韓国語と日本語のオノマトペのうち、音が似ているものを調べる
はじめに
日本語はオノマトペが多い言語とよく言われることがありますが、韓国語は母音や子音の数が多い分日本語よりもオノマトペの数が多いと言われることがあります。オノマトペは音の印象と言葉の意味に関係を持つ言葉であるので、音の数が多いほど表現できる種類が増えることは間違いなさそうなので、その分だけ数が多くなっても不思議ではありません。
外国語学習においては、オノマトペは慣用句などと同様、最後の砦のような存在であり、TOPIKなどの試験においてもなんだかんだあまり勉強することが無く、しかも単語のパーツから意味の推測が難しいので知らないとほとんど意味が分からないという特徴があります。
ですが、音の印象で意味を表現しようとしているという前提は同じはずなので、もしかしたら(もしかしなくても)似ているものはあるのでは?ということで、日本語と韓国語で音が近い単語を調べてそれらから覚えていく作戦を取れないかということを検討してみたいと思います。
調べる方法
対象としたのは以下のKpediaの「擬態語」「擬声語」のページに載っている、196個のオノマトペです。
日本語のオノマトペと韓国語のオノマトペの音の近さを調べるためには、それぞれの発音をカタカナ→ローマ字に変換して、ローマ字での文字の違い(編集距離、またはレーベンシュタイン距離というものです)を調べます。この差が小さいオノマトペ同士ほど、音の近いオノマトペであるだろうという考えです。
例えば「동동」と「どんどん」の場合、
동동 → トンドン → tondon
どんどん→ドンドン→dondon
となり、1文字目のtとdの違いとなり編集距離は1となります。
結果
カッコ内の数字は編集距離(ローマ字の最大長で正規化済み)なので小さい方が音が近い(はず)
끼익 キーッ (0.0)
부르릉 ぶるるん (0.14)
동동 どんどん (0.16)
하하하 アハハ (0.16)
부르르 ぶるぶる (0.25)
부웅 ブーン (0.25)
부릉부릉 ブーンブーン (0.3)
똑딱똑딱 チクタクチクタク (0.33)
스르르 するすると (0.4)
졸졸 ちょろちょろ (0.4)
딩동 ピンポン (0.42)
터벅터벅 とぼとぼ (0.42)
모락모락 もやもや (0.45)
낄낄 くすくす (0.5)
벌벌 ぶるぶる (0.5)
사각사각 しゃきしゃき (0.5)
솔솔 そよそよ (0.5)
아싸아싸 よっしゃよっしゃ (0.5)
영차영차 よいしょよいしょ (0.5)
풍덩 どぶんどぶん (0.5)
후들후들 ぶるぶる (0.5)
후루룩 ちゅるちゅる (0.5)
후룩 つるっ (0.5)
훌훌 ゆうゆう (0.5)
쯧쯧 チェッ (0.5)
쿨쿨 ぐうぐう (0.5)
킥킥 くすくす (0.5)
딩동댕 ピンポーン (0.55)
똑똑 とんとん (0.55)
글썽글썽 うるうる (0.57)
더듬더듬 たどたどしく (0.57)
부들부들 ぶるぶる (0.57)
부실부실 しとしと (0.57)
빙글빙글 くるくる (0.57)
실룩실룩 ぴくぴく (0.57)
와들와들 ぶるぶる (0.57)
윙윙 ブンブン (0.57)
뚝뚝 ザクザク (0.6)
뻐끔뻐끔 ぱくぱく (0.6)
어슬렁어슬렁 うろうろ (0.6)
우물우물 もぐもぐ (0.6)
후덜덜 震えるさま (0.6)
꾸깃꾸깃하다 しわくちゃだ (0.61)
반들반들 つるつる (0.62)
