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歌舞伎観てきました!6 花形歌舞伎『与話情浮名横櫛』ほか

2024年1月新春浅草歌舞伎観劇。昼の部。(別のSNSから移動しました)

「源氏店の場」。実はこの演目、昨年、仁左衛門・玉三郎で拝見してしまっていました。その時は、「源氏店の場」より以前のお話もありまして。

与三郎が、やくざの親分の妾のお富と一目で恋に落ち、それが親分にバレて、与三郎は総身に34もの刀傷を負う。お互いに死んだものと思っていたのに、ひょんなことから再会するのが「源氏店の場」。与三郎はゆすりたかりを生業にする無頼者になり、お富は別の旦那の囲われ者となって、優雅な生活をおくっている。

今日の米吉さんの艶やかなお富を観ながら、玉三郎のお富に漂っていた虚無感を強く思い出しました。その日その日は過ぎていくけれど、わたしは明日死んでもいいの、とでもいいたげな。深淵を覗いてしまった人の疲れのような。

隼人さんは、姿が美しくて品が良いので、与三郎の役はぴったり。仁左衛門さんから直接指導を受けたらしいです。あのうたうような名台詞の勢いとリズム。簡単に見えて、ものすごく高度な技術なんだなぁと仁左衛門さんと比べてしまうのも申し訳ない。歌舞伎は、最初は先輩の真似をして、とにかく型を覚えて、だんだん自分のものにしてゆくのだそう。隼人さんの今後を期待しています!

「本朝廿四孝十種香」
ほのかなお香の匂いが場内に漂う幕開け。米吉さんの八重垣姫が、愛くるしく可憐で、種之助さんや巳之助さんの武者姿は、声に姿に勢いがあって、さすが花形歌舞伎!

「どんつく」は、花形役者さんが勢揃いの舞台。巳之助さんはじめ、みなさんのキレの良い踊りを堪能しました。

浅草歌舞伎は初めてです。浅草公会堂は、浅草寺脇にあるリノリウムの床も古めかしい公会堂。階段を上って正面には、ご贔屓さんを待ち受ける役者さんの奥様方や事務所の人がででんと座っています。あまりにも通り道のせいか、皆なんだか気軽に声をかけていきます。案内の方も堅苦しくなく、お客さんも普段着の人が多いです。

新進気鋭の歌舞伎役者さんたちが主役の花形歌舞伎なので、筋書きも、ビジュアルメインですね~。どこかの服飾ブランドのCMみたいです。

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