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お金を使い過ぎてしまう同志へ

こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。

お小遣いの前借りは当たり前

親からはじめてお小遣いをもらったときのことを覚えています。毎日10円ずつという決まりでした。お小遣いがあるのがとても嬉しくて、初日に10円しか入っていない自分の財布から意味なく硬貨を出したり入れたりをただただ繰り返していました。

そんな私、お小遣いを計画的に使えた記憶があまりありません。長い期間貯めればそれだけ高いおもちゃを買えるのに、我慢できずに、ちょっとだけ欲しい安いおもちゃを買ってしまう、といったことが多かったです。

さらに、その我慢できなさから、どうしても目の前の物が欲しくなって、親に頼み込んでお小遣いの前借りをするのがだんだん増えていきました。

転機になったアプリ

大人になっても変わらず、お金の管理はなかなかうまくいきませんでした。お恥ずかしい話、お金の管理に関するかなりの部分を親に頼っていました。

ところが、そんな私に転機が訪れます。きっかけは、「毎日の予算」という家計管理アプリでした。

このアプリの何が良かったのかというと、この部分です。

固定の収入と支出をもとに、1日に使えるお金の上限額を表示。食費など支出の記録に応じ、その日の時点で貯金に回せる額も算出してくれます。自分にどれだけの余裕があるかを把握し、1日単位で使いすぎを防げるでしょう。

毎日使える限度額を日割り計算で出し、使わなければ翌日に繰り越されます。この単純なシステムが、私にとっては大きかったのです。

お金管理に向き合いたくなる

通常、いくら節約しても支出はするので、どうしても「使える金額」は下がる一方です。それにつれて、自分のテンションも下がります。

ところが、このアプリは「見え方」を工夫しています。節約すればするほど、表示される金額が上がっていくのです。もちろん現実の貯蓄額は増えないのですが、見え方を工夫するというこの発想の転換の効果はてきめんでした。お金の管理に苦手感を持っていた私が前向きになることができました。

そうなると、どれだけ自分は「毎日の使用限度額」を上げられるかを楽しむようになり、毎日の細かな支出も記録するようになりました。そして、それと並行して、お金を使い過ぎることも自然と少なくなっていきました。

考え方次第で苦手なことを乗り越えられることも

そういったおかげもあり、細かくお金を管理できるような習慣がつきました。フリーランスになった今、この習慣は得がたい宝です。

衝動的な購買欲に支配されて、そんなに欲しくない物をすぐに買ってしまっていたことを考えると、こまめに収支の記録ができて節約できるようになりお金の管理への苦手感を乗り越えている現在は、驚くべき状況です。

面白いのは、「根本的に自分を叩き直した」とか「壮絶な経験をして人が変わった」といったものではなく、1つのアプリが提供してくれた「考え方」に触れただけだったという点です。

案外、そういった「自分を変えるささいなこと」のヒントが、身の周りに落ちているかもしれません。

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