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その先の色を見たい 「えのぐワンマンLIVE2020 -次章- 」二日目ライブレポート

「えのぐワンマンLIVE2020 -次章- 」二日目の公演を観た。初日でも充分満足する内容だったがこの二日目の目玉は全曲生バンド演奏というところ。えのぐの楽曲がバンド演奏でどう変化するのか。その結果はこちらの期待を遥かに上回るものだった。

初日と同じく「e☆Jump!→Dream!!」のイントロが会場に響く中、暗がりの中サイリウムと4色のステージライトに照らされた会場が映し出される。初日と唯一違うのはえのぐ達が立つステージのその上に楽器が置かれて側にはバンドメンバーが控えている事。この時に期待は既に高まっていた。そうして始まった二日目のライブはスタートから激しい勢いでスタートを切った。


1 絵空事

二日目のスタートは激しいバンドの演奏から始まった「絵空事」ライブ初日で聴いた曲とはいえバンド演奏が入る事でここまでかっこいい曲になるのかと驚かされた。えのぐ達の歌やダンスも普段よりもバンドの演奏に負けじと、一曲目から力強いパフォーマンスを見せてくれた。

2  ギザギザコミュニケーション

「絵空事」をかっこよく終えた……と思う間もなく激しいドラムから始まったこの曲。ライブ二日目を通してこの曲がバンド演奏を通して一番印象を塗り替えた曲なのではないだろうか。冒頭から期待はしていたものここまでかっこいい曲になるのか! ととにかく驚いた。初日のものと聴き比べると全体的に荒々しくクールな雰囲気で歌われているようで、ダンスも初日と同じ曲を踊っているとは思えない程、拳を突き上げながら激しく勢いのあるダンスパフォーマンスで冒頭から魅せてくれた。


そうして最初のMCが入る。「同じ曲でもここまで変わるのか」という奈央の台詞には何回も頷かざるをえない。これからが楽しみで仕方ないという雰囲気のえのぐ達が可愛らしく、そしてこちらもその気持ちは全く同じだった。そうしてライブは環の「盛り上がる準備は出来ていますか!!」という掛け声とともに勢いを増していく。

3  e☆Jump!→Dream!!

MCから流れるように「いくぞー!えのぐー!」の掛け声からスタートを切ったこの曲。ライブ前のBGMとしてかかっていた事、ライブ初日には一曲目として披露された事から聴き馴染みのある曲がバンド演奏になる事でさらに勢いのある曲になっていた。心なしか曲中のジャンプもどこか軽快に飛び跳ねているように感じた。

4 ショートカットでよろしく

「会場温まってますかー!」「配信盛り上がってるー!?」という煽りから入ったこの曲。えのぐの曲の中でも可愛らしい曲の一つなのだけれど新衣装「ステラ」でこの曲を歌われるとこれまでのものより可愛らしさが更に増しているように感じる。ここで間奏の間に挟まれたコールアンドレスポンスは手拍子でのコールアンドレスポンス。筆者は配信でのライブ参加だったがコール禁止という環境でもこうしてライブの中に現地と同じように参加できる事が楽しくて仕方がなかった。

5 常夏パーティータイム

楽しくて仕方ない、といえばやはりこの曲。初日でも楽しさに満ちた曲だったが、二日目のパフォーマンスはバンドアレンジも相まって更に楽しいものへ昇華されていた。ひなお推しの筆者としてはサビ前の夏が終わってしまった時のような少し寂しさが残るパートを歌い上げるひなおが特に印象的だ。


再度MCを挟むもここまでの熱気を冷まさせないと言わんばかりにえのぐみ達を煽りライブは進行していく。二日間観ていて改めて驚かされた事の一つとしてMCの短さがあるがそのスタミナに再度驚かされる事になった。


6 Welcome to Live

ライブも中盤に差し掛かる中(とはいえこの時点でライブ中の体感時間はまだまだ前半だと思っていた)昨日発表されたばかりの新曲も早速バンドアレンジで披露される。初日のMCでえのぐ達も考察していた通りの優しく力強い歌詞はバンドメンバーの演奏の強さにも負けていない。改めて楽曲のリリースが待ち遠しい。

7 午前0時のプリンセス

この曲も初日で披露された新曲。青と紫という相性のいいサイリウムとライトに照らされたステージがステラの衣装も相まってまるで冬のようで綺麗だ。この曲に関しては言葉を並べたところで「かわいい」というシンプルな強さに勝るものはないと感じる。「ぱっしゅわ、ぱっしゅわっぱ」という音がしばらく耳から離れそうにない。

8 YeLL for Dear

ここで「無敵のヒーロー」が来るかと思いきやここで再び4人の曲に。元々がバンド演奏の曲も生バンドとなるとイメージが違って聞こえるから面白い。力強い応援がより熱く感じた。「君は最高!」という歌詞はまさに今のえのぐにこそ贈りたい。


ここで再びMCを挟む。前日に披露した新曲をもうバンドアレンジで披露するなんて! と叫ぶ環だがまるでこちらの言葉を代弁してもらえているような気分になった。大変だったが開催して良かった。という言葉にはこちらこそありがとうと言わざるをえない。そしてライブは後半へ向けてここから更に加速していく。


9 無敵のヒーロー

初日での披露からバンド演奏での披露を匂わせていたこの曲。まさにその期待以上にバンドがよく映える力強い曲だ。激しいギターやドラムの演奏にも負けないパフォーマンスをこの二人は魅せてくれた。間奏中のギターソロはまさに生バンドならではのアレンジでとてもかっこいい。二人のパフォーマンスはまさに「心の応援歌」と言うに相応しいものだった。

