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かだほ ちぐまや
2021年9月9日 23:15
息子の小さな手。玄関でわたしが開けたドアを、わたしの脇の下をすり抜けて息子がピョンと表に出る。2人で玄関を出て、玄関の鍵をかけマンションのエレベータまでの数メートルを2、3歩歩き出したところで、わたしの右手に息子の左手がするりとおさまってくる。「手を繋ごう」とも「手を繋いで」とも言ったわけでもないのに。前に進むために足を左右交互にだすことと同じような当たり前さで、息子はわたしと手を繋ぐ