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[アルバム聴いたよ!] Sunny Day Service "いいね!"

2020年3月19日リリース。

2週間ほど前に急遽配信されたサニーデイ・サービスの新作アルバム「いいね!」。
今のところ配信でしかリリースされていないのですが、公式のYouTubeでフル音源を聴けるので一回聴いただけで慌てて感想を書いてます。

というのも!この「いいね!」っていうアルバムが本当にめちゃくちゃ「いいね!」っていうアルバムだったんですよ!いや、冗談じゃなくてホントにいい作品でした。

1曲目の「心に雲を持つ少年」はタイトルからしてスミスの「The Boy With The Thorn In His Side(心に茨を持つ少年)」のオマージュで、曲もスミスのような冷たくもエモーショナルでどこか生き急ぐような演奏でかっこいいです。曽我部さんのギターもジョニー・マーっぽさもありつつメロディやコード感は日本のシティ・ポップも経由したサニーデイ・サービスらしさを感じさせる名曲だと思います。そして曲のラストで歌われる「ずっと消えない太陽がある」はスミスの「There Is A Light That Never Goes Out(ずっと消えない光がある)」を思わせます。この曲は言わずと知れたスミスの名曲ですが、今回のアルバムでは4曲目のすごく爽やかで疾走感がある「春の風」の最初の歌詞でも「今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな」という歌詞がスミスの「2階建てバスが僕たちにぶつかってきて、君の隣で死ねたらそれが最高の死に方なんだ」という歌詞へのオマージュに感じました。

音的にスミスをすごく感じるの曲は「心に雲を持つ少年」くらいだと思うのですが、歌詞のニュアンスなどにはボーカルの曽我部さんの中にあるスミス的な部分がアルバムの端々に出ている気がします。爽やかな春や日常の風景の中でもふと死について考えてしまうセンチメンタルな感じや、7曲目の「コンビニのコーヒー」で歌われる「コンビニのコーヒーは旨いようでなんか寂しい」「コインランドリーはいつでもあいてる それはもう優しさといっていい」と日常の何気ない景色から心情を表現する感じは60年代~70年代のフォークへのリスペクトも強い曽我部さんのシンガーソングライターとしての視点の魅力も存分に詰まっています。きっと僕なんかじゃ信じられないくらいものすごくたくさんの音楽を聴いているはずなので、DJ感覚というか、ヒップホップ的な引用のセンスも感じるところが最高です。

全曲通して軽やかでタイトな印象を受けるので、なんとなく今のバンドメンバー三人での演奏を楽しんでレコーディングしたような印象も受けます。
そこには1995年からずっと不動のドラマーとしてバンドを支えてきた丸山晴茂さんが2018年に亡くなり、今年になって新ドラマーの大工原幹雄さん加入した後初のアルバムという影響もあるのかもしれませんが、かなりフレッシュでとてもいい意味で「新人バンドの1stアルバム」っぽい爽やかさがあります。音自体は違いますがアルバムの感触はサニーデイ・サービスの1995年のメジャー1stアルバム「若者たち」を彷彿とさせますし。

そんな爽やかさや青春感はありつつ、とはいえそこは途中解散していた時期もありながら25年のキャリアを積み重ねてきたバンドだけあってシンプルな中にもバンドサウンドやメロディの引き出しの多さ、歌詞の中に滲む諦観や懐かしさ、現在や過去、そして未来への視点などもあるので、間違いなく「今のサニーデイ・サービス」にしか作れないアルバムだと思います。

5月にアナログ盤とCDのリリースも発表されたので、それまではYouTubeで聴きまくって首を長くして待とうと思います。

ということでとりあえずアルバムをフルで聴ける公式のYouTube音源を貼っておきますね。ホントおすすめ。

「いいね!」
ではではまたいつかお会いしましょう!またね~。

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