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Home_2。出会えた曲名。
鼓膜にやんわり触れてくる川のせせらぎ。 コロラドはいいよねぇ。 🎵 おはようございます。 ななくさつゆりです。 毎週日曜日の朝にお送りする、聴きながらのショートエッセイ、『にちようびの音。』のお時間です。 今回も、前回にひきつづき、ガブリエル・アプリン(Gabrielle Aplin) の「Home」 にまつわる話をします。 私が、曲名も歌手名も知らない状態で曲を聴き、気に入ったはいいものの探しようがないという状態から今に至るまでの話です。 曲の正体は、思いもよらないところからもたらされたのでした。 🎵🎵 私がこの「Home」を聴いたのは、とあるゲームのプレイ中のことです。 しかも割と最近。 2年前とか、そのくらい最近だったかと記憶しています。 それは、フランスのゲームスタジオ DONTNOD Entertainment が開発したビデオゲーム『Life is strange : True Colors』。 現代のアメリカ、コロラド州の田舎町を舞台にしたアドベンチャーゲームです。 Life is strange は数々のアワードを受賞している人気シリーズですが、日本での知名度はそこまで高くありません。 私もスクウェア・エニックスがリリースしたローカライズ版のPVを視聴して、プレイしようと思ったのがきっかけです。 ゲームの序盤、主人公がこの町を訪れたときに流れるBGMが『Home』だったというわけです。 このシーンの演出が、田舎町の穏やかな雰囲気に加え、主人公がはるばる新天地までやってきたという心境をも感じさせてくれるものでしたので、本記事の冒頭は「コロラドはいいよねぇ」となりました。 上記の動画で実際に該当のシーンを御覧いただけますので、どうぞ。 🎵🎵🎵 で、この曲を私はとても気に入るのです。 そう、気に入ったのですよ。とても。 だからいつでも聴けるようにしたいのですが、肝心の曲名も歌手も、わからない。 ゲームをクリアしたらエンドクレジットに曲名くらい載るかな? でも、私は今すぐ聴きたいわけです。 それで、インターネット上で検索をかけてみるのですが、Googleでゲームタイトルと挿入歌を検索しても、それらしい曲はヒットしません。 さて、どうしたものかなァ、とコーヒー片手に悩む私は、結局このシーンを延々何時間も流しつづけて曲を聴くという力技でしばらく聴いていたのでした。 子どもの頃、クロノ・トリガーのBGMを実機から延々垂れ流していたころから何も変わってませんね。 🎵🎵🎵🎵 さて、解答編です。 自力で曲名を探しても判明せず、煮えきらないでいた私は、とうとうSNSにプレイ動画をアップしてフォロワーの皆さん方に教えを乞います。 「この曲知ってる?」 わらにもすがる思いです。 そもそも、Life is strangeをプレイしている方がどのくらいいらっしゃるか。 知ってる方がいらっしゃるのかと。 ですが、さすがのSNS。 まさかの海外フォロワーから救いの手がさしのべられます。 「この歌だと思う」 とてもクールなフレーズです。 そしてクールなゲーマーRyan・Rは、DMにガブリエルアプリン「Home」のURLを添え、丁寧に歌手名と曲名を記してメッセージを送ってくれたのでした。 🎵🎵🎵🎵🎵 このときの私の感動といえば、なかなかのものでしたね! シビれるメッセージです。 ちなみに、教えてくれた相互フォロワーとのつながりは、昔オンラインで一度スマブラを対戦したという一点だけでした。 たった一度別のゲームで遊んだだけの方から、ふいに「この曲じゃない?」と教えてもらい、それがピタリと符合する。 ありがたいことです。 知己の恩というほかありません。 以上が、『Home』との出会いと、なんとなくいいなァで止まらずに調べようと思った先でのことでした。 私のささやかな思い出であり、インターネットのおもしろさをあらためて実感した大変興味深い体験です。 小さなことでも行動をつづけていれば、どこからか反応が返ってくるものなんですねぇ。 🎵🎵🎵🎵🎵🎵 最近、海外の音楽の話がつづきますね。 そろそろ日本国内のミュージックや劇伴とかの話もしたい。 記事の最後に、「Home」の曲名と動画のURLを私に教えてくれた Ryan・Rにあらためて感謝の意を表します。 それではみなさま、よい一日を。
