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にちようびの音。聴きながらのショートエッセイ。

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【ジャンル】エッセイ 【テーマ】日曜の朝に合う晴れやかな曲の紹介 【1記事あたり文字数】1500文字以内 【更新日】毎週日曜日(月4~5本) 【読書ステップ指標】★★(おてがる)…
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#カゲロウプロジェクト

ななくさつゆりについて

プロフィール筆名 ななくさつゆり 出身 福岡県糸島市 webで活動している小説家、ライター。 自らの観察眼と社会経験をもとに、地の文で心象や情景を瑞々しく書き出す作風。 日常の極一瞬を切り取り、イメージが浮かぶように読者へ伝える文章が共感を呼ぶ。 レビューには、「ノスタルジーに浸れる写真展」との声がありつつも、読みやすさと繊細な空気感を両立させた言葉遣いから、「人を正気に戻す小説」とも。 目に浮かぶ情景の先へ踏み込み、読み手のクオリアに触れる文章を理想とし、「文章で

再生

ひと夏のおわりに。

「当時の雰囲気」や「その時の流行り」って、フレーズがある。 今思えば、あの熱気はいったいなんだったのだろう。 しばらく経って、そんな風に振り返るもの。 ただ、自分にとっては脳裏に焼きついて離れない、印象深いムーヴメントだった。 子供って、大人の知らないところでコッソリ、すさまじい流行にとりつかれてるときがあるよね。 ということで、当時から大人だった方はきっと知らない「当時の雰囲気」。 子供たちが象った、彼らだけの大切な「その時の流行り」。 颯爽と駆け抜けたひと夏の物語のようなもの。 ネットでの「瞬間最大風速」という言葉を聞けばこれを思い出すような。 それなのに、今から知ろうと調べても、どうにも当時の雰囲気が泡霞のようで、掴めない。 『カゲロウプロジェクト』は、思えばそんなコンテンツだったように思う。 私はこの頃すでに学生で、渦中に浸かることはなかったのだけれど、それでも通り過ぎざまに、キーアイテムのフードを被って流行を駆け抜けるあの子たちの熱を感じていた。 その頃耳にしたせいか、『サマータイムレコード』だけは、毎年この時期に聴きたくなる。 大人になる前の多感な子たちが通った最後の秘密基地のような、そんな印象をこの曲に抱いていた。 じきに夏も終わる。 --- おはようございます。 ななくさつゆりです。 毎週日曜日の朝、『にちようびの音。』の時間です。 今日はナレーションのような調子で思い出深いPVを振り返ってみました。 思い出深いとか言いつつね、結構な頻度で聴いていますから、懐かしさとかはないのですけれど。 ただ、このPVを見ながら思うのは、流行の実際がどうであれ、当時の雰囲気は当時だけのもので、その瞬間その場にいたというかけがえのなさだけは真実なのだろうなってことです。 文字通り一生ものってことなんですかね。 それではみなさん、よい一日を。