ニューダンガンロンパV3のクリア感想

2017年1月に発売されたニューダンガンロンパV3の本編を約50時間でクリアしました。ダンガンロンパシリーズは、
 1.ダンガンロンパ アニメ視聴
 2.ダンガンロンパ ゲーム実況鑑賞
 3.スーパーダンガンロンパ2 Steamでプレイ
 4.ニューダンガンロンパV3 Steamでプレイ
という流れで作品に触れていきました。

以下
トリックや犯人の名前などのネタバレ有り



ニューダンガンロンパV3感想
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全体でめちゃめちゃ面白いけど、最後の最後、首謀者によるネタばらしが過去の作品を含めて内容を薄めてしまう上に、ダンガンロンパという作品の可能性をすべて潰して自爆するような終わり方だった。
ただ一概に悪いとは言えない可能性を感じた。

■1章
神ってる。最初からフルスロットルで面白い。
まず大衆の心を最初で掴んで飽きさせないって意味ではダンガンロンパは100点中1000点だとおもう。
殺人事件が起き、調べれば調べる程に主人公の赤松と一緒に行動していた最原が怪しくなってきて、裁判中に追い詰めたところで実は犯人は自分(赤松)でした、からの最原へ主人公交代の流れはしびれた。
犯人の動機も納得のいくもので、本当に悲しくなった。
唯一ピタゴラスイッチみたいな殺害方法だけ、通気口の位置もっとカメラの上よりにして、鉄球の大きさを二回りくらいデカくして納得性を増して欲しかったとおもった。だけどこの辺りは6章で解決するのでそこを含めると完成度がとても高かった。

■2章
百田が好きになる章だった。
1章の終わりからずっと最原を気にかけて、学級裁判中も理論に対して感情で戦おうするバカだが、その分些細な言葉のズレに気づけてそこを指摘したりするので、キャラクターとして本当によくできてた。
それでいてこの章は、殺害方法やそれに至るまでのマジックショー、加害者と被害者の動機、ダンガンロンパに求めてる「らしさ」みたいなものがしっかり詰まってた。

■3章
1章と2章で発言もバランスが取れていたコレキヨはまともだと思った。でも違った、見た目通りイカれたやつだった。
死んだ姉のお友達をあの世へ送るため100人近く殺人を犯していた上、その姉の霊が自分に憑依していると思い込んでる狂ったサイコ野郎、それがこの章の犯人「真宮寺是清」
こいつのイカれっぷりのおかげで、しっかりクロを制裁するべきだという引き締まりがでてた。全員が良いやつだと偽善的だとおもってしまうので。

■4章
下品な入間美兎が絞殺で死んだ章。
正直一番最初に親密度をMAXにしてパンツをもらった相手だったので、とても悲しかった。
この章のトリックは比較的カンタンだったので、めずらしく学級裁判前にゴン太かつむぎかに犯人がしぼられていた。ただ赤と青のケーブルを逆にした場合にどういった作用があるのかわからなかったのでどういう展開になるんだととワクワクしてたら、やるせない結末だった。
是清みたいに実はヤバいヤツだったってより、今までのキャラクター性はそのままで意外な行動で悲しい結末になるほうがくるものがある。

■5章
二番目に親密度MAXにした王馬くんが大活躍した章。
この章の注目ポイントは、生存しているのは百田か王馬かという二択であり、生存している方が犯人濃厚という状況。
そしてそれを見抜いた最原君が真実を超えて最後の最後に嘘をつき、みんなを騙して百田に加勢しようとしたところが激アツだった。
愛も友情もあり、ジョーカーてきな王馬が実は黒幕と戦っていることが判明して本当にダンガンロンパV3は傑作だとおもった、この章までは。

■6章
この章は遊びながらため息と疑問点がたくさんでた。

まず学級裁判で確定した事項が
・1章の犯人は赤松ではなく白銀
そして最原その事実を元に
・首謀者がルールを隠蔽できるならこのゲームは破綻している
という主張を「これを見ている人たち」に向けて発信

