【ゲームレビュー】Rogue Legacy 2【ローグライク/アクションRPG】
※アーリーアクセス開始時点でのレビューとなっています
伝説のローグライクアクション『Rogue Legacy』待望の続編。やられても諦めてはいけない。次世代へと希望(とお金)を託して、ランダムに生成されるダンジョンを攻略せよ。
----------------------【良い点】----------------------
基本システム
◆ 前作をプレイした事がある方向けの情報としては、基本的なシステムとコンセプトは前作で既に完成されている為、それらに大きな変化はない。今作では細かい点で修正や追加、変更が加えれており、プレイがブラッシュアップされたという印象を受けた。
ルーム(エリア)同士がランダムに組み合わさったダンジョンに挑み、倒された場合は拠点に戻って、その周回で入手したコインを消費して自キャラを強化し、またダンジョンへ挑むというコンセプトは前作と同様だ。
プレイヤーが挑む事となるダンジョンは入る度に内容が変化する。ダンジョン内のエリアの組み合わせはランダムになっており、入る度に配置が変わるのだ。
ランダムな組み合わせではあるが、各エリアのトラップや敵の配置は良く練らており、プラットフォーマーとしても挑戦的なエリアが多く、攻略しがいのある構成となっている。
また、いくつかのエリアにはチャレンジが用意されており、条件を達成して宝箱に到達する事で特殊な報酬を入手する事ができる。
ダンジョン内で目に付く追加要素の一つに、ローグライク作品で良く見られる、その周回だけ効果を得られるアイテムが追加された。
例えば、入手する事で最大HPが低下するが敵に与えられるダメージが増加するアイテム等が配置されている。
パワーアップしたグラフィックと洗練されたアクション
◆ 初代『Rogue Legacy』と比べて、様々なアクションやモーションが追加されたが、どの動きも滑らかになっていて、一目でグラフィック面の進化が窺える。ドット絵の表現自体もパワーアップしている。ドット絵好きとしては嬉しい限りだ。
アクションに関しては、概ね前作を踏襲しており、操作性も含めて抜群の良さになっている。
アクション面で改善された点としては、空中での下突きが当てやすくなった点とMPの回復方法が追加された事が大きいだろう。
アクション性の高い今作では多くのエリアで、足場や敵、果てにはトラップにまで、空中での下突きを当てる事で高い場所へと飛ぶ事を要求される。その肝心の技の当たり判定が前作ではシビアだったのだ。
当たり判定が多少緩和されたことによって、戦闘中でも頻繁に狙って出せるようになった点はありがたい。
もう一つの前作での問題点として、序盤はMPが少ない為に、MPを必要とする魔法やサブウェポンを殆ど使用する事ができないという点があったのだが、そちらも改善されている。
道中で入手できる回復アイテム以外にも『Rogue Legacy 2』では敵を攻撃する事でプレイヤーのMPが回復するようになった。
これによって、ボス戦といったMPの回復手段が限られる戦闘であっても、魔法を温存する必要がなくなった。
魔法を頻繁に使用できる為、爽快感が増したこともプレイヤー的には嬉しい点と言えるだろう。
この他にもプレイを進めて行くことで、いくつかの移動系の追加アクションを覚える事ができるようになった。
メトロイドヴァニア要素の追加
◆ 前作では特定の『ルーン』を装備しなくては使用できなかった『ダッシュ』といった移動能力の一部が、ダンジョン内で特殊なチャレンジをクリアする事によって、永続的に使用可能になった。メトロイドヴァニア系作品で見られる、移動能力の永続強化である。
移動能力強化系はほぼ必須だった為、ルーンの枠を使用する必要が無くなった点が大きい。これによって、心置きなく他の追加効果を持ったルーンが装備できるようになった。そもそも、今作では『ルーン』の仕様自体が違うのだが。
