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にちようびの音。聴きながらのショートエッセイ。

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【ジャンル】エッセイ 【テーマ】日曜の朝に合う晴れやかな曲の紹介 【1記事あたり文字数】1500文字以内 【更新日】毎週日曜日(月4~5本) 【読書ステップ指標】★★(おてがる)…
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#パッヘルベルのカノン

ななくさつゆりについて

プロフィール筆名 ななくさつゆり 出身 福岡県糸島市 webで活動している小説家、ライター。 自らの観察眼と社会経験をもとに、地の文で心象や情景を瑞々しく書き出す作風。 日常の極一瞬を切り取り、イメージが浮かぶように読者へ伝える文章が共感を呼ぶ。 レビューには、「ノスタルジーに浸れる写真展」との声がありつつも、読みやすさと繊細な空気感を両立させた言葉遣いから、「人を正気に戻す小説」とも。 目に浮かぶ情景の先へ踏み込み、読み手のクオリアに触れる文章を理想とし、「文章で

再生

カノンコードに惚れたのがいつか、今となっては思い出せない。

🎵 パッヘルベルのカノンを、最初に聴いたのはいつだろう。 この問いに答えることは、私にはとてもむずかしい。  🎵🎵 ということで、今回は「パッヘルベルのカノン」を聴いて過ごす朝。 毎週日曜『にちようびの音。』でございます。 最初に聴いたの、いつだったかなァ。 もはや思い出せないのですが、なぜかずっと昔から知っていた気がするんですよね。 物心つく頃には聴いた覚えがあるような。 それこそ、日曜日の朝にテレビで流れていたクラシック音楽番組とか、そういうところで意図せず聴いていたのかもしれません。 ただ、きっかけがなんであろうと、カノンコードの曲を聴くと「あァ、なんだかいい感じだな」と思ってしまいます。 そのくらい、自分の耳や心に馴染むリズムです。 🎵🎵🎵 長年、私はこの曲を「パッヘルベルのカノン」だと思っていて、それは間違ってもいないのですが、正式名称は別にあり、「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」と言うそうな。 ちなみに、パッヘルベルのカノンにおける「快い和音」→「不安さをかもす和音」→「解消する音階」を繰り返して前進するコード進行は「カノンコード」と呼ばれ、その技術は現代の作曲にも活きています。 私は音楽の専門家ではないので、これ以上は語れませんが、この明るい繰り返しがなんとも気持ちよくて、幼い頃の自分にも響いたのでしょうね。 そんな「パッヘルベルのカノン」ですが、有名になったのは1970年代に入ってからだそうです。作曲者のヨハン・パッヘルベルが活躍した時期が17世紀半ばから18世紀初頭であることを思えば、実に200年以上経って日の目を見た曲ということになります。 今となっては根付いたものも、遡れば芽吹きは意外と近くにあることもあって、なんとも時間と世相のふしぎを感じますね。 それでは皆さま、よい一日を。