エッセイ 海雲台のコンビニ前でマッコリをぐるぐる振った話。(後編)
寒風、そらで白む息。
2016年。韓国、十一月の夜。
仕事で釜山入りしていた私は、担当していたイベントの対応を終え、通訳のユンくんが打ち上げにと手配してくれた焼肉屋を出た。
先ほどまで、暖房が効いていた個室で賑々しくやっていただけに、店先で触れた釜山の夜風は、肌にいっそう冷たく冴えたものに感じる。
店先で、釜山側の担当者にあらためてお礼を伝えてお見送り……もちろん日本語で。ユンくんが訳してくれる……先方が地下鉄駅の方に向かうのを見届けてから、お互い労をねぎらい