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【ゲームレビュー】モンスターボーイ 呪われた王国 - Monster Boy And The Cursed Kingdom【メトロイドヴァニア】

豊富なパズル要素が特徴的なメトロイドヴァニア系横スクロールアクション。主人公の住む地域の人々は、呪いによって動物の姿に変えられてしまった。
主人公は自ら、そして人々にかけられた呪いを解く手段を探して世界を旅する事となる。

----------------------【良い点】----------------------

アクションとパズル要素

◆ 主人公は序盤で、呪いによって動物の姿に変えられてしまう。物語が進むと変身可能な動物が増えていき、動物毎に特有のアクション、特殊な能力を持っている。
例えば、『ブタ』の場合は嗅覚を使って隠されたアイテムや足場を発見する事ができ、『ヘビ』であれば狭い場所に侵入したり、特定の壁に張り付くことができる。


また、今作では様々な装備品も入手する事ができる。装備品には特殊な能力が付与されている物もあり、『雲の上を移動できるようになる』『水底を移動できるようになる』等の能力がある。
さらに、アイテムはフィールドに隠されている強化素材を鍛冶屋で使用する事で、追加の特殊能力をアンロックする事も可能だ。


いくつかの魔法を覚えることもでき、各魔法の最大使用可能数はステージ内に隠されているアイテムを入手する事で上昇していく。

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通常の仕掛けもそうだが、上記した変身、装備品の能力を上手く活用したパズルが今作では印象的だった。もちろん、魔法も多くのパズルの攻略には欠かせないものになっている。

登場するパズルには入手したばかりの能力で攻略していくもの、アクション要素の強いもの、または両方が必要になるギミックが用意されている。

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特にパズルとアクション両方の要素が組み合わさったものには手強い箇所がいくつも存在し、攻略できた時の達成感は中々のものだ

今作の各エリアは、ステージと言い換えてもいいだろう、アクション、パズル、どちらか一辺倒にならない様にしっかりと工夫がされていて、ゲームクリアまでのプロセスのマンネリ感を軽減している点も個人的には高評価だ。

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戦闘はパズルと同様に変身能力、装備や魔法を使い分けながら行う事になる。また、本作のボス戦では新規に入手した能力を活用して戦う戦闘が多い。

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いくつかのボス戦では、必ずしも能力を使用する必要は無いが、上手く使う事で攻略が楽になる事も。特に魔法は、戦闘では大活躍する。


余談だが、ゲーム全体に散りばめられたパズル要素、入手したばかりの能力を使って戦うボス戦、これらの影響で本作のプレイフィールは通常のメトロイドヴァニア系というよりも、『ゼルダの伝説』シリーズを横スクロールにしたような印象をゲームプレイ全体に与えている

探索と収集要素

◆ 多くのメトロイドヴァニア系がそうであるように、今作もまた、ゲーム後半になるにつれて探索可能な範囲が広がっていく。もちろん、上記した変身能力やアイテムの影響だ。

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初めて訪れた際には行けなかった場所に、そこに到達する為に必要な能力やアイテムを入手してから行ってみると、挑戦的なパズルが待っており、その先には有用なアイテムが置かれているという事はざらだ。


探索をしていく事で発見できるアイテムには『ハート(HP)の最大値を上昇』、『特定魔法の最大使用可能数上昇』、装備品強化用の素材等々、冒険の助けになる様々なモノが隠されている。
アイテムが発見できるだけではなく、探索する過程で装備購入に必要になるお金も溜まっていくので、探索するモチベーションになる。一石二鳥だ。


また、ネタバレになるので詳しくは伏せるが、ゲーム後半では道中で入手できる『あるアイテム』をとある場所で使用する事で、未発見のアイテムの場所を全体マップに表示させることもできる
普通にプレイしていては発見、そこにあると気付き難いアイテムもあるので、この機能は非常に助かる。

----------------------【悪い点】----------------------

日本語翻訳

◆ 日本のクリエイターが関わっている作品ではあるものの、筆者がプレイした時点での本作の日本語翻訳は精彩に欠けていた

例えば、主人公や登場人物達の一人称や喋り方が統一されていない。主人公に関しては急に女性的な話し方になった時には笑わされた。
他にも原語から直訳されているであろうセリフ、敵モンスターの名称等は違和感がある。

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アイテムの説明文やストーリー自体は理解できる文章にはなっているので、プレイする分には困る事は無いが、今後のアップデートでしっかりとした文章に修正される事を期待したい。

進行のテンポ

◆ こちらは悪い点ではないが、購入を考えている方に注意して欲しい点を。


良くも悪くも途中でパズルが用意されているので、アクションだけを求めて今作をプレイするとテンポが悪いように感じるだろう
大抵の場合は『アクション→パズル→アクション』というのが今作の流れになっている。

バグ

◆ 筆者のプレイ環境だけの可能性はあるが、後半のとあるエリアで魔法を使用するとかならずゲームが強制終了する、クラッシュする現象が発生した。その他のエリアでは発生した事が無い。

-----------------------【総評】----------------------

昨今、数多く発売されているメトロイドヴァニア系横スクロールアクションの中でも、今作はしっかりと個性のある作品に仕上がっている

上の方では特徴的なパズル要素をメインに挙げてきたが、良い要素はその他にも沢山ある。

グラフィック面では、本作特有のデフォルメされた動物姿の主人公や住民は愛嬌があり、可愛らしいし、城の兵士ペンギンはハグしたくなる。

エリア内の足場やギミックの配置も良好で、プラットフォーマーとしての質も高い
それに“探索系”本来の面白さもしっかりと出ているので、心配しないで欲しい。


アクションとパズル両方を楽しめるのであれば、間違いなくオススメの作品だ。

どちらの要素とも難易度は高めな箇所がちらほらとあるが、アクション面は特定のアイテムを入手する事で緩和できるし、難しいパズルは何処かにヒントが隠されている。

是非、めげずに最後までプレイして欲しい。

プレイ動画をアップしているので、気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


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