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【ゲームレビュー】Shadow Gambit: カリブの呪い【ストラテジー/ステルス

基本的にPS5 コントローラーを使用してプレイ。テストのためにK&Mを使用。※本稿はPC(Steam)版『Shadow Gambit: カリブの呪い』の先行プレイを基に執筆しています。

レビューの最後に実際のプレイレビュー動画も貼っているので、参考になれば何よりです。


あらすじとゲーム概要

◆ 高評価を得たステルスストラテジー作品『Shadow Tactics』と『Desperados III』の『Mimimi Games』が贈るステルスストラテジーRPG。
架空の『海賊の黄金時代』を舞台に、超常的な力を持つ呪われた海賊たちを操作して、伝説のモルデカイ船長が残した秘宝を見つけ出せ。

呪われた海賊『アフィア』を筆頭とした海賊たちは、時を操る力を有した“魂を持つ”幽霊船『レッド・マーリー号』に乗り、危険で満ちたカリブ海を冒険する事となる。

呪いの影響で個性的な外見になってしまっている船員達。

『Shadow Gambit』がどのようなゲームなのかと言うと、物語に繋がりは無いものの、2016年に発売され瞬く間に高評価を得たステルスストラテジー作品である『Shadow Tactics』、同じく高評価を得た『Desperados III』から連なる作品で、様々なシステムを継承している。

開発元の作品に馴染みがあるならば、特に説明するまでも無いと思うので、単純に過去作のシステムを昇華/進化させたものになっていると思って欲しい。

シリーズが初めての方向けの解説としては、基本的にはステージ攻略型の作品で、様々な能力を持ったキャラクターを活かし、ステルスやアクションを駆使して戦略的にステージを攻略していくスタンダードな仕様だ。

ちなみに分かり易くステージと書いているがゲーム内では『クエスト』『チャレンジ』『訓練』等と場所と内容によって表記が異なる。

ステージ選択画面。序盤は選択肢が無いが、少し進めるといくつかの中から選択して好きな順番で攻略が可能になる。

本題に戻ろう、本作はリアルタイムストラテジー作品ではあるものの、“ステルスとアクション性”が強く、またキャラクター毎に異なる個性的な特殊能力を持っている点が特徴的な作品だ

キャラクター/船員の特殊能力に関しては次の項目で詳しく解説するが、それぞれアンロック時にチュートリアル的なミッションである『訓練』を受注する事ができ、自然と使い方や特徴を把握する事ができるようになっている。

チュートリアルにあたる訓練はスキップする事も可能だ。過去作をプレイした事がある方は勝手がわかるはずなので、いきなりメインを進めても問題無いはずだ。

このタイプの作品に慣れている方や過去作をプレイした事がある方は勝手がわかるはずなので、訓練が必要ないと思ったのならスキップしてしまう事も可能だ。

操作周りに関しては、ストラテジー作品はパッド/コントローラーでのプレイ、操作が行い辛い事が多いのだが、『Mimimi Games』のストラテジー作品でその心配をする必要は無い。

筆者は人柱も兼ねていつもコントローラーでプレイするのだが、流石と言うべきか、コントローラー周りに関しては最適化されており、特に違和感なくプレイする事ができた。無論、K&Mを使用したプレイでも全く問題はない。

操作方法はカスタムが可能なので、好みで調整しよう。

使用するボタンが多いので慣れるまでは少し難しく感じられるかもしれないが、慣れてしまえば直感的な操作が可能だ。

また、使用するボタンなどはゲーム内から細かく設定する事が可能なので、好みに合わせて調整しよう。

ステルスストラテジー

◆ 物陰に隠れ、見つからずに敵を一体ずつ倒して目標を達成する、ステルス系作品と言うとそういった内容を想像するプレイヤーも多いだろう。
実際に本作もそういった作品ではあるのだが、『Shadow Gambit』の特徴はその目標を達成する方法、手段の自由度にある

『Mimimi Games』のストラテジー作品で最も個人的に気に入っている点は個性的なキャラクター達の能力を活かした自由度の高いステージの攻略性だ。

基本はステルスだが、攻略の自由度が高い。

例えば、最初から使用可能な船員である『アフィア』は『敵を短時間を止める』『近くの敵に瞬間移動して倒す』といった能力を持っているし、『トウヤ』というキャラクターは敵を口笛で引き付ける事が出来る。

