マガジンのカバー画像

コーヒーチケットをひとつ。飲み物と日常のエッセイ【無料版】

7
【ジャンル】エッセイ 【テーマ】現代をゆるく過ごす情景 【1記事あたり文字数】2000~3000文字 【読書ステップ指標】★★★ 読めば情景が浮かぶ、ありふれた日常から“ひとと…
運営しているクリエイター

#ゆる哲学ラジオ

ななくさつゆりについて

プロフィール筆名 ななくさつゆり 出身 福岡県糸島市 webで活動している小説家、ライター。 自らの観察眼と社会経験をもとに、地の文で心象や情景を瑞々しく書き出す作風。 日常の極一瞬を切り取り、イメージが浮かぶように読者へ伝える文章が共感を呼ぶ。 レビューには、「ノスタルジーに浸れる写真展」との声がありつつも、読みやすさと繊細な空気感を両立させた言葉遣いから、「人を正気に戻す小説」とも。 目に浮かぶ情景の先へ踏み込み、読み手のクオリアに触れる文章を理想とし、「文章で

エッセイ お湯をポットに。お昼どきの珈琲。

かける  今日はオフの日。  心身充電の日。  午前中は、なーんにもせずにだらりと過ごした。  適当に選んだ、アイロンもかけていない襟付きのボタンシャツを肩に突っかけ、袖ぐりに腕をつっこむ。  外出の予定はないはずだから、これでいい。  ついでに、電気ケトルに水をためてスイッチを押した。  パソコンの電源を入れ、動画サイトを開く。  タイトルを確認もせず、目についた再生リストを反射で左クリック。細く深く、息を吐いた。  少しして、ケトルがフツフツと唸り出す。  昨日