「ここで、、、?売るの。。。?」そうです、町工場にTシャツの販売スペースを作ります。ほぼDIYで。その1
Tシャツブランド「東大阪繊維研究所」は東大阪市にあるエップヤーン有限会社という町工場が運営しています。
東大阪市は知る人ぞ知る(いわずと知れたといいたいところですが、、、)ものづくりの町です。
市が発行している「東大阪ブランド認定製品ガイドブック」によると
事業所密度 全国1位
事業所の数 全国5位
親企業を持たない企業 9割
(H28経済センサス活動調査による)
ということらしいです。。。
分かりやすいようでめっちゃ分かりにくいデータ!!という突っ込みはいったん我慢していただき、小さいけれどキラリと光るものを持った企業が多数存在している町なんだな、くらいに思っておいてください。
そんな東大阪市の中でも特に当社の近所は町工場ばかりで、オシャレなカフェや洋服のお店なんかは全く存在しません。
そんな町にある、まさに町工場としか形容しようのない当社の社屋内にTシャツの販売スペースを作ってみようと思っています。
以前から商品をしっかりご説明しながら販売できる場所が欲しいと感じていたので、昨年末あたりからテナント貸しの物件を探していました。
けれども、なかなか理想的な場所が見つからず、何よりまだ無名の私たちがいきなり店舗を構えても採算が合わないだろう思いもあってずっと前に進んでいない状態でした。
テナント料を張り込んで繁華街にお店を出したからといって物が簡単に売れるとは思えないし、便利のいい近隣には賃料の安い物件がいくらでもあるけど、陸の孤島のようにポツンとお店があっても人は来てくれないだろうし。
色々と思案しているうちに、こうなったらもう悩むのをやめて自社内に場所を作ってしまおう!と思い至りました。
さかのぼること1年ちょっと前の昨年7月、当社は引っ越しをしました。
引っ越しに際して選んだ社屋は3階建てで述べ床650㎡の工場跡の物件です。
それまでは2階建てで述べ床150㎡ほどの貸事務所に無理やり機械設備を詰め込んで、小ロットの糸を社内で作成し、大ロットのオーダーは全て外注加工場さんに依頼して作ってもらうというやり方で仕事をしていました。
けれども、ここ数年は外注加工場さんだけを頼りにものづくりをすることが困難になっていました。
この10年くらいの間に繊維関係の加工場がどんどん廃業し、特に中ロットサイズの糸加工を短サイクルで行える工場が減ってしまったためです。
これからの時代は短サイクルでオリジナリティのあるものづくりをしなければ生き残っていけないと常々感じていたので、加工場さんが減って仕事が滞りがちな状況に非常に危機感を抱いていました。
そこで昨年、中~大ロットの糸を加工する設備を導入することと、在庫商品を一元的に管理するための倉庫保有を目的に、社屋を移設することを決断しました。
引っ越し先を決めるにあたって、今後さらに設備を導入することも想定してかなり広めの場所を選んだので、今のところ社内にまだまだ空間的な余裕があります。
この空間的な余裕について、今までは生産設備の導入ばかり考えていました。
けれども、よく考えれば作るばかりではなく売るためにこの場所を使うという手もあるのではないか、と思い至ったわけです。
最初に書いたとおり、当社は町工場ばかりが立ち並ぶ東大阪市の工業地域内にあります。
正直なところ、こんな場所で普通に服屋さんをやっても誰も来てくれないと思います。
ならば普通じゃない服屋さんをやるしかない。
普通ではなくて、当社らしさのある売り場。
当社らしさといえば糸を自社設備で作っているこの現場感。
ならば特に作業現場との仕切りなども設けず、普段私たちがものづくりをしている環境を見てもらえるように売り場を作ろう!となりました。
Tシャツを見つつ、その材料の作り場まで見られる。
これはこれで面白いんじゃないかなと。
なので、別棟などを立てるのではなく、社屋2階にある倉庫の一角に売り場を作ります。
そして、せっかくならその売り場も自分たちで作ってしまおうと思います。
Tシャツを糸から作るし、売り場も自分たちで作る。
これは自分たちらしいやり方だなと。
ということで早速取り掛かった売り場作り。
最初は床張り。
当社2階は倉庫になっていて、このように商品の糸が積まれています。
その片隅に置かれていた在庫を片付けて場所を空け、床の下地になる合板を仮置きしてみます。
部屋の隅にあるH型鋼の柱の形に合わせて床板を切ります。
サクッとはまりました!
なかなか気持ちいいですね~!
この要領で壁からの出っ張りに合わせて床板を切って並べていくと、こんな感じになります。
この合板を下の鉄板にビス止めして固定します。
0.9m×1.8m=1.62㎡の合板6枚を並べたので役9.72㎡のスペースになりました。
坪数に直すとわずか3坪。
今の私たちにはちょうど良い広さですね。
この合板の上に化粧板と呼ばれる綺麗に仕上げされた無垢板を打ち付けていきます。
上の写真はとりあえず化粧板を仮置きしてみた状態。
この後化粧板の方も柱の形に合わせて少し刻みました。
化粧板を打ち付けたら下の合板からはみ出した部分を丸ノコで切り落とします。
なかなか綺麗にできました。
ここから塗装に入ります。
マスカーと呼ばれるテープとビニールが一体化したものを使って養生していきます。
ここに防腐塗料を刷毛で塗っていきます。
塗った瞬間は紫がかった茶色ですが、
乾くとこんな感じの渋い茶色になります。
一通り塗り終わったら、
乾燥するのを待ってからマスカーをはがして作業完了。
ということで、まずは床を作りました。
次は什器。
商品を平置きする台を作りたいと思います。
その2へ続きます。
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