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2020夏の保育アカデミー

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2020年8月に開催された保育アカデミーのレポート記事です。講師:大豆生田啓友(玉川大学教育学部教授)、汐見稔幸(東京大学名誉教授)、井桁容子(乳幼児教育研究家)、小西貴士(森の… もっと読む
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残したい「未来」から保育を考える──小西貴士 #保育アカデミー

「オンラインでも、参加者と深い気づきを得られる場づくりにチャレンジしてみたいと思ったんです」 2020年8月に開催された『夏の保育アカデミー』。最終日、写真家・森の案内人の小西貴士さんによる講義は、そんな言葉からスタートしました。 コロナ禍で失われようとしていた「大人の学び」を支えたい。そんな主催者・大友剛の呼びかけに多くの研究者や保育者が参加したセミナーで、4日目となる小西さんのセッションはそれまでと少し異なり、すでに出たキーワードやヒントを元に、参加者一人ひとりが「じ

「気づき」ひとつで保育はおもしろくなる──井桁容子 #保育アカデミー

「今もたくさんの困った状況がありますが、まずは周囲のせいにしないで、自分にできることを考えてみる。その一番の近道が、子どもへの『まなざし』を振り返ることだと思うんです」 2020年8月にオンラインで開催された『夏の保育アカデミー』。3日目の講師、乳幼児教育研究家の井桁容子先生はそう穏やかに語りました。 コロナ禍で先が見えないからこそ「大人が学びを止めない」、そう掲げたこのセミナーで、井桁先生が掲げたテーマは『まなざしで保育が変わる』です。この日も、数百人の受講者からは多く

「意味の世界」を豊かに育む──汐見稔幸 #保育アカデミー

保育者の「学びの機会」が大きく制限されようとしていた、2020年の夏。先の見えないコロナ禍のなかで、「まずは大人が学びを止めてはいけない」と保育者や研究者が集まり、8月の後半に4日間かけて、『夏の保育アカデミー』が開かれました。 4人の講師によるオンラインセミナーの模様を、順に取材したのが本連載です。前回の記事では初日、大豆生田先生の講演をダイジェストでお届けしました。 2日目は、東京大学名誉教授、日本保育学会会長の汐見稔幸先生が登壇。『新しい保育の扉を開ける』をテーマに

コロナ禍で語り合う「保育の質」──大豆生田啓友 #保育アカデミー

保育の世界に大きな影響を与えた、新型コロナウイルスの感染拡大。子どもたちにさまざまな制約が加わる一方、園同士の交流も制限され、2020年は研修会や講習会なども続々と中止になりました。 「この大変な状況の中で、重要なのは大人の学びを止めないこと。子どもの命はもちろん、楽しい時間や人権を守るためにも、私たちが学びを深めていかなければと思っています」 そう語ったのは、ミュージシャン&マジシャン&翻訳家として活動する大友剛。従来のような形で保育への理解を深めていくことが難しいなか