これらの能力は単体で使用しても強力ではあるが『瞬間移動で敵を倒せるアフィアを敵の通り道に配置し、トウヤの口笛で敵を引き付け、アフィアでトドメをさす』といったような、前述したように自由度の高いコンビネーション技を行う事もできる

遠距離攻撃が得意なキャラクターであるテレサ等は汎用性が高く、色々と他のキャラクターの能力と組み合わせが可能。

これがなかなかに面白く、プレイアブルなキャラクターが増えるほどに攻略方法も増えていき、更に自由度が上がっていく。

『ここはこうする事が出来るのではないか?』『あのキャラクターの能力を使えば簡単にクリアできそうだ』『そうか、この二人の能力を組み合わせてこんな事ができるのか!』というようなどうやって攻略を行うのか、思考するワクワク感や新しい攻略法の発見が楽しめる

マップを利用して目的や敵の位置を確認して、戦略的に立ち回ろう。

色々と組み合わせを試しても良いし、単体で強いキャラクターだけを使用しても良い。どのようにステージを攻略していくのかはプレイヤーに委ねられる。

これらのキャラクター毎の特徴と合わせて、見下ろし型アクション作品の様にリアルタイムでプレイヤーが各キャラクターを操作するのだが、それもまた面白い仕様になっている

うっかりミスで見つかるのは日常茶飯事だ。

慣れるまではうっかりミスで敵に見つかってしまったり、『ココはもっと上手く出来たはずだ!』等という場面もあり、そういったアクション面でも楽しめる作りのストラテジー作品になっている。

基本はリアルタイムストラテジーとなるが、過去作にもあった、時間を止めて各キャラクター達の行動を指定して同時に行動させる『シャドウモード』も搭載されているので、戦略性が非常に高い

シャドウモードは非常に便利で、色々とお世話になる。

様々な能力を持った船員達だが、実はその殆どは船で死んでおり、彼等彼女等を操作できるようにするにはステージをクリアしていく事で自動的に入手できる『黒真珠』と『魂力』を使用して船員達を一度蘇生する必要がある。

蘇生のチュートリアルで蘇生できる二人のうちの一人である『伊賀のトウヤ』。能力の使い勝手が良いので、オススメ。

それ以降は自由に何時でも彼等を使用可能だ。船員達を蘇生/解放する順番はプレイヤーが決める事になるが、最終的には全員を蘇生可能だし、どの船員も強力な能力を有しているため、好みで蘇生させていくと良いだろう。

細かく調整可能な難易度

◆ 自由度の高い攻略とリアルタイムでアクション性の強い作品と言うと、難易度周りを気にする方もいると思うが、そちらに関しても細かく調整が可能なので心配する必要は無いだろう

プレイ難易度は『探検家(イージー)』『海賊(ノーマル)』『伝説(ハード)』『呪縛(ベリーハード)』の四つから選択でき、ノーマルに当たる『海賊』でもかなり歯応えのある内容を楽しめる。

難易度は細かく調整が可能。

難易度に関しては上記した四つの他にも『プレイヤーの体力』『敵の探知速度』等の幾つかの項目を個別に調整してプレイする事も可能なので、自分のプレイスタイルに合わせて調整してみよう。

また、幽霊船『レッド・マーリー号』の“時を操る”という設定を活かして、ボタン一つでクイックセーブ/リトライが可能になっているので、ステージで色々と試行錯誤して失敗してもストレスなく何度でも繰り返しチャレンジできる点が素晴らしい

巻き戻し画面。一瞬でリトライ/ロードが可能なので、ストレスフリー。

こういった作品では、小さなミスで致命的な損害を受ける事もあるので、そういった部分でストレスを与えない様にしている点がありがたい。

余談だが、実は設定こそ異なるが同じような機能は開発元の初代にあたる『Shadow Tactics』から搭載されている。気になったらこちらもチェックしてみると良いだろう。

