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院長が旅立ったクリニック

先週の土曜日、予約時間通りにクリニックに
到着した私はいつもの通り受付に診察券を出した。
通常なら血液採取待ちになるのだが、今回は
受付の方から「ある封書」をいただいた。

。。。遡る事10日前、お昼にクリニックから
スマホに着信があった。
留守電に「大事なお話があります」と入って
いたので、最初は私自身の健康面でやばい
事実が見つかり、今度の診察で事前に用意
する物があるのかなと思ってざわざわした気持ちで
折り返し連絡をした。
電話口のいつもの受付から出た言葉は想定外だった。
「院長が亡くなりました」
一瞬時が止まった。。。
確か院長は私よりも10歳くらい年下のアラフィフ
だったと思う。正直「なんで?」っていう疑問が
出てきた。
理由を聞こうと思ったが、電話の相手が涙声に
なっていたので、残処理をしに当初は診察で行く予定
だった日に改めて聞くこととした。

封書の中身は一年間の診断データだった。
紹介状は院長しか書けないので、次の病院は私が
探すしか無いということだ。。。
「奥様に確認したところ、持病があったようです」
私の問いかけに受付の女性はそう答えた。
詳しいことはわからなかったが、月一とはいえ
数年通ったクリニックの院長だったので、なんとなく
察することができた。

完全予約制だったとはいえ、個人経営のクリニックは
ワンオペの場合が多く、院長は自身の病状が進んでいても
休めなかったのだろう。。。

このクリニックに通い始めた頃、私の生活習慣病は
危険水域に入っていた。いつタヒんでもおかしくはなかった
らしい。今では数値も下がり危険水域は脱した。
亡くなったドクターは私にとって命の恩人だった。
地元の駅前ビルにあったそのクリニックはいずれ無くなる
だろうが、しばらくはそこを通る度に思い出すだろうな。
お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
R.I.P.



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