벌렁 ごろりと (0.62)
벌컥벌컥 ごくごくと (0.62)
찰랑찰랑 ゆらゆら (0.62)
꿀꺽꿀꺽 ごくごく (0.62)
따르릉 チリリン (0.62)
와르르 がらがら (0.62)
허허 はっはっと (0.62)
굽이굽이 うねりくねり (0.63)
메슥메슥 むかむか (0.63)
무럭무럭 すくすく (0.63)
꾸벅꾸벅 こっくりこっくり (0.64)
바짝바짝 からから (0.64)
재깍재깍 かちかち (0.64)
째깍째깍 かちかち (0.64)
짹짹 チュンチュン (0.64)
꾸물꾸물 ぐずぐず (0.66)
느릿느릿 のろのろ (0.66)
데굴데굴 ごろごろ (0.66)
머뭇머뭇 もじもじ (0.66)
엉엉 わんわん (0.66)
우물쭈물 ぐずぐず (0.66)
조마조마 はらはら (0.66)
쿨쿨하다 ぐうぐうと寝る (0.66)
토닥토닥 とんとん (0.66)
퍼석퍼석 ぱさぱさ (0.66)
훌쩍훌쩍 しくしく (0.66)
보글보글 ぐつぐつ (0.66)
와글와글 わいわい (0.66)
짝짝짝 パチパチ (0.66)
칙칙폭폭 シュッシュッポッポ (0.66)
퐁당퐁당 ちゃぽん (0.66)
간들간들 ゆらゆら (0.68)
두리번두리번 きょろきょろ (0.68)
이글이글 じりじり (0.7)
깡총깡총 ぴょんぴょん (0.71)
꾸벅 こっくり (0.71)
말랑말랑 ふわふわ (0.71)
비틀비틀 ふらふら (0.71)
주삣주삣 つんつん (0.71)
짜릿짜릿 ぴりぴり (0.71)
쪼글쪼글 しわくちゃ (0.71)
토실토실 ぽちゃぽちゃ (0.71)
두근두근 どきどき (0.72)
엉금엉금 のろのろ (0.72)
쨍그랑 がちゃん (0.72)
기웃기웃 しきりにのぞく (0.73)
깜박깜박 チカチカ (0.75)
나풀나풀 ひらひら (0.75)
산들산들 そよそよと (0.75)
중얼중얼 ぶつぶつ (0.75)
쫑긋쫑긋 ぴくぴく (0.75)
쭈삣쭈삣 つんつん (0.75)
콜록 ごほん (0.75)
펑펑 しんしん (0.75)
푹신푹신 ふかふか (0.75)
홀짝홀짝 ちびちび (0.75)
훨훨 ぼうぼうと (0.75)
힐끗힐끗 ちらちら (0.75)
껄껄 ゲラゲラ (0.75)
꼬르륵꼬르륵 ぐうぐう (0.75)
콜록콜록 ごほんごほん (0.75)
올망졸망 すずなり (0.76)
꿈틀꿈틀 にょろにょろ (0.77)
뒤죽박죽 ごちゃごちゃ (0.77)
따르릉 따르릉 チリチン (0.77)
뻘뻘 たらたら (0.77)
싹둑싹둑 ちょきちょき (0.77)
줄줄 だらだら (0.77)
쫀득쫀득 もちもち (0.77)
흠칫흠칫 びくっと (0.77)
삐리리리 ほにゃらら (0.77)
껑충껑충 ぴょんぴょん (0.78)
오도독오도독 こりこり (0.78)
울컥울컥 むかっと (0.78)
재잘재잘 ぺちゃくちゃ (0.78)
뭉게뭉게 もくもく (0.8)
산뜻 さっぱり (0.8)
싱글벙글 にこにこ (0.8)
아물아물 かすかに (0.8)
어질어질 くらくら (0.8)
오독오독 こりこり (0.8)
으슬으슬 ぞくぞく (0.8)
펄펄 ぐらぐらと (0.8)
히죽히죽 にやにや (0.8)
냠냠 むしゃむしゃ (0.8)
덜걱덜걱 ガタガタ (0.81)
티격태격 いざこざ (0.81)