さて、上記したチャレンジについてだが、かなり特殊な仕様になっており、ダンジョン内にランダムで配置されるチャレンジ専用のエリアに入る為の像から突入する事ができる。ちなみに、チャレンジ開始時にHPとMPが回復するという親切仕様になっている。
チャレンジエリアの内容は入手できる能力毎に異なっており、例えば『ダッシュ』を入手できるチャレンジ内では一時的に『ダッシュ』が使用できるようになる。
エリア自体が『ダッシュ』を使用する為のチュートリアルになっているとも取れる。ただし、難易度は高めだ。
プレイスタイル追加
◆ 『Rogue Legacy』ではスキルツリーで様々なクラスをアンロックする事ができる。続編である今作では、クラスのシステムがパワーアップし、クラス毎に使用する武器が異なる。これによって、前作よりも、クラスの違いがはっきりしている為、異なるプレイスタイルを楽しむ事ができる。
プレイ可能なクラスの一部の例として、4種類のクラスを紹介する。
『ナイト』:前作同様、剣を使用して攻撃する事ができ、盾を使用して敵の攻撃を防ぐことができる。バランスの取れた、使い勝手の良いクラスになっている。
『レンジャー』:弓を使って遠距離攻撃ができる。特殊スキルを使用する事で、空中に蔦で出来た足場を出現させる事も可能で、上手く活用する事で一部のチャレンジ攻略が楽になる。
『バーバリアン』:一撃が強力だが、攻撃速度が遅めの斧を使用して戦う。空中で回転攻撃を行う事もできるが、着地時に一瞬硬直する為、使いどころが難しい。特殊スキルは叫び声で敵をフリーズ&周囲の敵弾を消滅させる事が可能。
『ウィザード』:MPが高く、通常攻撃も前方を爆破する魔法を唱える。また、他のクラスよりも通常攻撃時のMP回復量が多い為、サブウェポンや魔法を沢山使用できる。
ちなみにプレイのコツ一つとして、上記した『ダッシュ』を特定の行動時に使用する事で、硬直時間を無視して行動できるようになる。例えば、バーバリアンの空中攻撃発動後等だ。
この他にも様々なクラスが正式リリースまでに追加されると公式からアナウンスされている。かなりの多様性が出そうだ。
使用するクラスの選択は、使用しているキャラクターが倒されると、プレイヤーは次に使用するキャラクターとクラスをランダムに出現する3体の中から選ぶ事となる。
各キャラクターは使用する武器や特殊スキルが異なるだけでは無く、それぞれ『Traits』というこのシリーズのキモとなる特徴をランダムに持っている。
Traits
◆ 『Traits』には有用な効果のモノもあるが、その多くはプレイヤーにデメリットを与えてくる。
例えば、筆者は今作で追加された『Diva』というTraitsが特に気に入っているのだが、この特徴はプレイヤーと敵モンスターの位置にのみ『スポットライト』が当たるという効果になっている。そう、スポットライトが当たっている場所以外は見えなくなるのだ。
前作ではそれらのTraitsはデメリットでしかなかったが、今作ではそれが改善された。下記するスキルツリーで解除可能なパッシブ効果の一つに、特定のTraitsを持っているキャラクターでプレイ中に入手できるコインの量が増えるというスキルを取得する事ができる。特定のTraitsとは、デメリット効果を持っているモノの事だ。
これによって、コインを稼ぎたい時にはワザとデメリット効果を持ったキャラクターを選択するという事が可能になったのだ。
強化要素
◆ 前作から引き続き、ダンジョン攻略中に入手したコインを消費して、拠点にあるお城を拡張する事で、自キャラを永続的に強化する事ができる。
強化できる項目は新クラスの解放から、純粋にステータスを上昇させるモノまで多義にわたる。所謂、スキルツリーだ。
アクションが苦手だったとしても、自キャラを強化をしていく事で難易度を緩和する事ができるだろう。ただし、本レビュー執筆時点ではアーリーアクセス中の為、強化できる項目がまだ少ない。
上記した以外にも、スキルツリーで『鍛冶屋』をアンロックする事で装備品が、『エンチャントレス』をアンロックする事で『ルーン』が作成可能になる。スキルツリーのアンロックと同様に、作成にはコインを消費する必要がある。
