おいなりさん

性別:男 職業:外科医 趣味:筋トレ、料理 自己紹介:34歳で癌と診断されたことをきっ…

おいなりさん

性別:男 職業:外科医 趣味:筋トレ、料理 自己紹介:34歳で癌と診断されたことをきっかけに、治療経過や日々の記録などをリアルタイムに更新していきます。

最近の記事

味覚が戻らないストレス

 帯状疱疹発症から1カ月以上が経過して、ようやくほとんどの症状が消えた。手のひらのしびれがなんとなく残ったままだが気のせいだろうか、これも間もなく消えてくれることを願いたい。痰の量と口の渇きは相変わらず。  読書も勉強もやらなきゃいけないことはたくさんあるのになかなか集中力が続かない。半年以上働かず、特にこの数カ月は寝込んでいる時間が長く、起きていてもしんどかったりイライラしたりすることが多かったためか、すぐになんとなく動画を見てしまったり漫画を読んでしまったり、楽な方に流

    • 回復傾向

       帯状疱疹は鎮痛剤と抗ウイルス剤を飲んだことで大分よくなった。まだ肩の痛みは残ってるし、皮疹があった部分はかさぶたになっているので強くはこすれないものの、気にならなくなりつつある。痰の量もさらに減っている。出かけるとすぐに口の中が乾ききってしまうため外出はまだまだおっくうではあるが、読書したり映画見たりと日常生活を取り戻しつつあり回復傾向であるのは間違いない。  味覚も少し戻ってきている。口に入れた瞬間はおいしいかも?と思えるようになった。結局はあまりおいしいと感じられない

      • 次から次へと

         痰の量は確実に減ってきた。ただその分唾液分泌量が低下していることも相まってか口の中の乾燥がとても気になる。そもそも喉の奥の違和感はしっかり残っていることに加えて、痰も硬くなってなかなか出せなくなってきているため結局不快感はあまり変わらない。ケモと違って後遺症が長く尾を引くので、放射線はしんどいなと思う。そう考えると手術を受けた場合はさらに違和感が強いのだろう。  かつて自分が手術してきた患者さんが、術後に経験した違和感や辛さなどはいかほどあったのだろうか。すっかり元通りとい

        • 治療完了

           ケモと放射線を終え、MSSA菌血症となり2週間を超える抗菌薬投与期間を必要としたが、先週ついに退院できた。外の日差しはとても強く夏真っ盛りである。ようやく治療が一段落したので毎日散歩に出かけたい気分だが、あまりの暑さに外出がはばかられる。ここ数日はおとなしくクーラーの効いた部屋で涼んでいる。  相変わらずのどの違和感はすごいが、痰の量は日に日に減ってきている。会話は問題なくできるようになってきたし、水を飲むときも痛みが少なくなってきた。そこで試しに煮物を作ってみたが、塩味

        味覚が戻らないストレス

          入院延長戦

           先週1週間はとにかくしんどかった。週末くらいからは徐々に元気を取り戻し、今週は比較的穏やかに過ごすことができた気がする。  心エコーを2回行ったが疣贅は認めず、血液培養再検も陰性が確認された。しかしながら起因菌がMSSAであること、感染をきたした血管に炎症をきたしており血栓性静脈炎が否定できないことから、点滴での治療2週間、内服での治療2週間の合計4週間となった。あとまるまる1週間入院しなければならない。せっかく8月頭にウィッグのカット予約していたのに間に合わなくなってし

          放射線治療経過⑦

           ついに合計35回の放射線照射を終えて、上咽頭癌の根治治療が完了した。2月半ばの胃瘻造設に始まり、長いようであっという間の5ヶ月だった。僕の心の中では2024年2月で時間が止まってしまっているが、世の中は連日35℃を超える夏真っ只中である。  今回の入院でアズノールを塗布し始めた頸は劇的に良くなった。首をゆるーく圧迫するネットを装着して寝ていたため寝苦しくはあったが、そのかいあってヒリヒリしていた部分はすぐにかさぶたで覆われ、周囲の皮膚はいくらかみずみずしくなってくれた。た

          放射線治療経過⑦

          放射線治療経過⑥

           昨日最後のシスプラチンが終了、放射線も明日の照射が終わればついにラスト3回。喉の痛みはオキシコンチン40mg/dayで内服によってピークよりは抑えられている。前回も記載したと思うが、放射線治療が終了して1週間から10日間は現場が続き、その後から徐々に改善していくとのことだ。おそらく9月に入った頃には痛みはほとんど消えてくれていると期待したい。  放射線照射の皮膚へのダメージは先週末にピークに達した。両頸部、今日胸鎖乳突筋を中心に周囲の皮膚がボロボロと剥けていき常時ヒリヒリ

          放射線治療経過⑥

          放射線治療経過⑤

           今週も5回の治療を終えてのこり7回となった。ようやく終わりが見えてきた。しかし週を追うごとに放射線の副作用のダメージは強くなってきている。  もはやカロナールとトラマールでは到底我慢できない痛みにまで達した。特に寝起きの口腔内乾燥状態で唾を飲み込むときの痛みが尋常ではなかった。毎回涙するほどの痛みだ。日中ほとんど唾は飲み込まず、塩水をつかったうがいで洗い流している。時折反射的に嚥下してしまうこともあるが、そのたびに激痛が走る。とにかく痛みを抑えるために医療用麻薬を使用開始

