絵で企業案件やって飯を食いたいクリエイターへ
めんどくさい前置きはなしで、まず私は誰かというとイラスト制作の企業案件の進行管理を行っています。クリエイターを探して案件にアサインしたりする人です。イラスト描いて飯を食うために案件に興味がある人もいると思うので、なんか役に立ちそうなことを書こうかと思いました。
ポートフォリオを用意する(当たり前)
まずポートフォリオは絶対に必要です。SNSもあると良しなのでTwitterなんかも作ると情報発信や、ポートフォリオにあげるほどでもないイラストを上げたりする場として使えるでしょう。
人によっては外部サイトを作ったりしていますが、正直pixivとかで必要十分です。
なんでも良いので必ず更新してください。最終更新日が1-2年前だと「このクリエイターは活動してない」と判断して切ってしまうことが多いです。絵をあげられない場合は、たとえばプロフィール欄を更新して「21年お仕事募集中」みたいな表記があるだけでも嬉しいです
企業サイトに登録するのが手っ取り早い
イラストレーターに仕事を振ってくれる企業のサイトがたくさんあります。ピンキリではありますが、登録するだけで向こうから仕事が来る可能性もあるのはチャンスが広がります。ぜひ検討してみてください。
ちなみに闇雲に適当なポートフォリオで登録すれば良いというわけではありません。登録したあと結果は告知されませんが、内部でクリエイターのスキル評価が行われます。私が昔に務めていたところは内部システムでクリエイターのランク分けがされていました。(例えばAランク、Bランク、みたいな)
ちゃんと自分のポートフォリオができてから登録したりすると良いでしょう。
依頼を呼び込むポートフォリオを作ろう
クリエイターのポートフォリオは、クライアントや私達にとって「お品書き」です。このクリエイターはどんな絵を提供できるんだろうとポートフォリオをみて判断します。
つまり、お品書きに無いものを私達がオーダーすることはないですし、それに気がつくこともありません。なので、あなたのできることをポートフォリオを見ただけでわかるようにするのが大切です。
たとえば、絵柄寄せは得意ですか? だったら好きな版権キャラを描いて載せてみるのはどうでしょうか。しっかりとテイストが寄せられているなら、あなたは「テイスト寄せ案件」の候補として挙げることができるかもしれません。
たとえば、厚塗りは得意ですか? ゲームによっては厚塗りのレベルに差はあれど重厚な塗りにも大きな需要があります。もしかしたらゲームアプリのキャライラスト制作を毎月お願いするチャンスが生まれるかもしれません。
たとえば、背景は描けますか? 背景クリエイターは需要があります。背景が描けるならぜひ背景も載せてみると良いでしょう。背景単品では味気ないと思ったらキャラ絵+背景というスチル絵とかでも良いと思います
といったように、あなたの武器をお品書きとして載せることこそ依頼を呼び込めるポートフォリオへの第一歩です。ただ漠然と描いてアップロードするのではなく、「絵柄寄せにチャレンジしてみたのを上げてみよう」「背景練習したのをあげてみよう」「塗りの練習をしたのをあげてみた」とか。お品書きを増やすアプローチも良いと思います
トライアルは調べて、トライ
イラストのお仕事をし始めると聞くことがでてくる「トライアル」っていう存在。読んで字の如く、お試しという意味のトライアルです。
案件的にはざっくり2パターンあります
① クリエイターをディレクターが試すトライアル
厳密にはトライアルではないのですが、よくある話です。たとえば毎月10点とか制作している安定している案件でクリエイター候補を増やしたいときに、たとえば月に1人は新しいクリエイターを混ぜて試しながら制作を行ったりします。
なぜかというとディレクターの知っているうまいクリエイターは他の案件でも使いたいんです。だから新しい人がハマるようならうまい人を外して違う案件に割り振ったりできるので、定期的に良い人を探すのがディレクターたちの宿命であります
内部的なトライアルだったりする場合は、クリエイターにはトライアルという旨は特に伝えないことも多いです。もちろんちゃんと制作に対してお金は支払います、内容自体は普通の制作依頼と変わりませんね。
