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【ゲームレビュー】Grim Guardians: Demon Purge【2Dアクション】

PS5 コントローラーを使用。クリア済み。※本稿はPC(Steam)版『Grim Guardians: Demon Purge』のプレイを基に執筆しています。


あらすじとゲーム概要

◆ 探索要素もある、ステージクリア型の横スクロールアクションプラットフォーマー。悪魔ハンターの姉妹、姉の『神園しのぶ』と妹『神園真夜』を切り替えながら操作して、悪魔の城となった学校を元に戻そう。

何処かで見たような悪魔の城と化した学校。

本作の2Dアクション作品としてのタイプは、攻撃方法や一部アクション等はもちろん異なるが、基本的な操作性やプレイフィールとしては古典的な『悪魔城ドラキュラ』シリーズを踏襲している。

現代的な作品に登場する所謂『ダッシュ』等の高速で動き回る能力が無く、大分制限された操作性とゲーム性になっている同社の作品で例えるなら『Bloodstained: Curse of the Moon』シリーズのそれに近い。

パッと見の印象から誤解されがちだが、“メトロイドヴァニア”系作品では無いので注意だ。

ストーリー面では、タイトルからは分かり辛いが同じ開発元の『ぎゃる☆がん』シリーズの外伝作品である。当然だが、登場人物や世界観を共有している。
本作はフルボイスかつ、アクション作品としてはかなり会話シーンが入る作品になっているので、ファンには嬉しい仕様だ。

所謂キャラゲーを意識したシーンも。

ストーリーを楽しむ上では『ぎゃる☆がん』を知っている必要は無いが、各キャラクターの関係性や設定をより理解したいのであれば、そちらもプレイして見ると良いだろう。

ドット絵とBGM

◆ 元が『ぎゃる☆がん』という事もあり、キャラクターの表現にはかなり力を入れており、ドット絵で描かれたキャラクターやモーションは職人技になっている。

少しの間しか見ないような場面でもしっかりとドット絵で仕草を表現していて、観ているだけでも面白い。

プレイアブルキャラクター以外にも、ボスのドット絵は特に凝っている。

BGM面では場面に合った良質な楽曲を楽しむ事が出来る。意図してなのかどうか、定かでは無いが、いくつのBGMは『悪魔城』シリーズを彷彿とさせるモノも

アクション

◆ 『Grim Guardians』では遠距離攻撃型の『神園しのぶ』と近距離型の『神園真夜』を切り替えながら攻略していく特徴的なシステムを搭載している。

基本武器はもちろんの事、ゲームを進行していく事で入手できる『サブウェポン』もキャラクター毎に異なっており、様々な場面で有効活用できる仕様になっている。

初期から使用可能なサブウェポンは非常に実用的で、序盤から終盤まで助けになってくれる。

『サブウェポン』の中には高速移動や移動可能な範囲を拡張してくれるモノも。ただし、使用可能な回数に制限があるので、完全に移動能力を強化するという仕様では無い点に注意だ。

サブウェポン『和傘』は滑空以外にも攻撃+空中ダッシュを行う事にも利用できるが、空中ダッシュを行う為にはチャージも必要になるので常用はできない。

これらのサブウェポンを利用する事で、攻略済みのステージでも新たな攻略ルートの発見、ザコ敵やボスの攻略に更に自由度がプラスされていく。新しい攻略ルートでは思わぬ発見をする事もあるかもしれない。

ちなみに主人公達は特殊なゲージを貯める事で、強力な『奥義(パージ)』と言われる必殺技の様な能力を使用する事もできる。

ステージ攻略型作品の“花”の一つであるボス戦に関しては、パターン構成がしっかりとしており、歯応えある戦闘を楽しむ事ができるだろう。開発元のお家芸である“ボスの最後の一撃”もしっかりと用意されている。

HPが0になると、ボス毎の最後の足搔きが始まる。

プレイヤーキャラクターの切り替えシステムを利用した敵の配置、ステージのギミックや構成がしっかりとされており、プラットフォーマー作品としての質が高い。ここはやはりと言うべきか、流石の開発元と言えよう。

協力プレイを前提としたシステム

◆ 本作ではそれぞれのプレイヤーが姉妹の一人を操作して、協力プレイを楽しむ事が可能になっている。
また、そのシステムを利用して、道中で倒れたキャラクターをその場でもう一人のプレイヤーが復活させるという事も可能だ。

ここまでは良いのだが、実はこのやられたキャラクターを復活させるシステムがソロプレイ時には可笑しな仕様になってしまっている。

特にボス戦ではテンポを悪くさせる要素となっている。

キャラクター毎にHPは独立しているため、やられて“いない”方のキャラクターにその場で変更されれば良いところを、何故かチェックポイントまで戻されるという仕様になっている。

そのため、もう一人を復活させる為には、生き残っている方のキャラクターで倒されたキャラクターの下まで到達する必要があるのだ。

この仕様は特にボス戦では煩わしく、ボス戦でのテンポを落とす事に繋がってしまっている。

面倒な探索要素

◆ 上記したようにステージをクリアして物語を進めて行く事で主人公である姉妹は新たな能力を入手していく。
それらの能力を利用してクリア済みのステージを探索し、新たなルートを発見したり、捕まっている学生たちを救出する事が可能になっている。

女子生徒達は分かり易い場所にいると時もあれば、隠し通路で迷子になっている場合も。

新しいルートをプレイ可能であったり、攻略方法が増えるという点自体に問題は無いが、“探索”という点ではゲーム性に全くと言って良いほど合致していない。

とあるサブウェポンを所持していないと破壊できない橋。このためだけにわざわざ長いステージをもう一度プレイするというのはなかなかに面倒だ。

何故なら、今作のキャラクターの移動方法は古典的な『悪魔城ドラキュラ』シリーズの様に『ダッシュ』や高速移動できる能力が基本的には無いからだ。前述したように、一様は高速移動できる能力を入手出来るが、連発できるわけでは無い。

ちなみにマップはステージ選択時に大まかなモノが表示されるだけなので、探索助けにはならない。

極端な言い方をするならば、『制限があり、ストレスのある移動能力を前提に作られたステージとアクション性』になっているのだ。アクション性自体は言うまでも無く、ゲーム性とステージ構成にマッチしているので全く問題は無い。

だが、こと探索においては全く別の問題だ。そのため、同じステージを『探し物のために』またプレイするという探索要素が唯々水増しに近く、あまり面白い要素にはなっていない。

--------------------【良い点】--------------------


+ 古典的な作品に現代的な操作性をプラスしたアクション性。

+ 姉妹の切り替えシステムを考慮/利用した敵の配置、ギミックやステージ構成。

+ サブウェポンの入手による攻略自由度の増加。

--------------------【悪い点】--------------------


- ソロプレイ時の“やられ”仕様

- 一部面倒な探索要素。

- 開発元のお家芸の一つではあるが、何故か設定に音量調整が無い。

---------------------【総評】--------------------

探索や一部システムの噛み合っていない部分はあるものの、開発元らしいクオリティの高い2Dアクション作品に仕上がっている。
しっかりと原作の良さであるキャラクターの性格や会話を意識したストーリーもファンにとっては嬉しい仕様だろう。

良作であるため、オススメの作品ではあるが、前述したようにアクション作品としては古典的な作品に現代の操作性を一部追加したゲーム性になっているので、購入を検討されている方はそちらだけ注意だ。


プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:

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