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ロジカル思考と馬鹿

Project MINTの学びの話の途中ですが、ちょっと昔話が書きたくなってしまいました。

過去に起きた事象の捉え方が変わったことを今回は書いてみたいと思います。

あくまで私が個人的に感じたことであり私というフィルタを経ての情報なので当時を知る人が読んだら違和感を感じる部分があるかもしれません。でもこれは私の脳内を言語化するためのnoteなのでご容赦いただけますと幸いです。

タイトルにした「ロジカル思考」と「馬鹿」に関して。

私の社会人生活は、某IT系企業のグループ会社にて新卒採用一期生として入社したことで始まりました。当時は就職氷河期真っ最中。第一志望だったマスコミ業界にはご縁がなかったのですが、女子で総合職、かつ業界的には新しい分野で社会人スタートが切れたことは嬉しく思っていました。
同期は私を含めて5人。周りは中途入社組しか居ない中で、OJTをベースにしたユニークな新人教育研修を受けて、全員が自社が運営する求人サイトの営業部門に配属。その頃はまだ新聞広告や雑誌が主流だった中、Webの求人広告を企業の人事や経営者に提案・営業しました。

ちょっと言い訳ですが、両親ともに公務員と言う保守的な家庭に育った私はバブル崩壊などのキーワードもニュースの中だけの話で、株や投資の話は基本的には「別世界のこと」と親から聞いてきた刷り込み?のせいか、確実な効果=希望する人材の採用が保証できない求人広告の営業にやるせなさを感じることが多々ありました。

そんな違和感が態度に表れていたからか、当時は思ったこと・感じたことを素直に発言させてもらえる環境があったからか、とある上司に

「お前は馬鹿だから」

と、ことあるごとに言われました。
「お前は馬鹿だから何も考えずにとりあえず行動しろ」と。何が馬鹿なのか?と聞くと「ロジカル(論理的な思考)じゃないから」と。

ショックでしたし、悲しかったですが、確かに私は話が長過ぎて要点を得ないとその上司以外からも言われることはあったので、どうにか馬鹿=非ロジカルから脱出しようと考えました。どうしたらロジカルになれるのか?そうだ、「結論」から話してみよう!と、一時期「結論から言うと〜」を枕詞にして会話を意識してみたこともありました。しかし、「結局話が長い」と呆れられてしまう始末。。

「ロジカルじゃない=馬鹿だ」と言われ始めた頃は「えへ、すみません😅」と苦笑して受け流していましたが、成績が良くても「馬鹿だから」、成績が悪いと「やっぱり馬鹿だから」と言われ続けると、それまでただのかすり傷くらいだった言葉もジクジクとした膿のような痛みを伴う言葉に変化していってしまい、転職して客室乗務員になった時も、結婚して駐在妻になってからも、帰国して再就職してからも、ずっと「ロジカルじゃない=馬鹿だ」の背後霊が付き纏っていました。人と会話する時に「私はちゃんと相手が理解するよう会話ができているだろうか?」とずっと不安を感じ続けていました。

実はそんな不安を抱えながら今に至るのですが、インパクトデーで同期のセッションにサポートメンバーとして参加した時に、ゲストの方の言葉に稲妻が走るような衝撃を受けました。

人と話す時のキーワードとして『鎧と呪い』がある。鎧は戦闘モード、呪いは受けてきた教育。理想は鎧と呪いが解ける状態。

背後霊は「呪い」だったのだ、と。
ここで初めてしっかり認識ができて、この呪いの存在を自覚しました。

ロジカル(論理的思考)かどうかで人の良し悪しは決まらないことは、この20年近く様々な人と接したり異国で住んだりしたことで私自身分かっていたはずです。全くロジカルじゃなければ外国語だって、この文章だってかけるはずがありません。そして、ロジカルなだけでは予測不能な事態に対処することも覚束ないでしょう。ましてやVUCA時代と呼ばれるこれからの時代、答えのない環境では誰も筋道をお膳立てしてくれません。それでも、もがきながらも私は前に進むことを諦めていません。
20年前の話が長かった当時の私はロジカルじゃない=馬鹿だと言われてしまったとしても、今の私がロジカルじゃない=馬鹿とは言えないはずです。

過去に起きたことは変えられない。それでもその出来事をどう捉えるか?はいつからでも更新できることに気づけたのです。
そうやって考えてみると過去の悔しかった悲しかった出来事も違った角度から見ることもできることに気がつきます。その時の感情から私は本当は何を求めていたのか?どのような言葉が欲しかったのか?自分の心の声にじっと耳を傾けること、また相手の立場に視点を移してみることで見えてくるものもあります。

当時の上司の目線から考えてみると、私が「えへへ😅」な反応をしていたのも原因だったのかな、と思います。本当は期待してくれていたかもしれないのにそれに応えることが私にはできなかった。推測しかできませんが、当時の上司の年齢を超え、呪いに気づけた今となっては前に進む原動力をくれたこの上司には感謝の気持ちすら湧いています。

ここまで私を突き動かしてくれていたロジカル背後霊には
ありがとう、もうあなたがいなくても大丈夫だよ
とお別れを伝え、次のステージに向かっていけそうな気がしています。
(と、言いながらまた新しい背後霊が「お邪魔しま〜す」とやってくる可能性もゼロではないなw)



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