お試しで担当してもらった制作について対応が良かったりした場合は、リピートしての発注対象となります。なんかいまいちだったなっていう場合は1回きりとなって今後は依頼しなくなります。
これに関しては意識しようがしまいが仕方ないことなので、いきなりなんか新しい案件がきたら「これうまくいけばまた声かかるかもな~」ぐらいの認識でやってもらえば良いかと思います。
② 案件へのトライアル
たまにあるパタ―ンで、これは普通に告知されることがほとんどです。「ほにゃらら案件のトライアル制作なんですが、やってみませんか?」みたいに声がかかります。通常の場合、普通の制作よりも稿料が安いとか、制作したものを実際にゲームに実装したりはしなかったりとか色々条件がついたりすることがあります。
トライアルは案件に慣れてきたベテランクリエイターでも声がかかるので、トライアル=初心者扱いみたいなことではありません。合う合わないを調べるための一歩ということで、お見合いみたいな感じです
ネットとかを見ていると「トライアルはやめとけ!」みたいな書き込みも見ますが、明らかに地雷のトライアル打診をしてくるところもあるようです。わかっていると思いますが、トライアルをクリエイターに無料でやらせることはありません。
まともなトライアルならちゃんとお金は支払われますし、そもそも稿料やスケジュールの相談もできます。(たまにあるトライアル専用の課題制作の場合は、スケジュールかなり融通できることがあります)
こちらから声をかけたのに無料で作らせるなんてのは絶対に危ない案件なので、そういうのは避けてください。
逆に、しっかりと条件が提示されたトライアルはぜひ検討してみてください。場合によっては超大型案件のイラスト制作の発注につながることもありますし、クリエイターがバチっとハマれば定期発注の依頼につながることもあります。
トライアルの結果、毎月20万円~ぐらいの定期的な発注に繋がって頑張ってもらっているクリエイターさんもいたりしてトライアル=悪というわけではありません。
絵柄寄せ・ 実績公開へのスタンスを決めよう
ぶっちゃけていうと、ほとんどが絵柄寄せ(テイスト合わせ)案件です。でも人によっては絵柄寄せはNGで自分の絵柄でやりたいっていう人もいます。逆に絵柄寄せ得意だからじゃんじゃんやりまっせ!って人もいます。
そして日本の案件に多いんですが、制作した事実を公表できない。いわゆる「実績公開不可案件」というものも多く存在します。稿料とかはちゃんと払われますので、「ワシが育てた」が言えないっていうだけではありますが、実績を積むことを重視しているクリエイターからはNGが出ることも多いです。
正直、実績公開OKのほうがクリエイターに声かけやすいので企業側には認めてもらいたいなと思うことが多いです。めっちゃ絵うまいのに実績公開できないのはやらないよっていうことでクリエイターに断られることとかもあって、逆にパフォーマンス落としていると感じます。この辺を決めるのはお上なのでなんともいえませんが・・・。
この2つは、正直案件をたくさんやっていくと必ずぶち当たる問題です。この2つに対して貴方のスタンスを決めてしまうと良いでしょう。(可能であればそれをポートフォリオなどに書いておくと、やりたくない案件の相談が来なくて済みます)
この辺のレギュレーションを決めるのはクライアント側なので私達にはどうすることもできないのですが、可能であれば絵柄寄せできる人で実績公開不可でもいいよって人だと、いろんな仕事を振りやすくて助かるなという印象です。
ちなみに私は「絵柄寄せOK 最強絵師チーム」というのを自分でデータベース化してもっています。絵柄寄せOKの人は仕事を振りやすいので何度もいろんな案件をご紹介させていただいています。
ちなみに国外の案件だと実績公開しやすい案件が多いです。予算も多めなのでクリエイターへの支払いも多めになる傾向があります。ただし、癖が強い制作が多いです(指示書といって1枚画像が送られてくるだけとかあります)
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