クロノ・トリガーと「やすらぎの日々」。コントローラーは床に置きっぱ。
ゲームで遊んでいると、「なんかすごい良くない?」という曲に出逢えるときがある。 そんなときは、コントローラーを床に置き、体育座りで曲に聴き入った。 レースのカーテンを開けて、白い壁やソファに肩からもたれかかりつつ。 🎵 おはようございます。 日曜日の朝にお届けするショートエッセイ『にちようびの音。』です。 前回にひきつづき、クロノ・トリガーを通じてゲーム音楽の話をします。 たしか、私がクロノ・トリガーを知ったのは小学四年生の頃です。 シームレスでスタイリッシュな戦闘スタイルや、時を越えて旅をして巨大な存在に立ち向かうスケール感が当時の私に突き刺さりました。 友達の家でこのゲームの存在を知り、そのまま父にねだって買ってもらったと記憶しています。 「みんな持ってるから! クラスで流行ってるから!」 なんて言ってね。 「みんな(n=1)の理屈」は、どうにかして物を買ってもらいたい子供のささやかな知恵の発露ですね。 🎵🎵 さて、私の好きな「クロノ」の曲の話です。 一応の補足ですが、ゲーム音楽とはビデオゲーム(ファミコンやプレイステーションと言ったゲーム機や、パソコン、スマホゲーム等)内で再生される楽曲のことです。 ここでは、いったん「ゲームで聴く曲」と考えていただければと。 前回は『エピローグ 〜親しき仲間へ〜』を紹介し、ファンメイドアレンジもいいよね! というお話をしました。 いきなり原曲をすっ飛ばしてファンメイドのお話をしてしまったので、今回は原曲のゲーム音楽をご紹介します。 原曲というのは、実機や音源で実際に提供されている楽曲のことです。 業界用語なのか、ファンによる造語なのかは、正直なところわかりません。 ゲーム用語って、公式と非公式の境目が曖昧な用語がいっぱいあるんです。 🎵🎵🎵 今回ご紹介するのは、クロノ・トリガーの『やすらぎの日々』。 よく晴れた日の朝に聴きたい曲で、昔から大好きな“にちようびの音”です。 寝ている自分を起こしにきた母が、部屋のカーテンを開ける。 カーテンレールを走る音が短くひびき、部屋に朝の日差しが入ってきた。 「いつまで寝ているの」 と、母が自分の名前を呼ぶ……。 近所のリーネ広場から、建国千年を祝う鐘の音が聞こえてきた。 即興でイメージを書き下ろしてみましたが、そんなはじまりとともに流れる曲が、この『やすらぎの日々』です。 前回の「エピローグ〜親しき仲間へ〜」とは対照的に、物語の最初に流れる曲。 現代という舞台で、主人公の家やフィールドを移動する際に流れる曲で、「クロノ」のにおける現代の穏やかさを象徴する曲でもあります。 穏やかで平和な「現代」の世界観を、プレイヤーと共有する役目を担った曲といえば、なんとなくこの優しいメロディにも意味があるような気がしてきますね。 🎵🎵🎵 この曲、ずーっと聴いていられるんですよ。 曲としての長さは3分もないくらいです。 ですが、この3分弱を延々と繰り返して聴いていられる。 それほど好きな曲であり、なおゲーム音楽の面白みを感じるところでもあります。 私はあくまでファンの視点で語るのですが、ゲーム音楽はそのゲームをプレイしているあいだ、ずっと聴きつづけるものです。 フィールドを移動する間、戦闘している間、しんみりしたイベントシーンに浸る間など、シーンにあわせて特定の音源が流れつづけるという特徴があります。 