これに対しての白銀は
・外で見ている人はいない
・ゴフェル計画を乗っ取って過去の事件を再現しただけ
・だから自分が犯人だとしてもどうということはない
と回答する

最原:記憶の植え付けの痕跡があるので回答が信じられない、証拠ペシ
白銀:そのとおりです、嘘
白銀:世界をコスプレさせてコロシアイをさせていた、私の能力
白銀:デスゲームは見てくれる人がいるから成立している
※見ている人がいることが確定

白銀:ダンガンロンパは世界で見ているニーズに応えるために発展した
モノ:今作で53作目の作品でリアルフィクションに発展した形
白銀:黒幕は外の世界の人達
白銀:チームダンガンロンパが運営会社
★だとするとこのゲームルールを破った白銀やモノクマ及び運営会社にペナルティが発生するのでは?※疑問1

白銀:最原達はフィクションの存在、フィクションの中でしか生きられない
白銀:君たちは普通の高校生で設定を与えられただけにすぎない、元は普通の高校生
★元が普通の高校生なら帰る場所は元の家や高校では?※疑問2

白銀:才能なんてない、プラシーボ効果
★入間、東城、是清、辺りの知識や技能は思い込みでは無理があるのでは?※疑問3

白銀:百田が病気なのも設定、ハルマキが百田を好きになるのも設定、転子がヒミコを慕ってたのも設定
★設定によってその後の行動や感情を操れる?もはや人ではなく傀儡となってしまう?それは対人のコロシアイではなく人形劇では?※疑問4

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記憶と設定を植え付けられた後の、行動や感情をひとまとめに嘘(フィクション)としている。それならば記憶と設定を植え付けられる前の状態の行動や感情はすべて真実?
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白銀:絶望した?絶望した姿こそが視聴者をひきつける
★この絶望をみたら参加者が集まらなくなってしまうのでは?※疑問5
ダンガンロンパはコロシアイをさせることで人気を得てるエンタメコンテンツ
「絶望した演技をしている演者」では求められてるエンタメを満たしていない
つまり視聴者は「自分たちがただのフィクションの存在だということを突きつけられたキャラクター達が絶望する姿」を認知する
それは、それに参加するということは自分自身というものは無くなりフィクションの存在になるということを視聴者は理解するということ
キャラクター側で参加してもその後は元の記憶が無いフィクションの存在になるのならそれはただの肉体提供。だとすると参加者は自殺志願者に等しく、仮にこのコンテンツに憧れを持つならば、対象はむしろ運営側になるのでは?

白銀:コロシアイを求める外の世界を止めてみれば?
最原くんは絶望するよりまずゲームルールを破ったチームダンガンロンパが運営として適切ではないということを一貫して主張してほしい※願望

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というのが疑問点、そして最後に個人的に感じたこと。

①視聴者=プレイヤーであり、君たちが望んでいるからフィクションのゲームでコロシアイが起こっているんだという主張を感じた。
②過去のキャラクターを登場させてのフィクション発言から、ゲームの支配権は作り手であり遊ぶ側は作品に影響ないという意思を感じた。
③最後の理論武装でフィクションのキャラクターが視聴者に打ち勝つことはゲーム側が遊んでいる側を支配する疑似演出と感じた。

まとめると作ったものにあーだこーだ言っても作り手は好きなものを作るし、結局は遊んでるもので世界は影響されていくんだろう?という主張。

そんなものを感じて、正直めちゃくちゃプレイヤーとして不快だった。
でもその通りだともおもう。

それにこれは自分が勝手にそう受け取っただけで、作り手が何を思ったかの本当のところなんてわかるわけない。仮にその不快感を否定したいなら、それを超える説得力のあるゲームで対抗するのが本筋かなとおもう。


以上



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