          放射線治療経過⑤

          放射線治療経過④

           シスプラチンは完全に抜けるまで1週間かかる。導入療法の時もそうだが2回目以降はどの時期にどういった症状がでてくるのか、ある程度把握できるため初回よりも比較的うまく過ごすことができた。とはいってもしんどいのは変わらないのだが。  放射線の副作用の影響は週を重ねるごとに強くなってきた。まずは見た目。明らかで日焼けしたような赤黒い肌へ変わってきた。かさつきもひどく衣服がこすれるのも少しひりひりするようになっている。保湿ケアをすればいくらか症状は和らぐが、放射線照射前はできるだけ

          放射線治療経過④

          放射線治療経過③

           本日2回目の入院を終えて帰宅。前回の入院時はシスプラチンによる口腔内の不快感がありそれが嫌で嫌でしょうがなかったが、放射線のダメージが唾液腺などに入っていたせいか今回はその不快感があまり表にでてこなかった。思わずラッキーとは思ったものの、全ての食事がおいしくないのでうれしいわけではない。  固形食は全く食べたくなかったので、入院中の食事は全てゼリー飲料や栄養補助食品という名の飲み物ばかりとなった。おいしくはないがまあ飲める。ラコール3-4パックに加えてゼリー食で2000k

          放射線治療経過③

          放射線治療経過②

           本日も放射線が終了。これで35回のうち12回、1/3が終了。喉は先週に比べるとしっかり痛い。特に唾液の分泌が落ちてるせいか、寝起きは口の中がかなり乾燥してる。つばを飲み込むだけで痛い。でも口内炎はまだない。来週には口内炎もできてさらに痛くなるだろうか。我慢できない痛みではないからもう少し我慢しよう、そもそも痛みどめをのんだところでこの痛みが落ち着くとは思えないし。  今現在、もっとも辛いと感じるのは味覚障害である。6/13の朝食の時に気づいた違和感から始まり、少しずつ味が

          放射線治療経過②

          放射線治療経過①

           本日で放射線治療35回のうち7回、20%が終了した。少なくとも2週間くらいはなんともないだろうと思っていたがそうはいかなそうなので、現状の記録を残しておく。  まずは喉のつかえ感。最初は抗癌剤の影響だろうと考えていたがどうやらそうではなさそうだ。今朝になって明らかに増悪した。液体を飲み込む時はほとんど気にならないが固形物やつばを飲み込むと少し痛みが出てきた。痛み止めを飲むほどではないが、思ったよりも早く症状として出現している。呼吸のようにしていたつばの飲み込みの1回1回が

          放射線治療経過①

          改めて感じる抗癌剤の影響

           シスプラチンが身体に与えた影響は思った以上に大きかった。退院して4日目、ようやく7割程度の元気になってきた。導入療法よりもすんなり退院できたため、このまま抗癌剤の影響もなくなっていくだろうと楽観視していたがとにかくしんどかった。身体のだるさは取れないし、何より不快なのが口の中の違和感だった。寝る以外のことは何もしたくないのに、口の中が不快すぎて何かしらを口に入れてないと落ち着かなくなる。シャーベット系のアイスが強い味方になってくれたが、これを後2回も経験しなければならないと

          改めて感じる抗癌剤の影響

          旅行記①後半

           CRTの1回目の入院を終えて退院した。だるさ、吐き気、しゃっくりなど一つ一つの副作用が強く出ていたおかげで結構しんどかった。またハイドレーションのための点滴で浮腫んでしまい見栄えも悪くなっている気がする。眉毛もいよいよ9割くらい抜けてしまっていかにも病人だ。鏡を見るのも嫌になるが仕方ない。容姿はまた元気になったら整えればいいだろう。今は我慢我慢。眉毛の描き方を妻に教えてもらおうかな。  下関の旅行の備忘録として追記する。朝も早く起きて7時30に前日に訪れていた唐戸市場へ。

          CRT1回目

           いよいよ後半戦が始まった。抗癌剤は今まで使っていたシスプラチン単剤となるものの、量は1.5倍に増えるため不安ながらに投与が開始された。案の定吐き気は強く出現している。吐き気止めでなんとか抑えているが、昨日の夜はフルーツ以外は口に入らなかった。病院で初めてラコールを胃瘻から投与して最低限の栄養を確保した。この吐き気が続くのは非常に辛い。早く快方に向かってほしい。  放射線に関してはまだ数回しか行っていないので副作用はない。ただやはり照射中の体勢は非常に窮屈だ。頭の先から肩あ

          旅行記①

           副作用もすっかり抜けて元気になってきた。上司から電話があり体調に関してのお話。論文に関しても指導医に任せては、という提案をいただいた。論文はみんなで仕上げるものだからとは言われつつも、筆頭著者ながらしばらく手をつけられていないこともありすっかり自信がなくなってしまったのでどうしたものか。少し見直してひとまず指導医に送ってみよう。  それとは別に、妻と久しぶりに去年の夏以来の旅行を企画していたのでその記録でも。今回は初の中国地方、山口県は下関へ。金曜日に妻の仕事が終わると同