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Skirt project のコンセプトとその根底にある思考「アイデンティティの不在とハイパーフラット(笑)」



はじめに

私は物心ついた頃から自分は一体何者か、自分のアイデンティティとは何かという事を自分自身に説いてきたと思う。そして最終的には逆説的な答えである寺山修司の「人間の行動はすべて演技的である」と言う思想や平野啓一郎の分人主義などを踏まえ、アイデンティティとは産業革命以降に生まれた個人を分類し作業を効率化するための概念であり、そのものは相対的なものであると言う結論に至った。
しかし、ものを作っていてやはり自分自身のバックグラウンドを元にした一貫性を否定できなく、その矛盾への答えを探してきた。

アイデンティティの不在感の原因

戦後伝統から切り離された文化とその影響

日本の戦後文化を解釈する視点として、村上隆によって提唱されたスーパーフラットは、伝統的な文化からの切断と新興サブカルチャーの形成を強調している。この背景から、ゲームデザインの基盤もサブカルチャーに根ざしており、伝統との融合の不足から生じるアイデンティティの葛藤が浮かび上がる。これが一つ目の原因である。

インターネットによって表層化された情報とその影響

二つ目は新たな表層性としてのZ世代のアイデンティティが考察される。Z世代はインターネットを通じて普遍的な情報を取り込み、伝統的文化からの切り離しによって形成されたグラグラのアイデンティティを抱えている。これは、オタク気質や「かっこいい」への焦点、そして表層的な判断の傾向として現れている。
(あくまで自分の傾向で普遍化しすぎているかもしれないが)

この新たな表層性の特徴は、ゲームやアートなどの文化を奥行きなく判断する浅薄な形成として表れ、インターネットが得た情報が本来の文脈から切り離され、アイデンティティが表層的でフラットになる結果を招いている。
そしてそれがより表層的な世代を生み出していると考え、それをハイパーフラット(笑)と捉える。

ファッションデザインへの応用


ではここまでグラグラのアイデンティティを形成した世代で育った私が日本人としてができる新たなアプローチとは何かと考えた時、これはもう文脈や伝統、宗教、時代などの奥行きを完全無視して表層的なデザインを加速させていくことと考えた。
そしてそれはただ無意味に表層を追うファッションデザインと非常に相性がいいとも感じる。
それゆえに私のスカートのコンセプトはこれらの考えをベースにして、新たな世代の新たなアプローチとして提案する文脈から切り離された趣味趣向である。

簡潔に言えば西洋文化(アールヌーボー)と日本文化(漫画、アニメ)の融合である。 


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