装備品は特殊な効果が付与されている物もあるが、基本的には基礎ステータスを強化する効果が付与されている。
一方で、ルーンは装備する事によって、コイン取得数アップや敵撃破時にHP回復といった特殊な効果を発揮してくれる。
両方とも無制限に装備できるわけでは無く、装備品には重量、ルーンであればキャパシティの範囲内でしか装備できない。重量とキャパシティの最大値は両方ともスキルツリーで上昇させる事ができる為、プレイスタイルによっては、こちらを優先的に強化するというのも手だろう。
ただし、上記した『装備品』『ルーン』共にダンジョン内で『設計図』を発見していないとアンロックする事ができないので、注意が必要だ。
余談だが、ダンジョン攻略中に入手したコインは再度ダンジョン内に入ると没収される為、可能な限り消費してしまう事をオススメする。
マスタリーレベル
◆ キャラクター強化とやり込み要素として『マスタリーレベル』というシステムが今作では追加された。
各クラスは敵を倒すことで経験値を取得し、一定貯めることでレベルが上昇するようになった。経験値は周回を跨いで引き継ぐことが可能だ。
レベルが上昇するとクラス毎に決まった特定のステータスが『アカウント全体で永続的に上昇する』。
例えば『バーバリアン』のレベルが上昇すると『Vitality』が永続的に全てのクラスで1%上昇する。
プレイを重ねるうちに、プレイヤー毎に特定のクラスのみでプレイし始めたり、得意なクラスを発見してプレイに偏りが発生する事だろう。
この『マスタリーレベル』システムの導入によって、得意なクラス以外でもプレイするメリットができ、ゲームに更に多様性を与える事に成功していると言えるだろう。
それだけでは無く、周回毎の『無駄』が解消されるという点もプレイヤーのモチベーションを保つ事に大きく貢献している。
周回によっては、アイテムが見つからず、進行も進まず、お金も少量しか入手できないといった事が『Rogue Legacy 2』では起こりうる。
だが、たとえそうだったとしても、経験値を入手している為にゆっくりではあるが、プレイヤーのキャラクターは成長していくのだ。
----------------------【悪い点】----------------------
バグ
◆ 本レビュー執筆時点では、一部のPC環境ではfpsの低下とフリーズが起こる。フリーズは確認できなかったが、筆者の環境ではゲーム開始直後のみ、いったんfps低下が発生した。
強化の強制
◆ 悪い点と言うほどではないのだが、前作の良い点の一つに『移動系能力を拡張しなくとも、クリア可能』という点があったのだが、現行のバージョンでは不可能になっている。
ネタバレになる為、詳細は伏せるが、現状ゲーム進行に必要なとある仕掛けを起動させる為には『ダッシュ』が必要になる。
クラスのバランス調整
◆ 現在はEA中という事もあり、クラス毎のバランス調整が大雑把になっている。弱いクラスは少ないが、明らかに『ボスキラー』なクラスが2つほど存在している。
-----------------------【総評】----------------------
抜群の操作性や爽快感、自キャラを強化をして強くなっていく事で得られるカタルシス、正に『Rogue Legacy』の正当な続編といった作りになっている。前作が好きだったのなら、間違いなくオススメだ。前作を未プレイだったとしても、洗練されたことでプレイがしやすくなった今作から試してみても良いだろう。
ローグ系の横スクロールアクション作品としては群を抜いてクオリティの高い作品に仕上がっている。
現在はアーリーアクセス初期段階ではあるが、『マスタリーレベル』の追加によって、やり込む前提であれば、現段階でもかなりのボリュームがあるといえるだろう。
プレイ動画をアップしているので、気になった方はこちらを参考までにどうぞ。
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