好きなことだけして生きられる世の中のなかで

こんなことを言ってしまうとおじさんっぽくなってしまうけど、若いうちにやりたくないことをやらされまくったり、理不尽な目にあって地べたに這いつくばるような働き方をするのは悪くないと思う。
経験上そんな人の方が生き方が太くて、人の価値観や世界観に寛容で懐が深い。

ちょっと前までは世の中にルールみたいなものがあって(とにかく大学まで行って、卒業したら就職みたいな)、本当に一部のホリエモンとか才覚がある人でなければ、それに従って生きるより仕方かなった。

それが本当にここ最近のことだけど、ネットが発達して個人の可能性が引きあげられたことで、どんな人でも好きなことをして生きられる世の中になった。もちろん正当な評価を誰もが受けれるようになったのであれば喜ぶべきことだけれど、同時に何だか偉そうな人や窮屈そうな人も増えた気がする。

新卒でフリーランスみたいな人も増えた。才覚と稼ぐ力にはあふれているけど、どことなく細くて不安定に感じる。自分のなかの快不快や正義ひとつだけを生きるモノサシにしているような。

例えるなら特定のルールのなかで誰かに「勝つ」のは上手いけど、めちゃくちゃフリーダムでサバイバルな世界でとにかく「死なない」ことには長けてないようなイメージ。

昔のように外からのルールを押し付けられる世界が戻ってくることはたぶんない。だから良いのかもしれない。

けれど人生の中で好きなことができずに、泥にまみれる時期もあっていい。
そんな気がする。

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