구석구석 隅々 (0.81)
우글우글 うようよ (0.81)
지근지근 ずきずき (0.81)
대굴대굴 ころころ (0.83)
바삭바삭 かりかり (0.83)
반짝반짝 きらきら (0.83)
보슬보슬 しとしと (0.83)
삐걱삐걱 ぎしぎし (0.83)
지끈지끈 がんがん (0.83)
쿵쾅쿵쾅 どんどん (0.83)
후끈후끈 ぽかぽか (0.83)
휘청휘청 ふらふら (0.83)
흐물흐물 ぶよぶよ (0.83)
또각또각 カツカツ (0.83)
울렁울렁 むかむか (0.84)
쫄깃쫄깃하다 しこしこする (0.85)
꺼칠꺼칠 かさかさ (0.85)
껑충 ぴょん (0.85)
뒤뚱뒤뚱 よろよろ (0.85)
방글방글 にこにこ (0.85)
방긋방긋 にこにこ (0.85)
비실비실 ひょろひょろ (0.85)
빈둥빈둥 ごろごろ (0.85)
살랑살랑 そよそよ (0.85)
성큼성큼 大股に (0.85)
우지끈 ボキッ (0.85)
한발한발 じりじり (0.85)
깡충깡충 ぴょんぴょん (0.86)
끈적끈적 ねばねば (0.86)
쏙쏙 ぐいっと (0.87)
씽씽 ひゅーひゅー (0.87)
펄떡펄떡 ぴんぴん (0.87)
펄럭펄럭 ひらひら (0.87)
후다닥 ささっと (0.87)
에취 はくしょん (0.87)
철컹 ガチャン (0.87)
둥실둥실 ぷかぷか (0.88)
들썩들썩 上下に揺れる (0.88)
지목하다 目星をつける (0.88)
쭈뼛쭈뼛 もじもじ (0.88)
부랴부랴 あたふたと (0.9)
쓱쓱 ゴシゴシ (0.9)
아슬아슬 ぞくぞくと (0.9)
꼬깃꼬깃 しわくちゃに (0.91)
풍덩풍덩 ざぶざぶ (0.91)
저벅저벅 のっしのっしと (0.92)
헐레벌떡 息せき切って (0.92)
시끌벅적 わいわいがやがや (0.93)
덜컹덜컹 がたがた (1.0)
쌩쌩 ひゅうひゅう (1.0)
오동통 ぷりぷり (1.0)
우수수 ぱらぱらと (1.0)
절레절레 イヤイヤと首を左右に振るさま (1.0)
질척질척 どろどろ (1.0)
칭칭 ぐるぐる (1.0)
호로록 ばたばた (1.0)
홱 ポイ (1.0)
땡 ブー (1.0)
어휴 ああ (1.0)
웅성웅성 ざわざわ (1.0)
응애응애 おぎゃおおぎゃあ (1.0)
쩝쩝 舌鼓を打つ音 (1.0)
콸콸 ざあざあ (1.0)
쾅 どんと (1.0)
톡톡 ぱたぱた (1.0)
おわりに
「ぶるぶる」とか「ぶんぶん」系(부르르, 부릉부릉, 벌벌)は結構そのまま覚えられそうな感じがします。振動する様子は日本語でも韓国語でも「ぶるぶる」したり「ぶんぶん」したりするのでしょう。(風による振動は口の中だけでも起こせる現象なので割とグローバルなのでしょうか?)
他は時々似ているものがありそうなくらいで統一的に覚えられそうなものは残念ながら無いようですね…
「느릿느릿 のろのろ (0.66)」のあたりとかはもっと距離が近くなってもよさそうなものなので、やはりローマ字の距離で比べることの限界を感じます。ただこの辺り、音素レベルでの発音の類似度を測る良い一般的な方法も無いので工夫が必要そうです。
また、もっとたくさんの語を対象にするとさらに共通のパターンが見つかる可能性も考えられます。
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