10 Brand new stage

「ヒューリックホール東京! まだまだいけますか!」という力強いあんずの煽りから入ったこの曲。ライブ後半でもそのえのぐのダンスパフォーマンスはより一層力が入ったダンスのように感じる。間奏からの「飛びっきりのライブに、なったよ!」というハルの台詞はとにかく楽しいという気持ちがまるでそのまま出てきたように感じた。

11 Original Color Girls!

この曲も前日披露された新曲。初日での披露では新曲の披露、MVの披露という驚かされた曲だが、バンドアレンジでの披露はこちらもそのイメージの変化に三度驚かされる事になった。勢いのある明るい曲がバンドアレンジが加わる事で更にそのスピードをより増して、まるで疾走感という言葉を曲にしたようなものとなっていた。


MCでは直前に歌われた「Original Color Girls!」の実写MVの感想が語られた。えのぐの実写ドラマがコンセプトという事で自分たちの役を別の人達が演じる事が新鮮だったと語るえのぐ達。ライブはラストスパートへ突き進んでいく。


12 ハートのペンキ

今回のバンド演奏から印象をがらりと変えた楽曲はいくつかあるが、この曲もその一つだろう。可愛らしいラブソングがバンド演奏でこれほどかっこいい印象に昇華されるとは思いもしなかった。特にラスサビ前からの盛り上がりはバンドアレンジならではといった雰囲気が素晴らしい。

13 えのぐ

この曲がここで来るのか!? と動揺した人は多いだろう。筆者はてっきりこの曲がアンコール前に来た事で今日のライブはアンコールがないのだろうかと考えてしまった。しかしバンドアレンジが加わった「えのぐ」は昨日までのライブを締める為の「えのぐ」とは違うものだ、と気がついた。力強さを感じさせる環のソロから間奏のギターソロへ繋がるアレンジが特にそれを感じさせた。環のソロだけでなくここまで歌われていた曲以上にえのぐの力強さを「えのぐ」からは感じた。

14 栞

「この場所を世界で一番熱い場所にしましょう!」という環の台詞から始まったこの曲。バンド演奏の強さと「えのぐ」からの文脈の繋がりが正しくアンコール前のラストに相応しい。
「みなさん、大好きです!」という声には配信で観ていても思わず全力の声で答えざるをえなかった。アウトロからのバンドメンバーの盛り上げからえのぐ達の最後の大きなジャンプでアンコール前のライブを締めたのは大団円と言わざるをえない。しかしライブはまだまだ続く。


拍手からだんだんリズムを取り始める会場の拍手。この日はそれが昨日よりも随分早く収まったのはここで重大告知が挟まれたからだ。


今日ここまでのえのぐの楽曲がそれぞれの曲とともにモニターに流れていく。これまで積み重ねたえのぐの歴史にえのぐみ達が感慨深くなっているところに示されたのはえのぐのアルバム発売の告知だった。

そうして最後のMC。えのぐ達がそれぞれアルバムへの想いを語る。今年の目標がアルバムだったと語るハル。一曲も自分達の曲がない時からあんずと二人でやってきたという思い出と共に周囲に恵まれたと語る環。配信だけの曲が多いから人にアルバム一枚でえのぐの事を教える事ができると嬉しそうに話す奈央。自分たちの曲が増える毎に大切なものが増えていき集大成として形になるものができると語るあんず。その総括は環とあんずが言った「これからもえのぐに付いてきてください」という台詞に尽きるだろう。そうして今回のライブの最後を飾る2曲が始まった。

15 It’s 笑 time!(新曲)

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まだ隠し玉があったのか!? と思わざるをえなかった今回のライブで披露された最後の新曲。最初からバンド演奏という事もあるがこれまでのえのぐとはまるで違ったイメージの曲だった。どこか大人びてかっこよく歌いこなすえのぐ達はここからどんな世界を見せてくれるのだろうとわくわくする一曲だった。特に普段のイメージからがらりと変えて低音で大人っぽく歌う環が印象的。これまでのえのぐの低音を歌いこなす人といえばあんずという印象だったのもあり、あんたまの二人がかっこいい曲を歌いこなす姿をこの先観るのが楽しみだ。

16 Colors

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今回のライブの最後を飾る曲となったのはこの曲。聴けば聴くほどにこの曲で感動してしまう。ここからのスタートを歌った歌でライブの最後を締めるというのは、ここが最後ではなくここからがスタートなのだと示されているように感じる。
そうして間奏で叫ばれたのは「まだまだ小さい星かもしれないけれど世界中の目に留まるような輝くアイドルになる」「えのぐは世界一のVRアイドルになる」そして「えのぐに付いてこい!」というただただ力強い、これからへの期待しかない言葉だった。

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ライブの最後に叫ばれたのはマイクを通さない力強い「ありがとうございました!」という4人の声。その返事は声が出せなくとも会場を包み込んだ万雷の拍手で届いた事だろう。

ライブ配信での評価は驚異の100%。有料ライブとはいえこれだけの数字は筆者は初めて観た。この評価は「えのぐに付いてこい!」という声への答えとなるだろう。


ライブが「真っ白なキャンバス」では終わらずに「宇宙を染める七色の光」として終わったこと。その事がこれからのえのぐの次章を飾る始まりの色となったのだろうと感じる。ライブで披露された数々の新曲、実写ドラマMVというVtuberというジャンルではこれまでになかっただろう新しい挑戦、ラジオ番組という新しいステージでの活躍、それから今回の生バンドでのライブ。そのどれもがこれからのえのぐの物語を彩る色になっていくだろう。その未来はどんな美しい色で彩られた未来だろうか。

その色が見たいからこれからも「えのぐについていく」と改めて感じた素晴らしいライブだった。



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