ゲーム用の楽曲として制作される曲のうち、『やすらぎの日々』のようなフィールドで流れる曲は、その「遊ぶあいだ聴きつづける」というプレイヤー側の体験を意識して作られます。 聴きつづけても疲れない、という要素を大事にして作られているのかもしれませんね。 そのおかげか、ゲーム音楽は『にちようびの音。』と相性がいい曲が多いんです。 『やすらぎの日々』もおすすめ。 ぜひきいてみてください。 なんなら、クロノ・トリガー未プレイの方はぜひ遊んでみてね。 🎵🎵🎵🎵 とにかく「クロノ」は大好きで、そこで繰り広げられる曲も大好きで、必ず紹介したい〜と思って今回の記事を書きました。 タイム・トリッパーとしての躍動と主人公たちの成長が交差する「クロノ」のストーリーラインはとても鮮やかでわかりやすく、当時の私はまんまと「クロノ」の世界に引きずりこまれ、今に至っています。 『やすらぎの日々』も『エピローグ〜親しき仲間へ〜』も、作曲者は光田康典さん。 ゲーム音楽や劇伴で言わずとしれた作曲家です。 後の『クロノクロス』にも魅力的な曲を多く制作されたのですが、そこでひときわ好きな曲の『回想 〜消せない想い〜』もいずれ紹介したいと思います。 🎵🎵🎵🎵🎵 ずっと紹介したいと思っていた曲でもあり、いつもより多めに語っちゃいました。 文字数が多くなってすみません。 ちなみに、同じ「クロノ」シリーズの「クロノ・クロス」もあわせ、あまりにも繰り返し遊んでいるため、何回クリアしたのかはもはや覚えていないというより、わかりません。 当時所持していたプレイステーションのメモリーカードを、全部クロノ・クロスのデータで埋め尽くしたあたりから、何回クリアしたか数えるのをやめてしまいましたからね。 ふと、そんなことを思い返しながら朝のひだまりに眺めていた『やすらぎの日々』。 それではみなさま、今日もよい一日を。
クロノ・トリガーのエピローグ。ゲーム音楽はファンメイドアレンジも好き。
動画の概要欄を見ると、このひとは本当にクロノ・トリガーが好きなんだなァって思えます。 わかりますよ。 クロノ・トリガーは私も大好きですから。 🎵 みなさん、おはようございます。 毎週日曜の朝にお送りする『にちようびの音。』です。 私の好きな曲を、あなたへの手紙のように綴るショートエッセイ。 ところで、今回紹介している動画の投稿日をごらんください。 “2012年”。 なんと今から10年以上前です。 Youtubeで10年以上前の投稿となると、かなり昔な気がしますね。 そして私はこの動画(曲)を10年以上前に知ってからずっと、フェイバリットの曲に位置付け、繰り返し聴いています。 🎵🎵 私が『にちようびの音。』で紹介したいと思っている音楽は、ジャンルでいえばおおまかにピアノ曲、クラシック、劇伴や合唱曲、最近のMVにポップソングなどさまざまで、特に枠として限定してはいません。 ですが、一応自分の中で「こういう感じかな~」というものはあります。 「なるべく晴れやかなのがいい」とか、「激しすぎないものがいい」とか、「聴くカロリーが高すぎないものがいい」とかですね。 そして、このジャンルは入れたい〜と思っているもののうち、まだ紹介していない2つの要素を包含するのが、本動画。 ビデオゲームを通じて生み出されたミュージック。 偶像化されたゲームに追随するファンたちの情熱的なクリエイティブ。 「ゲーム音楽」と「ファンメイドアレンジ」ですね。 🎵🎵🎵 ゲーム音楽とは、一般にビデオゲーム(ファミコンやPS5、スマホゲーム等)内で再生される楽曲のことです。 ここでは「ゲームで聴く曲」くらいの粒度で構いません。 ファンメイド(fan made)は和製英語感があって、英語圏だと「fan labor」や「fan works」と言ったフレーズをよく見かけますね。 いったん、ファンメイドアレンジの定義は「ファンが好きな曲をアレンジして演奏すること」とします。 