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小説『つらつら物思い』

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『かたかた片想い』→『くらくら両想い』→つづき。寧音視点。
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記事一覧

「つらつら物思い」第13話 完

つらつら 2  またいつもみたいに晴琉ちゃんの顔を曇らせてしまうと思っていた。でも予想に…

真島朗
2か月前

「つらつら物思い」第12話

つらつら 1  夏休みの大きなイベントと言えば花火大会。例年は自宅のマンションのベランダ…

真島朗
2か月前

「つらつら物思い」第11話

ぷかぷか  8月。晴琉ちゃんたちが所属するバスケ部の夏の全国大会はあっけなく終わってしま…

真島朗
2か月前

「つらつら物思い」第10話

ぽかぽか 「あぁあ!頭おかしくなる!」  バスケ部の全国大会出場が決まったところに無情に…

真島朗
2か月前

「つらつら物思い」第9話

ふわふわ 2  全国大会への出場がかかった試合の当日。私は円歌と共に会場にいた。飲み物を…

真島朗
2か月前
1

「つらつら物思い」第8話

ふわふわ 1  7月に入り、すぐの土曜日。私の誕生日。でも翌日にバスケ部の全国大会出場が…

真島朗
2か月前
2

「つらつら物思い」第7話

べたべた 2  お見舞いに行った翌日。晴琉ちゃんの体調はすっかり戻ったみたいだったけれど、私への態度がおかしくなってしまった。朝に教室で晴琉ちゃんの前の席を借りて座り挨拶をしても目が合わないし、話しかけてもたどたどしい返事をしてきた。これは私が思っていた以上に。 「ねぇ晴琉ちゃん」 「何?」 「……色仕掛け効きすぎ」 「違うって!」  他の子に聞こえないように配慮して耳元で言ってあげたら、体を大きく後ろに反らして大声で否定する晴琉ちゃん。声に驚いて近くにいた子たちがこち

「つらつら物思い」第6話

べたべた 1  雨に降られた翌日。晴琉ちゃんはお休みだった。円歌に聞いたら「熱出したって…

真島朗
2か月前
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「つらつら物思い」第5話

ざぁざぁ 2  風邪が治った数日後。6月はまだ梅雨で明けてはいない。私は放課後に体育館へ…

真島朗
2か月前

「つらつら物思い」第4話

ざぁざぁ 1  6月。晴琉ちゃんとの二度目のデートの日。なのに。待ち合わせの駅に向かう間…

真島朗
2か月前
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「つらつら物思い」第3話

でれでれ  5月の終わり。バスケ部は新入生も加わった状態での初めての練習試合があった。初…

真島朗
2か月前
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「つらつら物思い」第2話

とげとげ 「ゲーセンで良かった?」 「うん」  ゴールデンウィークのとある日。半ば強引に…

真島朗
3か月前
1

「つらつら物思い」第1話

きらきら 「晴琉ちゃん。お手」 「ん?はい」  高校2年生の春。進級して私は晴琉ちゃんと…

真島朗
3か月前
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「つらつら物思い」プリクエル

 ――恋は醜いものだと思っていた。  一つ年上の志希ちゃんと出会ったのは物心がついたころだったような気がする。気付いたら毎日のように一緒に遊んでもらっていた。かわいくて何でもできる子どもだった志希ちゃんは、年齢を重ねるほどに周りからの注目を浴びていった。あの頃は私も仲の良いお姉ちゃんが人気者になっていくのを見て誇らしく思っていた。  同じ小学校に通っていてずっと仲良しだった。でも志希ちゃんが中学生になりバスケ部に入って勉強に部活に忙しくなると私と遊ぶことが極端に減った。それ