豊富なやり込み要素

◆ プレイスタイルにもよるが、メインクリアまで公式から30時間程掛かると言われいる。

やり込み要素としては、メインストーリーを終えると、すべてのステージ/クエストを再度プレイする事が可能になるとの事だ。
単純に難易度を上げてクリア済みのステージに挑み、タイムアタックをしたり、不殺でクリアを目指すといった目標を決めてプレイしても面白いだろう。

リザルト画面で自分の通った道や行動を細かくチェック可能なので、次のプレイの参考にしよう。

もちろん、こういったプレイヤーが自主的に行うやり込み以外にも、ゲーム側もしっかりとやり込みの目標を設定しており、過去作と同様に特定条件を達成する事で得られる『バッジ』があり、これらを狙ってプレイする事が可能だ。

この画像の様に、序盤はバッジの取得条件を確認できないので、ひと先ずはクリアを目指そう。

『バッジ』自体は序盤からでも取得可能だが、取得条件が分からない様になっており、ゲーム終盤でどのバッジ/条件を達成しているかを確認できるようになる。進行状況は航海日誌に記録されているので、確認してみると良いだろう。

完成されたゲームプレイ

◆ 上記した以外にもグラフィックの向上、雰囲気に合った高品質なBGM、最適化されたアクションと操作周り、開発元の過去作と比べても改善された部分が沢山ある。

だが、元から過去作自体の完成度が高かったからなのか、良くも悪くもゲーム性に大きな変化や追加点は無かった
そのため、過去作をプレイした事があり、合わなかったというプレイヤーは本作も合わない可能性が高いので、購入を検討しているのならば、注意しよう。

更にクオリティの向上した部分はあるが、基本は過去作と同じタイプの作品。

誤解の無いようにもう一度書いておくが、本作や過去作が悪かったのではなく、過去作から完成度が異様に高い作品だったために『ゲーム性自体も完成されている』ためにゲーム性に変化が少ないという事だ

不満点

◆ 別の項目でも書いたように、本作はプレイアブルな船員毎の特殊能力がハッキリとしており、それぞれ個性的だ。
そして、ある程度好きな順番で船員を解放する事が可能なのだが、解放する順番によってはステージ攻略の難易度が変化する

正確にはステージ自体の難易度が変わるわけでは無いのだが、特定のキャラクターがいた方が攻略が容易になるステージと言うものがもちろんあり、当然ではあるが、初見ではそれが何処なのか分からない。

どのキャラクターも強力ではあるが、特定の状況では強いが汎用性の低いキャラクターもいる。

また、プレイヤーによっては使い辛いキャラクターや能力と言うものもあるので、初見でそれを引いてしまったらたまったものではない。

プレイヤーが任意で解放できる事自体は面白いのだが、ある程度ストーリーの進行に合わせて自動的に解放される方が、今よりも難易度の調整が上手くいっていたように感じられた。

ただ、全体的な難易度の調整が悪いわけでは無いし、最終的には全ての仲間を解放する事が可能なので、そこまで進めば全く問題はない

-------------------【良い点】-------------------

+ ステルスとアクション要素が豊富なストラテジー作品。

+ 魅力的で個性的な能力を持ったキャラクター達。

+ 自由度の高いステージ攻略。

+ パッド/コントローラーに最適化された操作周り。

-------------------【悪い点】-------------------

- キャラクターを解放する順番によっては、少々難しく感じる場合も。

- 操作性は最適化されているが、使用するボタンが多いので慣れるまでは戸惑う。

- 良くも悪くも、ゲーム面での過去作からの大きな進化は無い。

--------------------【総評】-------------------

リアルタイムストラテジーにステルスとアクション要素をプラスしたユニークなゲーム性、攻略の自由度が高く、リプレイ性もある。メインのクリアややり込み等のボリューム面も申し分ない。

難易度は細かく調整が可能で、初心者も上級者も楽しめる作りになっている。

開発元の他の作品がそうであるように『Shadow Gambit』は全体的な完成度が高く、このタイプの作品が好き、あるいはプレイして見たいという方に手放しにオススメできる。

少しでも本作が気になったのなら、是非ともを手に取って、呪われた海賊の一員となり、仲間たちと共に心躍る冒険に出よう。


レビュー動画もアップしているので、本作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:

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