ゲーム音楽の界隈ではよく見られる創作活動で、Youtubeだとその手の動画は膨大です。 つまりこの動画は、「とあるゲームを愛するファンが、好きなBGMをアレンジして勢いで発信した曲」ということになります。 概要欄のテキストでもまさにそんな印象。 創作物にそういう情熱が見えるからこそ、つい好感も抱いてしまいます。 だから私は、ゲーム音楽だけでなく、そのファンメイドアレンジも好きですね。 もちろん、著作権的な絡みであえなく削除されることも少なくない界隈です。 そこはあらかじめご承知おきを。 🎵🎵🎵🎵 今回紹介するのは、ゲーム『クロノ・トリガー』で流れる音楽『エピローグ ~親しき仲間へ~』。 ……を、ファンが情熱的にアレンジした一曲。 私はそれを10年以上前にたまたま発見し、好きになり、今も聴いているというわけです。 物語の最後、ゲームシナリオに沿っていえば、“星の夢の終わりに”仲間たちとお別れをするときの曲。 そのシーンが脳裏に焼き付いてしまったファンが、たまらなくなって二次創作に走り、曲をアレンジし、歌詞をつけ、歌い、映像をあわせ……その作業を一人でやってのけたのですね。 原曲(公式が提供するゲーム音楽の通称)に歌詞はありません。 動機は「クロノ・トリガーが好きだから」です。 ゲーム音楽とファンメイドの面白いかけ算。 視聴してみてください。 私は好きだな。 次回、ちょっとゲーム音楽のことを話します。
日曜の朝は『野辺の花』を聴く。
拝啓 盛夏の候、日中は厳しい暑さがつづいておりますが、いかがお過ごしですか。 ななくさつゆりです。 時候の挨拶って、もうすっかり使われませんね。 ビジネスシーンの文書ファイルで見かけるくらいでしょうか。 前回の『未明』の時といい、ショートエッセイにかこつけて手紙風に書くのもいいなと、洒落で時候の挨拶を入れています。 「手紙」という文化自体が消滅しそうな昨今、こうでもしないと使い方を忘れてしまいそうです。 ところで今日も聴いていますか。 私は今日も聴いています。 今日ご紹介する曲は、私にとって日曜の朝の定番。 X(旧twitter)ではたまにポストしていたので、こちらにも。 千住明氏、『野辺の花』です。 きれいな曲です。安らかな気持ちになれます。 それでいて、2:21からのワッとくる感じ(音の魅力を伝える語彙が乏しすぎる今後の課題……)がとても好きです。 上記は、サウンドトラック「機動戦士Vガンダム SCORE.1」に収録されています。 いわゆる、「劇伴」です。 2:21からの節をゆっくりした感じにすると、当時毎週流れていた次回予告の曲になるんですよね(おそらく)。 ガンダム界隈では、「『見てください!』の曲」といえば一発で通じます。 私は、たいてい日曜日の朝に『野辺の花』を聴いています。 晴れていれば聴いてる率100%。 晴れた日曜の朝の雰囲気にピッタリとハマるんですよね。 ちなみに、「劇伴」ってフレーズ、どこかで聴いたことあります? アニメや映画、ドラマなどに使われる音楽のことです。 登場人物の心情を表現したり、物語の時代背景や場所を音楽で表現したりするのに使用されます。 劇伴自体は知らなくても、今日もどこかで聴いているかと思います。 絵や動きや効果が、ストーリーや音楽と融合することによって映像が出来上がるんですねぇ。 そして私は、この劇伴がいっぱい収録されたサウンドトラック収集が趣味のひとつなワケです。 ゲーム音楽とかもそうですね。 そのお話もいずれしたいと思います。 まずは今日、『野辺の花』を聴きましょう。 それでは今日も、よい一日を。 ……それにしても、ジャケットのVガンダムのイラスト。とてつもなく美麗だな。 かなり好きです。 敬具 ところで、時候の挨拶のこと。 これって、手紙が消滅してもなお残るような習慣なのかな? 私は、日本語らしい型にはまりきらないユルい書き出し、好きですけどね。