないんです。
保育園や幼稚園に行けば、朝には必ず先生の周りに集まって集団保育の時間がありますよね。
海外の保育には集団保育というものがほとんどありませんでした。
登園したら降園するまで自分の好きなことをして遊ぶ、ただそれだけです。
集団に入って、みんなと同じことをして、という日本の保育が当たり前だった私にとって、本当に衝撃的でした。
個々に「自由」にのびのび過ごす子どもたちを見て、驚きと感激で心を揺さぶられました。
ー 私が描く保育がそこにあった
海外の保育を見て、私は小さい時こんな環境にいたかったな、と純粋に思いました。
周りの目を気にせずにいられる環境や自分を表現できる環境。
その時に初めて、今まで生きてきた人生で感じてきた違和感を払拭してもらえた気がします。
私自身も「ありのまま」でありたい、ということ。
そして、自分自身が小さい頃に感じてきた違和感を、子どもたちには感じてほしくないと強く思いました。
一人一人、個性があっていい。
一人一人、違った関わりがあっていい。
「自由」な保育は自分らしさを最大限に引き出せると思っています。
日本の保育園では、幼稚園ではそれは叶わないかもしれない。
でもベビーシッターなら叶えられる。
一人一人に寄り添った保育の形は私にはぴったりの在り方でした。
ー 個性を輝かせる保育を
海外の保育を見れたことは私の人生の中で大きな財産となりました。
一人一人に寄り添って、個性を見つけ出して、丁寧に保育できている今が本当に幸せです。
子どもの表情を見れば子どもの心が見えてきます。
満たされているのか、納得いかないのか。ベビーシッターはそんな子どもの心のわずかな動きにも細やかに目を向けられます。そしてすぐにその心にも寄り添ってあげられます。
これからも一人一人の子どもの心に寄り添って「自由」な保育を目指していきたいと思います。
大好きな天職である保育士を続けられること、大切なお子様を信頼して預けてくださること。どれもこれも感謝に尽きます。
出会ってくださった全ての方々に感謝いたします。
保育士ベビーシッター 小西なつき